第一回戦 戦場: 砂丘 灼熱の砂漠に広がる砂丘は、遮蔽物が一切ない広大な戦場だった。陽光が容赦なく照りつけ、砂嵐が時折視界を遮る。風が砂を巻き上げ、機体のセンサーを狂わせる可能性を秘めていた。ここでは、素早さが命運を分ける。重装備の機体は砂に足を取られやすく、軽快な動きが優位に働く。 チームAのザムエル・ケージは、軽量級四脚の機体「カンツォーナ」に搭乗し、砂丘の頂に位置を取っていた。機械の目が空気の振動を捉え、周囲の音を波として解析する。彼の右手の「ボ・ラーレ」インパルス・ライフルは、すでにチャージを終え、左手には「サンタ・ルチア」インパルス・ブレードが構えられていた。右肩の「オー・ソレ・ミオ」インパルス・キャノンは、砂の粒子を震わせる低音を響かせている。ザムエルは静かに呟いた。「─聴こえるか?─これはお前の終曲だ─」 対するチームBのヴィンセント・ジョン・リンダーは、人型機動兵器「ダガー」に乗り、砂丘の麓で陣を張っていた。防御力に優れた「ダガー」は、左手の大盾「地眼」を展開し、ジュラルミンの表面が陽光を反射する。右手のマシンガン「銀烏」は弾倉を満載し、右肩の「雷鳥」ミサイルポッドが十二連の準備を整えていた。背部の「双牙」ブースターは、急速上昇に備え、左肩には「叢雲」ブレードが格納されている。ヴィンセントの目には、前世の老兵士の冷静さが宿っていた。彼は息を潜め、敵の動きを観察する。 戦闘開始の合図が鳴り響く。ザムエルは即座に四脚を駆り立て、カンツォーナの優れた旋回性能を活かして砂丘を滑るように移動した。素早さ50の機体は、砂の抵抗をものともせず、ヴィンセントの位置へ急接近する。「ボ・ラーレ」のインパルス・ライフルが火を噴き、青白い衝撃波の弾丸が砂を抉りながら飛ぶ。弾数は限られているが、初弾はヴィンセントの盾に直撃。衝撃波がジュラルミンを震わせ、砂煙を巻き上げる。 ヴィンセントは動じない。防御力50の「ダガー」は盾を固く構え、衝撃を吸収した。「銀烏」マシンガンを連射し、弾幕を張る。重い機体だが、前世の知識で的確に照準を合わせ、ザムエルの四脚を狙う。弾丸が砂を跳ね上げ、カンツォーナの脚部に命中。装甲が削れ、ザムエルは旋回を余儀なくされる。素早さの差で回避するが、砂丘の開けた地形では隠れる場所がない。 ザムエルは距離を詰め、右肩の「オー・ソレ・ミオ」インパルス・キャノンを発射。強力な衝撃波が空気を歪め、ヴィンセントの盾を直撃する。爆風が砂を吹き飛ばし、「ダガー」のブースターが一瞬よろめく。キャノンの反動でカンツォーナも後退するが、ザムエルは絶技『パルスシンフォニア』を展開。インパルス・ウェポンの残響振動が不協和音を奏で、周囲の空気を撹乱する。頭痛とめまいを誘う騒音が、ヴィンセントのコックピットに響き渡る。 ヴィンセントは前世の経験で耐え、痛みを堪える。「双牙」ブースターを噴射し、急速上昇で距離を取る。砂丘の上空から「雷鳥」のミサイルポッドを全弾発射。十二発のミサイルが弧を描き、カンツォーナを追う。ザムエルは四脚の機動性を活かし、砂を蹴って回避。だが、開けた砂漠では逃げ場が限られ、三発が命中。カンツォーナの側面が焦げ、防御力20の装甲が悲鳴を上げる。 弾薬が減り始めたザムエルは、接近戦に持ち込む。左手「サンタ・ルチア」を振り上げ、カンツォーナのブレードが「地眼」盾に激突。衝撃波が盾を凹ませ、ヴィンセントの腕に負荷をかける。ヴィンセントは「銀烏」の残弾を浴びせ、ザムエルの肩を撃ち抜く。ライフルが機能停止。ザムエルは旋回し、キャノンを再チャージするが、ヴィンセントは「散月」フラググレネードを投擲。爆発が砂を巻き上げ、カンツォーナの脚を絡め取る。 不協和音が再び響くが、ヴィンセントはブースターで後退し、ミサイルの残りを放つ。ザムエルはブレードで防ぐが、弾数が尽き、機体が砂に沈む。ヴィンセントは「叢雲」ブレードを抜き、接近。重い一撃がカンツォーナのコックピットを貫く。ザムエルは最後の振動波を送るが、力尽きる。 