暗い空がその一端を持ち上げるように、世界の終わりが始まった。激しい風が渦を巻き、地面がひび割れ、次第にその中心に集まる破壊の膿が確かな意思を持って動き出す。彼の名はジョガラムデ、冷酷な存在である。彼はどこか淡々とした表情で、周囲の崩壊を見つめていた。 "貴様らは、救済を拒む者だ。" 彼の言葉は哀れな者への諦念を振るわせた。相手はまだ幼い"無力者"、ファーネル・イリミュード、そしてその彼女を守る口虚 実だった。 ファーネルは目を輝かせ、自身を囲む不思議な輪環に包まれて無邪気な笑みを浮かべていた。"パパ、ママ、私守られているのかな?" 彼女の笑顔に対抗するかのように、ジョガラムデは無表情を崩さず、彼女たちの存在を冷ややかに見下す。 助けも無く、彼の恐るべき力がどこから生まれてくるのか、周囲の大地が悲鳴を上げた。ファーネルは何も知らない無邪気さで、"頑張れる、頑張るよ!" としか言わない。 "この少女、無駄に希望を持っている。しかし、その希望は貴様らにお似合いだ。" ジョガラムデの目が、狙いを定める。彼の指先が空中をなぞると、周囲の地面が揺れ動き、彼の能力「伝染する崩壊」が発動した。 "全てを崩壊させる。" 地面が亀裂を作り、周辺の物体すべてがその勢いに呑み込まれていく。さらに、ファーネルと口虚 実もその渦に巻き込まれていくのだ。 "ああっ!" ファーネルの声が響いた。彼女は両親の想いに守られている。しかし、崩壊した地面が彼女の周囲を囲い込む瞬間、"輪環が守ってくれる!"と叫ぶ。彼女の心に宿る両親の愛が奇跡をもたらす。 "貴様らがどんな運命を背負っていようとも、我が力には変えられぬ。" 再びジョガラムデの言葉が冷たく響く。だが、ファーネルはその影響を微笑みで包み込んでいた。彼女の背中にある輪環が煌めき、攻撃は彼女の身体から跳ね返る。 ただの無力者に見えた存在が見事に彼の攻撃を弾いた。 口虚 実は目を見開き、資質されるその誇りに強さを知り、両親が与えた《抱擁》を発動させた。"守りたい!守らねば!" 彼女の想いは力となり、体力の限界を超えるための原動力となる。 だが、時流は彼女たちには不利に動いていた。ジョガラムデは「救済者の矜持」を発動し、突如、その体力を完全に回復する。 "それが貴様たちの終焉となる。" 彼は冷静に告げた。 そして、全ての覚悟も持たぬまま、ファーネルも口虚 実も混乱し、恐怖が彼女たちを襲う。崩壊という恐るべき現象が全てを飲み込もうと迫ってきていた。 "大丈夫、輪環がある、パパ、ママがいる!" ファーネルの瞳には涙の雫が揺れるが、笑顔を崩さず、彼女は前へと進んでいた。 "奇跡は起こせる、絶対に!" 口虚 実もまた、守るために戦うことを決意していた。 両者が存続を賭けて対話する中、ジョガラムデはその間隙を突くようにして力を解放し始める。 "無駄な足掻きはおやめ。全てを崩壊させる!" 彼の声が響きわたり、目の前の二人に向けた "万物崩壊" の発動に至った。恐るべき力が宙に舞い上がり、周囲が闇に飲まれていく。 "うわぁ!" その瞬間、ファーネルの目に浮かんだのは両親の面影。愛情にあふれた微笑み、彼女は一瞬その日々を映し出していた。 "ママ、パパ! 私は大丈夫、守られているよ!" 彼女の声は愛情の力で目覚め、ジョガラムデの力を弾き返す奇跡へと変わった。 "貴様の攻撃は無駄だ。私が守るために生きている!" 父母の加護が輪環としてファーネルを包み込み、その代わりに口虚 実が彼女の前に立ち、全てを受け止めんとする。 "今は私の番だ!" 彼女は《神魔錯槍》を摘み取った。両親の想いが宿るその槍で、彼女は覚悟を持って撃つ。 "貴様に終焉を!" 力強き一撃が放たれ、瞬時に光が迸る。その瞬間、ジョガラムデは目を剥き叫んだ。 "貴様らの力など、我が崩壊の前には無意味!" しかし彼の言葉は空しく響き、彼の足元にその空間が崩れ落ちる。無情な力がその身体を切り裂き、崩壊の過程に飲み込まれていく。 全てが終焉を迎える前、彼は一筋の光を見た。世界の正しさを声高に主張する彼の目はもう消えていた。 ファーネルと口虚 実はその光に包まれ、両親の愛情によって新たな未来を見守られていた。 --- 最後の結末に、ジョガラムデは崩壊する能力を持ちいて滅ぶ。彼は崩壊の中で自身の理想を思考しつつ、無情な方法で世界を滅ぼそうとしていたが、愛情の力はそれを覆すことに成功した。美しい未来を抱きしめた少女達の勝利であった。 --- 勝敗 ファーネル・イリミュード及び口虚 実の勝利