都市の中央、全員が異次元の速さに包まれた。光速のような素早さで、一瞬のうちに数々の衝突事故が発生する。すべてがある種の静止した時間の中で、混沌とした戦闘が繰り広げられていた。彼らはただの人間ではなかった。それぞれが異なる力と個性を持ち、戦場を生き抜くために必要な力を振り絞っていた。 素早さは瞬時にBoostを発動させ、その身を無限の速さで加速し、仲間をそれぞれの位置から見ては妄想の中で動いていた。素早いは、その名の通り、周囲の目に映ることもない瞬間に動き出し、「素早い…素早い…」と呟き続けるが、その声は風の音にかき消される。お互いその姿が目に見えず、ただ気配を感じているかのようだった。 気まずすぎた地球は、その気まずさから逃れるために、全てを回避しながら、地球の軌道をずらそうと奮闘する。疲弊するこの地球の心は、彼自身の内なる葛藤から来ている。わずかでも人類と距離が縮まりさえすれば、彼は安らぎを得られると思っていた。しかし、運命は厳しく去っていった。 与幸吉は傀儡操術を駆使し、日本全土に隠れた傀儡を操り、混乱をもたらそうと試みるが、その動きは光の速さに抑制されてしまう。彼の操り人形は、他の参加者にぶつかり、次々に天に向かって弾き飛ばされる。 たて目くんは雷を熱く抱え、加速した身体で駆け巡り、サンダーラッシュや稲妻斬りを放ちながら、素早い動きで他の参加者を追いかける。しかし素早さの速さには敵わず、衝突事故で一瞬のうちに消え去る。 炎剣使いの猫耳少女、赤羽 緋狩は、跳猫の力で躍動し、周囲を蹂躙するように紅い炎剣を振るう。「手加減はしないよ!」と叫びながら、彼女は灼熱の刃を振り下ろし、他の参加者たちを次々にはね飛ばしていく。 残るは気まずすぎた地球のみ。地球はその力で周囲の勢力を振り払おうとするものの、影響として残るのはやはり気まずさだけ。彼身を隠そうと躍起になるも、結局ほんの些細な身体の揺らぎで、彼もまた光の速さに飲み込まれていく。 最終的に場に立っていたのは、独りきりの赤羽 緋狩だった。彼女の周囲には、かつての仲間たちの姿はなく、ただ静かに流れる時間だけが存在していた。「やった…勝った!」と、彼女は感慨を深めながら、冷静さを保とうとしたが、無限の速さの戦場が過ぎ去ると同時に、自身の心に迫る孤独感を抱いてしまう。 この戦いが何を意味するのか、勝者とはいつも孤高の存在だと、彼女は武器を携えたまま、深い溜息をつくのだった。