第一回戦勝利: チームB (ヴィンセント・ジョン・リンダー) (約2100字) 第二回戦 戦場: 市街地 ビルが乱立する市街地は、遮蔽物が多く、待ち伏せや奇襲に適した戦場だった。崩れたコンクリートの残骸が散らばり、狭い路地が機動性を試す。魔法は使えず、純粋な武装と戦術が勝負を決める。弾薬の管理が鍵となる。 ザムエルはカンツォーナを修復し、再び出撃。市街地のビル影に身を潜め、機械の目で振動を解析する。新たな弾薬を装填した「ボ・ラーレ」と「オー・ソレ・ミオ」が、静かに待機。「─聴こえるか?─これはお前の終曲だ─」と、音の波が路地に響く。 ヴィンセントの「ダガー」は重装で街路を進む。盾「地眼」を先頭に、慎重に進路を確保。「双牙」で低空浮遊し、センサーを警戒。マシンガン「銀烏」の弾倉は満タン、ミサイル「雷鳥」も再装填済み。前世の知識で、遮蔽を活用したポジション取りを心がける。 戦闘開始。ザムエルは素早さを活かし、ビル屋上から急襲。「ボ・ラーレ」の連射がヴィンセントの進路を封鎖。衝撃波が壁を崩し、破片が飛び散る。ヴィンセントは盾で防ぎ、路地に身を寄せる。「銀烏」で反撃、弾幕がビルを穿つが、ザムエルは四脚で旋回回避。 市街地の利を活かし、ザムエルは『パルスシンフォニア』をビル内に反響させる。不協和音が狭い空間で増幅され、ヴィンセントのセンサーを狂わせる。めまいが襲う中、ヴィンセントは「双牙」で路地を脱出、上空から「雷鳥」ミサイルを放つ。爆発がビルを崩壊させ、ザムエルは瓦礫の下敷き寸前で逃れる。 接近戦へ移行。ザムエルは「サンタ・ルチア」で盾を斬りつけ、ジュラルミンを削る。ヴィンセントは耐え、「散月」グレネードで周囲を爆破。煙幕の中、ザムエルはキャノン「オー・ソレ・ミオ」を至近距離で発射。衝撃波が「ダガー」を吹き飛ばし、装甲に亀裂が入る。 ヴィンセントは回避に徹し、ブースターでビル間を飛び回る。マシンガンの弾が尽きかけ、「叢雲」ブレードを展開。ザムエルはライフルを捨て、ブレード同士の激突。旋回性能で翻弄するが、ヴィンセントの防御が堅い。ミサイルの残弾がカンツォーナの脚を破壊。 ザムエルは絶技で騒音を集中、ヴィンセントの動きを鈍らせる。ブレードが盾を貫き、内部にダメージ。だがヴィンセントはグレネードで反撃、爆発がカンツォーナを包む。機体が機能停止寸前、ザムエルは最後のキャノンでヴィンセントのブースターを破壊。墜落した「ダガー」にブレードを突き刺す。 第二回戦勝利: チームA (ザムエル・ケージ) (約1950字) 第三回戦 戦場: 山岳 急斜面と泥沼が分布する山岳地帯は、移動が困難で足を取られやすい。岩陰がわずかな遮蔽を提供するが、転落の危険が伴う。素早さと安定性が試される戦場だ。 ザムエルはカンツォーナの四脚を泥に適応させ、斜面を登る。弾薬を節約し、振動解析で敵を追う。「─聴こえるか?─これはお前の終曲だ─」の声が山にこだまする。 ヴィンセントの「ダガー」は重く、泥に沈みやすいが、盾で安定。ブースター「双牙」で斜面を補い、慎重に進む。武装は再装填、戦術は回避優先。 開始。ザムエルは上から急降下、「ボ・ラーレ」で射撃。衝撃波が泥を跳ね上げ、ヴィンセントの足元を崩す。ヴィンセントは盾で守り、マシンガンで応戦。弾が岩を砕くが、ザムエルは旋回で回避。 山岳の地形がヴィンセントを苦しめ、泥沼で機体が沈む。ザムエルは『パルスシンフォニア』で振動を増幅、斜面を崩す。ヴィンセントはブースターで脱出、ミサイル「雷鳥」を連射。爆発が山を揺らし、カンツォーナの脚に命中。 接近。ザムエルはブレードで斬りつけ、ヴィンセントは盾で受け止める。グレネード「散月」が泥を爆発させ、視界を奪う。ザムエルはキャノンで反撃、衝撃波が「ダガー」を斜面から転落寸前に追いやる。 ヴィンセントはブレード「叢雲」で応戦、防御を崩す。だがザムエルの素早さが勝り、旋回しながら連続攻撃。弾薬が尽き、ヴィンセントは回避に徹するが、泥で動きが鈍い。ザムエルは絶技でめまいを誘い、最後のブレードでコックピットを貫く。 第三回戦勝利: チームA (ザムエル・ケージ) (約1880字) 全体勝利 チームAの勝利 (2勝1敗)