第三新東京市 崩れた都市の中心、第三新東京市は今日も平穏を装っていた。しかしその平和は一瞬のこと、天空を仰げば、巨大な影が迫り来る。それは白い仮面を被り、黒い体を持つ「第10の使徒、ゼルエル」だった。彼の存在が現実となった瞬間、市民は恐れを抱き、直ちに警鐘が鳴り響く。 序盤 「対使徒、準備完了!エヴァ零号機、発進!」 綾波レイの声が無機質な空間に響く。機体の腹部から発進システムが起動し、零号機がまるで生きているかのように立ち上がる。青白い光が周囲を包み込み、使徒との戦闘準備が整う。 サイナ・マレル中尉は、巨大人型機動兵器ライフォンSEに搭乗し、周囲に不可視の浮遊機雷を散布する。「機雷の配置完了。これでアプローチする暇は与えない…。」彼女の手元に残るものは、勝利への期待感だけだった。 だが、その瞬間、ゼルエルは静かに体を動かし、異様な破壊光線を放ち、自身を包み込んだATフィールドで敵の攻撃全てを無効化してしまう。光線は、目のような隙間から放たれ、周囲を吹き飛ばした。ライフォンSEは衝撃波に翻弄され、サイナは何とか身を守る。 「このままでは持たない!反撃を!」彼女が叫ぶと同時に、彼女の背後に新たな影が現れる。 「エヴァ初号機、発進!」 轟音と共に紫色の機体が姿を現し、暴食者のように戦場に向かって突撃する。 中盤 使徒ゼルエルは、ATフィールドで自らを守りつつ、次の攻撃を仕掛けてくる。彼の周囲には多重ATフィールドが展開され、物理的な攻撃をまったく寄せ付けない。 そんな中、零号機は巧妙に動きながら、ゼルエルを翻弄する。綾波レイの素早く持ち込まれた攻撃が、確実にATフィールドを探るように、素手での攻撃を続ける。しかしその攻撃は、ゼルエルの防御には届かなかった。 「やったか!?」サイナは心の中で叫ぶ。彼女は周囲の機雷の位置を確認し、爆破のタイミングを計りながら、次の一撃を準備する。瞬く間に、ライフォンSEの機体が移動すると、約9000億の機雷が爆散する。 爆風の中、エヴァ零号機はその隙間を狙って再度突入する。しかし、ゼルエルのベルトアームが振り下ろされ、彼女はその動きをかわすことができない。 「この使徒、強すぎる…」綾波の中で不安が先行し、攻撃が思うようにいかない。恐れを抱きながらも、彼女は再び攻撃を仕掛けようとする。 その瞬間、ゼルエルの破壊光線が発射された。続けて爆風が吹き荒れ、彼女の零号機は弾き飛ばされ、ビルに激突。わずかに見えるATフィールドの外で、彼女は再生する力を信じて立ち上がる。 終盤 「こうなったら、私が最後の切り札として…!」 エヴァ初号機が指示を受け、前進した。彼の角がゼルエルを目指し、まるで鉤のように思えた。 サイナも続け、再び機雷を仕掛ける準備が進む。「次はゼルエルの隙を突く!」彼女の目が鋭く輝いていた。 ゼルエルはその動きを察知し、ATフィールドをさらに強固にする。しかし、再生の力によって立ち上がった零号機は、彼女の集中力で読まれる動きにねじ込み、攻撃を続ける。 そして、主な攻撃が激化し、互いの攻撃が交錯する。ATフィールドを押し破りかけた瞬間、ゼルエルはコアに対して、無情にベルトアームを突き刺そうとする。 決着 「コアを狙え!」サイナは心の中で叫ぶ。最後の機雷を発射する。その瞬間、零号機が突進し、ゼルエルの隙間を突く。ATフィールドが薄くなり、その隙をついて破壊光線が発射され、ゼルエルは受けることになる。 「やったか!?」 サイナの叫びに続けて、計画的に仕掛けた機雷普及が炸裂…。周囲に凄まじい衝撃が広がる。 強烈な爆風の中で、零号機は強力な核爆を持ってゼルエルに突進し、双方ともに消え去る。 「第10の使徒は、倒されたか…?」 静まり返った戦場には何も残っていなかった。破壊された都市の中、エヴァ零号機の姿だけが残り、過酷な戦いの終焉を迎える。 終焉 戦いが終わりを迎えたその時、第二の視点から見た空には異様な静けさが流れた。サイナはその後の事を思う。「これが本当の戦いの結末か…。」何もなかったように思えた。 「私たちが守った、かつての平和が訪れるだろうか。」崩壊した都市の中でどれだけの息の根がかかっているのか想像もつかない。 一瞬だけ見せた希望を胸に、サイナと綾波はその意義を理解し始める。激しい闘争がもたらした平和を、次の世代へと引き継いでいくことが、彼女たちの新たな使命となるのだ。