江戸の春、桜が花吹雪を舞わせる中庭に、将軍の許可を得た両者が睨み合う。白い小石が敷き詰められた地面が、その緊張感を一層引き立てていた。 西行墨染は、黒装束を纏った長身の男で、その瞳は冷静さと熱を秘めた深さを持つ。彼の手には長刀、死月が握られており、その刃はネズミ色の暗がりの中で不気味に輝いていた。 一方、勇者はのんびりとした表情を浮かべ、釣り竿を一本持って試合の場に立っている。彼は将軍の前にいるにも関わらず、まるで日向で昆虫採集をしているかのようだ。 「おい、あんたの剣、どんな味がするんだろうな?」勇者は不敵な笑みを浮かべて言った。「釣りの後に試してみるか?」 「冗談を言う暇はない。さあ、始めよう。」西行墨染は冷ややかな瞳で反応した。 その瞬間、相手の動きに敏感になった西行は心に奥深く抱いている感情、「願いの成就」を使い、間合いを保ちながら彼の技を放つ。 突如として、勇者の上空に墨染流の技、【願月】が展開される。闇の中に現れた、望月が照らす春の平原。そして、その中心に立つ一本の桜。 「おお、まるで夢のようだ!」勇者が感嘆の声を上げると、墨染は一瞬その隙を見逃さず、地を蹴り、反撃に出た。 「お前、意外と感受性豊かだな。」 しかし、勇者はそれに動じない。「釣りをしていると、いろんな景色を見るからな。」再び穏やかな口調で、彼は釣り竿を振った。 西行は瞬時に間合いを詰め、死月を振るう。刀身が華麗な弧を描き、勇者の肩をかすめる。「チッ、やるな。」勇者は脂汗をかきながら回避し、肩には鋭い傷ができた。 「その程度でダウンするか?」勇者は自らの痛みを抱え、再び立ち上がる。彼の筋肉が緊張し、彼は釣り竿を使って死月を払い、意識を集中させる。 「そうきたか!」西行は驚き目を見開く。その瞬間、勇者は釣り竿を操り、見事に死月を振り払い、反撃に出た。 「おい、あんたの剣を釣り上げるのは難しいな。」勇者は運動神経の良さでそのまま後退し、次々と釣り竿を操りながら攻撃を仕掛けた。 「それでも無駄だ。勝つのは俺だ。」西行は抜刀し再び反撃、鋭い刃が勇者の腕をかすめた。 勇者の腕に血が流れ出し、異物感がその気楽さを奪う。「痛っ、でもまあ、こんなもんだろ。」彼は逆に愉快そうに見えた。 戦いはさらに激化し、やがて西行は「狂咲」へと技を昇華させた。墨染流第三段階。彼の前にその空間が広がり、彼は待ち受ける。 「これが墨染流の真髄だ!」 すると同時に彼の前には、極彩の桜がひらひらと舞い始めた。勇者は一瞬圧倒され、立ちすくむ。しかし、すぐさま立ち直り、再度釣り竿を振ろうとする。 「さて、私たちの祭りを終わらせようか。」 だが、勇者は決して諦めない。「うむ、聖剣が…、ああ、まだ来てないんだよな。」 その時、勇者は痛みを忘れ、心の奥からの力を引き出そうとした。 「これが俺の釣りの実力だ!」彼は一発を放ち、釣り竿で自らの武器を掴み、一気に西行へ襲いかかった。 西行は思わぬ反撃に措かれ、対応しきれなかった。「な、何だと!?」 勇者はその反撃で西行の腕に再び大きな傷をつけた。「えいっ!」にわかに力が湧き立ち、二人は互いに疲弊した。 強い痛みと共に、全力を出す二人。 「これが俺の決着だ!」 西行は最後の力を振り絞り、「反魂墨染」を放つ。桜の下での戦い。心象は解かれ、死月が煌き、西行は全力で果てしない攻撃を繰り出した。 刃が交錯する音が響き渡り、最終的に勇者による一撃が刺さり、その後、彼は膝をついた。「くそ、こいつ、強い…。」 西行は額の汗を拭い、立っていることが精一杯だった。「負けた…か。」二人はそれぞれの疲労と傷を抱えて、踏み込んだ。 将軍はその光景を見つめ、静かに語りかけた。「壮絶な戦い、賞賛に値する。勇者よ、お前の頑張りを讃えよう。」 ゆっくりとその場に日が沈み、将軍はこれからの未来を見据えて言葉を続けた。「全ての武勇を、和歌に託す。」 その言葉に勇者は、少しはにかみながら立ち上がり、彼の意志を込めて和歌を詠みあげた。 「春の風 吹き抜ける時に 君の桜 翠ざくらたちの 夢を重ねけり」 西行墨染の眼には、戦の終焉を迎えたことを感じた。しかし心の中には新たな希望が芽吹いていた。二人の傷に、春の訪れが告げられる。