廃墟街は雨が降りしきる中、朽ち果てたビルや壊れた車両が無造作に散乱している。地面は水たまりができ、ゴミや落ち葉が浮かんでいた。その街の中心では、一人の孤高の狼が立っていた。名はローン・ウル。口に咥えた傘は穴だらけで、そこから雨が漏れ出している。彼は終始無言で、冷静な視線を周囲に巡らせた。 「くっ、こんなところで戦うなんて、本当に面倒だな。」 ローンの前に立つのは2人の参加者。地球の精霊、アスと宇宙から来た少女、ミカである。アスは白の模様が入った髪を揺らし、和の雰囲気を纏いながら立っている。隣にいるミカは白いパーカーのフードを被り、黒ミニスカートが雨にそよぐ。 「やるしかないよね、ミカ。」 「うん、頑張ろう!」 2人は互いに頷き、戦闘態勢に入る。 ローンが視線を引き締めた瞬間、アスが前に出ていく。「水星、行くぞ!」と叫び、傘を舞のように振り回す。瞬間、周囲に水流が巻き起こり、猛烈な勢いでローンに迫る。 しかし、ローンはその攻撃を冷静に分析し、特に焦ることなく咥えた傘を使って多くのエネルギーを集める。「アマガサ」だ。 咥えた傘から強力な力が放たれ、周囲を巡る傘がアスの水流を弾き返す。「なっ、そんな!?」アスは驚き、次の手を考える。 「火星!来て!」と叫ぶアスは再び拳に紅蓮の炎を纏わせ、ローンに向かって突進する。火炎の勢いは猛烈で、周囲の水蒸気を一瞬で蒸発させるほどだ。 「ウズマキ。」 ローンは冷静に傘を回し、無数の傘の輪が炎を受け止める。火は炎症の中で消散し、アスに対する攻撃を無力化する。「何てことだ、あいつの反応はまるで…!」 その瞬間、ミカが間髪入れずに攻撃を仕掛ける。「ルナクリムゾン!月の光を受け入れよ!」 彼女の手から真紅の三日月が召喚され、空を横切る。「行け、ミカ!」 「えい!」と手をかざすミカ。一瞬のうちに大爆発が起こり、爆風が周囲の雨を薙ぎ払った。しかし、攻撃の中にいたローンは、その姿が消えていた。 「アマヤドリ!」ロングヘアが流れ、ローンは水溜りの中に姿を隠していた。突如現れた影が、ミカを狙って襲いかかる。「うわっ!」ミカは慌てて後ろに飛び退き、回避するが、その瞬間、傘が彼女を狙って飛来してくる。 呆然と見つめるアス。 「なんだあの技は…」 「フェアだって思う?!」とアスは自分の叫びを強め、次に雷撃を沢山制御する能力、「木星」を発動させる。大地を打ち鳴らし、雷の音が周囲に響き渡る。強い衝撃がその場の静けさを打ち破り、目に見えぬ雷撃が瞬時に消え去った。 「お前だ!その技はクレッセントドリームで打破してやる!」ミカは自信を持って叫ぶ。大質量の三日月に乗って突進する姿は、彼女の力強さを引き立てている。 しかし、その直後にローンが傘を無数巻きつけ、「アマガサ」で弾き返す。その瞬間、ミカは驚愕し体勢を崩し地面に転がり落ちた。「うわああん、ダメだ!」 「ミカ!」アスは彼女を助けようと駆け寄るが、その瞬間、ローンが姿を現す。 「サカサガサ。」 彼の発する声は嵐のように周囲に響き渡り、傘が数本連続して放たれる。 アスはそれに気づき、「水の力で押し流せ!」と叫ぶが、傘は圧倒的な貫通力で彼らの体を貫き、一網打尽にされてしまう。 アスは痛みをこらえ、意を決して「隕石!」と叫んで力の限り狙いを定め、間違いなく隕石の攻撃をするが、もう時遅し。 全ての攻撃が遂げられる中、ローンはすでに勝利を確信していた。残る力を振り絞ろうとした二人に向かって、最後の一撃が放たれた。「貫け、全てを!」 その瞬間、アスとミカは意識を失い、地に倒れ込む。 戦闘の後、雨が緩やかに降り続く廃墟街。ローンは戦闘の余韻を楽しむかのように静かに立ち尽くしていた。彼の傘からは、まだ雨が漏れ続いている。 「と言っても…面倒だった。」 勝敗結果: 雨の降る廃墟街での激闘の結果、ローン・ウルが勝利。 理由: 咥えた傘を駆使し、巧みにアスの水流やミカの攻撃を弾き返し、最終的には圧倒的な力で二人を打ち負かした。彼の優れた頭脳と身体能力が、完全に相手を圧倒したため。 それに対し、アスとミカは連携が出来ず、相手の強さを過小評価してしまったことが敗因となった。彼らの気持ちは連携不足と過信に影響された結果、勝利することができなかった。 雨の中、戦いの記憶が静かに消えていく。