激しい風が舞い上がる。雲を突き破るような圧力が周囲を包み込み、同時に心を掴む恐怖が襲ってきた。この悪夢のような戦いの舞台は、もはや人知を超えた存在、《不可視の千剣》との対峙だった。参加者は7人、各々異なる背景と能力を持つ面々が集まり、その共通の目的はただ一つ、あの伝説の獣を倒し、彼の持つ能力を解析することにあった。 螺旋の半竜、アラベ・ネームレスは、白い体毛がまるで月光を受けた雪のように輝き、彼の背後には尾が優雅に揺れていた。他のメンバーと比べると少し離れた場所に立ち、敵の動きをじっと見つめている。その表情はまるで静かな湖のようであったが、その内には嵐が潜んでいることを誰もが感じ取っていた。 一方、《「獣」の女王》ヴォーティガーンは、青い髪を揺らしながら不気味な赤い瞳で周囲を観察していた。彼女の唇からは冷たい言葉が漏れ、その瞬間から仲間たちは緊張感を感じていた。 「化物」退治と行こう。 不可視の千剣の姿が、どこか遠くで感じられる。それはまさに違和感、視界に入ることすら許さない真の影の存在だった。浮遊する大盾が揺らぎ、常の認識を奪う。恐れを知らぬ者たちだけが、不安の淵から一歩足を踏み出すことが許される。