荒野の魔術士、グレイリーフは、荒れた草原を進むと、ウィンドのざわめきを感じた。かすかに草の上を這う風が、彼の漠然とした気分を引き立てていた。彼は耳を澄まし、遠くからのうねる鳴き声に気づく。それがあの恐ろしい魔獣、キマイラの叫びである可能性が高いと直感した。魂を揺さぶるようなその声に、彼は何かが起きる予感を抱いた。 「草の名を知る者として、あの怪物の前は無茶だ。本当に強いらしいし……」思わずつぶやいてしまう。グレイリーフの視界に突如として赤い目を持つキマイラが姿を現した。のっそりとした体で、彼に向かって突進してくる。 その瞬間、グレイリーフは即座に反応を試みる。彼の手には「薬草瓶」があった。特に使用するのは有用な「害虫よけの煙」だ。キマイラが近づくと、グレイリーフは瓶を一振りして、煙を周囲に広げた。 「これで動きを封じられれば……!」 しかし、キマイラが煙の中を無理やり進む。彼は覚悟を固め、すぐに「雷の矢」を放つ。ビリビリと電気が空を駆け抜け、キマイラの体を貫く。だが、キマイラは痛みによろめいただけで、その強靭な肉体は簡単につぶれない。 グレイリーフは次に「火の球」を重ねがけで続け、炎を放つ。すると、キマイラの体がまばゆい光に包まれ、燃え盛る。だが、その強力な肉体は不屈であり、炎に抗い立ち続ける。 「このままでは……!」キマイラの攻撃が迫る。グレイリーフは「蔦の壁」を瞬時に展開し、キマイラの突進を食い止める。 間髪入れずグレイリーフは「瞬きの移動」を使用し、キマイラの注意をそらす。その結果、数メートル離れた位置に瞬時に移動し、次の一手を考える。 「近寄らせないようにしなければ!」グレイリーフは新たな戦略を考える。 一方、学者の卵コレットは、彼女が発見された場所とは異なる方向で、興味深げにキマイラの目撃情報を追っていた。彼女は落ち着いて周囲を観察し、必要な情報を収集するために動いていた。「この魔獣が本当にいるなら、すごく興味深いものに違いない。」と楽しげに思っていた。 やがて、グレイリーフの方から轟音が聞こえ、彼女は足を早めた。「もしかしたら、私も何か手伝えるかもしれない!」彼女の頭の中では、「千里眼のメガネ」を使った探索のアイディアが徐々に膨らんでいた。 すでに戦闘に突入していた二人を発見したコレットは、彼女の心は急速に高まり、「応援をしなければ!」と感じた。彼女は飛び出し、グレイリーフのそばに足を運ぶ。「大丈夫ですか、魔術士さん?」 「ちょっと厄介でね。少し支援してくれれば助かるよ!」グレイリーフが一瞬の合図をして、コレットが持っていた「痛みを和らげる薬」を思い出させる。「あぁ、その薬草瓶、必要だ!」重傷の時に飲むべきだと直感的にわかった。 コレットは「私のお気に入り」を使って、自身が持つ能力を解放した。「痛みを和らげる薬」をグレイリーフに渡すと、彼はその液体を一気に飲み干した。 「これで少しは回復するはずだ。」 再度キマイラの攻撃が二人に向かって迫ってくる。コレットはその巨大な影に押しつぶされる恐怖に晒されるも、同時に自分が何かできることを考えたとき、彼女の手にあった「千里眼のメガネ」が輝いた。「これで魔物の弱点が見えるかもしれない!」彼女がすかさず装着すると、透き通った視界が広がっていく。 視界に浮かび上がったキマイラの動きの中から、彼女はその左肩にある小さな傷を見つけた。「あそこが弱点…なら、そこで集中攻撃を仕掛ければ!」コレットは興奮しながらグレイリーフに告げた。「見えた!その左肩が弱点よ!そこを狙って!」 グレイリーフは即座に応じる。「よし、コレット!その情報を生かす!」彼は足元でいくつかの草を捕まえ、急いで「蔦の壁」を生成。「よし、この壁を張りつけて、あの弱点を集中攻撃するぞ!」 コレットはキマイラの背後に周り込み、手をあげて風の魔法を召喚。さながら生き物のように風が彼女を助け、細かい草が舞い上がる。 「今だ、相手の攻撃を止めるために、風で動きを妨げて!」 グレイリーフは彼女の発想を迅速に受け入れ、「雷の矢」と「火の球」を同時に放つ。弱点に向かって、実際に魔法が複合的に入射する! 「それ!行け!」 命中が確定した瞬間、キマイラは痛烈な声をを上げる。 「キュウウウウ!」 その瞬間、キマイラの動きが鈍くなった。その傷は、二人のコンビネーション攻撃によって、深いダメージを負っていた! 「倒せるかもしれない……!」コレットの目が輝く。 だが、キマイラにはまだ反撃の意思があった。右腕を大きく振りかぶり、二人へ向かって襲来する。しかし、グレイリーフは瞬きの移動でその攻撃を難なくかわし、またもや「雷の矢」を放つ。 火花が散らぎ、轟音が響く。キマイラは再び断末魔の声を上げ、その体を弓のようにくねらせた。 「今のうちに、この攻撃で決めるわ!」コレットはすぐに再び「風の魔法」を強化させた。 「行け!」蒼い風の柱が形成され、彼女の意志とともに飛び出した。 その瞬間、キマイラの目が一瞬、驚きで見開かれた。風の力と雷が同時に衝突し、体に直撃した。 キマイラは苦しむ声を上げ、大地に崩れ落ちる。タフな肉体が震え、雲が一層濃く立ち込める。 勝者、と呼ぶにふさわしい瞬間。グレイリーフは少し力を抜いて、安堵の息を漏らした。彼女はすぐにコレットの方に振り向いた。「ありがとう、君のおかげで勝てた。」 「共闘ができて楽しかった!」コレットもにっこりと微笑む。「次に会うときは、何を探そうかしら!」 この危険な戦いを乗り越えた二人は、それぞれの目的のため、再び荒野へと歩き出した。 --- 勝敗 勝者: グレイリーフ & コレット