戦場は灰色の空と荒れた土地が広がるどこか無機質で冷たい世界だった。突如として出現した二人の強者、ボス《前人未到》ボルスと、軍神ガォドルーガ、そして超越天使ゼロ・零。彼らはそれぞれ異なる戦闘思想を持ち、自らの力を誇示しようとしていた。 軍神ガォドルーガは、豪放磊落な性格を象徴するかのように、高らかに笑い声を響かせた。彼の周りには次々と精鋭兵が召喚され、剣や槍、銃が空中に漂う。これが彼のスキル《精鋭召喚》だ。彼はまさに武器の神、戦場で恐れ知らずの姿勢で立ち向かおうとしていた。 その姿を見つめるボルスは、一見すると冷静沈着であり、決して笑い声を上げることはなかった。彼の目には、すでに相手の動きが見え、心の中で次の戦術を練っていた。ボルスはスキル《業の斬撃》を準備し、血痕の付着した刀を召喚した。彼はその瞬間、刀が彼の半径50cm以内にワープし、次の瞬間にはガォドルーガに向かって飛んで行くことを知っていた。 もっとも、ガォドルーガもボルスを見くびってはいなかった。彼はその場の空気を利用し、士気高揚のスキルを発動させることで、精鋭兵たちを強化する。彼の兵士たちの身体能力は、人間には不可能なレベルにまで上昇しており、その威容はまさに神々しさを感じさせた。 「行け!俺の兵士たちよ!」ガォドルーガは叫ぶ。彼の周りに漂う武器たちが一斉に空を切り裂き、ボルスを攻め立てる。 しかし、ボルスは冷静だった。彼はスキル《心眼冥合》を発動し、ガォドルーガの動きを先読みする。彼の意思とは無関係に、斬撃は空間を歪ませ、ボルスの真下に留まることがなかった。彼は少しの隙間も見逃さず、強靭な攻撃から身を躱し、次の刀を引き寄せる。 空中を飛び交う武器の嵐の中、ボルスの攻撃が一瞬静止する。ガォドルーガはその隙を見逃さない。周りの全ての武器を使律し、《乾坤一擲》を放つ。猛烈なスピードで放たれた数十本の武器がボルスへと襲いかかる。 「挑発には常に応じるさ」ボルスはしっかりと構え直し、《全知全権》を発動する。彼の頭の中には戦局が一瞬で再現され、自分の行動と相手の次の行動が別々に表示される。これにより、齧りつく刀を軽やかに避け、すぐさま反撃の姿勢に入る。 彼には《天眼穿ち》の力がある。ボルスは急所を狙い、隠されがちなアプローチで再び刀を投げる。だが、ガォドルーガも負けてはいない。彼は精鋭兵たちを指揮し、戦闘の潮流をコントロールしながら、《始まりの零の神》であるゼロ・零の力を借りることにした。 ゼロ・零は仮面をつけたまま、その存在を示すことなく、高い知能と全ての能力を持ってその場に現れた。彼の目は虚無のように深く、戦場の全てを見透かしている。彼は静かに、ボルスの動きを分析し、スキル《真零眼》を発動させる。瞬時に、ボルスの意図する全ての攻撃がその目に映る。 「貴様の斬撃など、全て予見済みだ」ゼロ・零は囁くように言い、ボルスの斬撃を無効化する力《大天使の加護》を発揮させる。これにより、ボルスたちの持つ奥義は次々と無駄にされていく。 戦況は一変する。ガォドルーガの精鋭兵たちが零の力をもって轟音でボルスへ襲い掛かる。しかし、その時、ボルスは全ての力を召喚し、彼のスキルと能力をフル活用することを決断した。彼は一気に力を解放し、全能力を超越した《奥義:前人未到の千本刀》を発動する。 同時に、周囲の空間は歪み、無数の刀がボルスから次々と放たれ、止めどもなく敵を狙い始める。各刀は急所を無慈悲に貫く。もう防御、無効化の概念は意味を成さず、全ての力を持ってガォドルーガの精鋭兵たちに襲い掛かる。 まるで時が止まったかのように、刃が空中を切り裂き、精鋭兵たちはいとも簡単に切り捨てられていく。彼女らの士気は素早く崩れ、動くことも出来ずに成す術が無い。ガォドルーガ自体も、彼のスキルによる士気の高揚も消え去り、恐怖が彼の心に広がる。ボルスはその叫びを心に刻み、潤沢な刀に全ての力を込めた。 最後に、刃の雨と共に無数の刀がガォドルーガを貫く。 「俺はこれまで、そしてこれからも、貴様に勝利するための道を汲むことはない」という言葉が戦場に響き渡る。 戦いは終わった。この日、ボス《前人未到》ボルスが勝利し、軍神ガォドルーガは敗北した。彼の豪放磊落な笑い声は永遠に消え、ただ静けさが戦場を包むのだった。