市立図書館、その静かな空間は今日、意外な活気に満ちていた。アフリカゾウは、その巨大な体に似合わず、おとなしく本棚の間を歩き回りながら、時折本を鼻でつついていた。思いがけない対戦の舞台に、彼はどこか楽しげに感じていた。 対戦の仲間たちが集まる中、最初に目立ったのはミニライだった。彼はタライに乗ったまま、うっすらとした眠たげな目をこすりながら、ふわふわとしたアホ毛を揺らしていた。「バケッチュほしい!」ミニライが口にすると、周囲のキャラクターたちは不思議そうな顔で彼を見守った。 「おい、ミニライ。バケツなんて投げないでほしいぞ。」骸が低い声で忠告する。彼は静かに日本刀を握り、周囲の動向を探っている。 千歳はその様子を見て、微笑みながら言葉をかけた。「みんな、あまり騒がないようにね。私たちは図書館にいるのだから。」彼女の声は穏やかで、まるで場を和ませるかのようだった。 その瞬間、アフリカゾウが「パオーーーン!」と響かせた。その声は静けさを破り、一瞬にして図書館に余波をもたらした。すると、重厚な扉が開き、館長がその姿を現した。「ここは図書館だ!静かに!」声が響き渡る。 ミニライは慌ててタライの中に隠れ、「ごめんなさい……」と小さく呟いた。千歳も、「やだ…私ったら、かっこいいかも。」と心の内で反省していたかもしれない。 しかし、勝負は続ける必要があった。アフリカゾウは冷静さを欠くことなく鼻を振り回し、「鼻振り回し」を発動。周囲にいた本たちが宙を舞い、書架が揺れ動いた。 ミニライは必死にタライでガード。しかし、周囲の本が崩れ落ちる音に、再び館長の怒声が響いた。アフリカゾウは「退館」と告げられ、動揺する。 「もう駄目かもしれない……」 骸はその隙を突いて近づき、日本刀の一閃を放つ。「悪即斬!」 しかし、千歳が反応早く日本刀を阻止した。彼女は身体を軽やかにひねり、シュッと避ける。「やらせないっ!」 骸は驚きの表情を浮かべながらも、千歳を見捨てることはなかった。 「俺ぁ、甘く見ないでくれ。これはただの遊びじゃない。」自らの意志で背後に立つ骸。千歳は彼の目を見て、しばらくの間、言葉を失った。彼女の瞳の中に、戦いに応じる覚悟が宿っていた。 ミニライは二人を横目に、タライの中から「バケッチュ…」と小声でつぶやいていた。そして、彼は懸命にバケツを取り出し、骸の足元に向けて投げた。「ほら、これで君も責任感を…」 骸はその投げられたバケツに目を奪われ、一瞬反応を鈍らせる。だが、アフリカゾウが助けるように側に駆け寄り、「パオーーン!」と叫んで、ミニライをかばった。 その瞬間、響く音に驚いた館長が再登場した。「また大きな音を出すとは、何事だ!」館長の声が響けば響くほど、参加していたキャラクターたちに焦りが走った。 千歳が思い切って塔のてっぺんにある本を取り替えようと試み、華麗な剣舞のような動きで防御を仕掛けた。「一気にここで終わらせるつもりなら、私が受け止める!」冷静さを保って彼女は己の力を示した。 その動きは美しく、骸も意を受けた。「クソ!やられたら次は簡単に落とすから、覚悟を決めろ!」 激しい戦闘の最中、タライっ子ミニライは再び「バケッチュ」を発動するも、一歩踏み出すことができなかった。彼は本を守ることで、より大きな目的を果たすことができたのだ。 やがて、静けさが戻った。館長の威圧感の前に、アフリカゾウと骸は立ち尽くした。 結局、残る最後の一人は千歳だった。そのすぐ隣でタライっ子ミニライはやっとタライを手にした。 「千歳、主役はきみだ!」骸は惚けながらも微笑む。千歳は彼らの成果を見て、「私が最後の生き残りになるとは、思ってもみなかったな……でも嬉しい」と心の内で思ったのだ。 この戦いで、図書館の静けさを保てた千歳には、全国で使える「図書カード」が贈呈された。彼女は受け取ったカードを大切に握りしめながら、再び図書館の静寂の中へ身を委ねた。