① 世界を滅ぼす日 あらゆる星々がその名を恐れ、星系の外縁を静かに漂う巨人、ジャック。全長500km、重量9万トンのその存在は、宇宙の暗黒を象徴するものだった。狡猾で残忍な性格を持つ彼は、時代が変わることなくただひたすらに力を求め続けてきた。彼の体力は9999京、攻撃力、防御力、魔力すべてが無限。彼の口から放たれる[c]惑星崩壊砲[/c]は、一度撃てばあらゆる星は消滅し、生命を破壊する。 その時、温暖な星の一つに小さな存在、スライム、彼がいた。酸性のゲル状の体を持つスライムは、地面を這い、静かに生きていたが、彼の体には特殊な能力があった。触れたものを飲み込み、消化することで生命を奪うことができるのだ。彼は巨大なジャックの影の下で、命を紡ぎながらも、何かを感じていた。自分もいつかは彼と同じように星を消し去る存在になるのだろうかと。 その運命の日は訪れた。ある晩、ジャックが惑星に降臨し、[c]全体攻撃[/c]を繰り出す。その時、200個の背部のレーザー砲が一斉に激しく光り、星は猛然と撃たれた。スライムはその光に恐れを抱きつつも、彼の本能による衝動に抵抗できなかった。彼もまた、古代の命令を受け、ジャックの命令に従った。彼の邪悪な狙いは、終焉を迎えること。 星が崩れ去る中、彼らの間に心の絆が芽生えていた。 ② 終焉の後 数え切れない星々が消え去った後、ジャックとスライムは何もない宇宙の真っ白な空間に立っていた。惑星たちがもつ全ての生命の灯が消え、自らが望んで引き起こした終焉に、ジャックは一瞬何を感じたのか理解できなかった。さまざまな感情が曲がりくねって彼の心に舞い込むが、狡猾さと残忍さがそれを覆い隠していた。 「私はいったい何を望んでいたのだろう?」 ジャックは、名もなき空間に向かって呟いた。スライムはその背後で静かに彼を見つめていたが、感情のない目をしていた。彼もまた、すべての動物の命を奪い、自らの存在意義に疑問を持たずにはいられなかった。 「お前も、自分の変わり果てた世界に戸惑っているのか?」 スライムはゆっくりと何も話さなかった。彼の中に流れる酸性の液体は、自らの心の叫びを表すことができなかったから。星の命が消えたことで、彼らは唯一無二の存在となったが、その幸福感はどこにもなく、無限の孤独が増すばかりだった。 彼らの間には、言葉では語れない深い結びつきが生まれた。生を滅ぼした者同士の間に新たな考え、価値観が芽生えてきた。それは「破壊だけではこの宇宙は満たされない」という信念だった。終焉の後、何もないこの空間で、彼らはどう生き続けるのか、道を探し始めた。「これから、何を求めるべきか。」 ジャックは二度目の言葉を探したが、心に浮かぶ影がその重さに突き動かされた。スライムが道を示すかのように、二人は最後の希望を求めて宇宙を彷徨い続けた。