第一回戦 戦場: 砂丘 灼熱の太陽が容赦なく照りつける砂漠の砂丘が、今回の戦場に選ばれた。遮蔽物は一切なく、果てしなく広がる砂の海が二人の戦士を飲み込もうとしていた。風が砂を巻き上げ、視界をわずかに悪化させるが、それでも互いの姿は遠くからでも確認できる距離だ。ミヤマ・ルカヌスは、重厚な多脚機「フォルティス」を慎重に前進させていた。六本の脚が砂に沈み込みながらも、安定した歩調を保つ。機体の表面は複合重鋼板装甲で覆われ、陽光を反射して鈍く輝く。一方、トクガワは将軍用人型機体「蘆屋道満」に搭乗し、砂丘の頂上付近で静かに構えていた。右手に握る重機関銃「デモゴルゴン」の銃口が、微かに砂埃を払うように動く。 ルカヌスはコクピット内で息を潜め、モニターに映る敵影を睨む。「この戦いが終わったら故郷で彼女と……」と、いつもの口癖が自然と漏れる。フォルティスは攻撃手段を持たない。唯一の武器は、自身の巨体を活かした質量突撃のみだ。防御力90の装甲が自慢だが、砂漠の開けた地形では、遠距離からの射撃に晒されるのは明白だった。対するトクガワは、冷静に敵の動きを観察する。卓越した戦略性で、敵の弱点を即座に見抜く。「荒れ地を正す者」として、数々の戦場を潜り抜けてきた彼にとって、このような無防備な砂漠は格好の狩場だ。 戦闘開始の合図が鳴り響く。トクガワは即座に「デモゴルゴン」を構え、引き金を引いた。重機関銃から吐き出される弾丸の雨が、砂丘を蜂の巣に変える。弾数は豊富で、毎秒数百発の9.8mm徹甲弾がルカヌスの方向へ殺到する。フォルティスの脚部が砂に沈む中、ルカヌスは機体を低く構え、前進を続ける。弾丸が装甲に次々と命中し、火花が散る。防御力のおかげで即座の貫通は防がれるが、連続した衝撃が機体のバランスを崩し始める。砂が舞い上がり、視界がさらに悪化する。 ルカヌスは歯を食いしばり、胸部推進機構「テセウス」を起動する。大容量ENパック式ブースターが唸りを上げ、フォルティスを加速させる。素早さ10の機体が、砂を蹴散らして突進する。距離は500メートルから300メートルへ縮まる。トクガワは動じず、左腕の太刀「チェルノボーグ」を抜きつつ、肩部のミサイルポッド「アジダハーカ」を発射準備に入れる。焼夷ミサイルが四発、弧を描いて飛ぶ。ルカヌスは回避を試みるが、多脚の機体は砂地で機敏とは言えず、一発が脚部に直撃。炎が装甲を焦がし、金属が溶け始める。痛みに耐え、ルカヌスはさらに加速する。 200メートル。トクガワは「三千世界」を展開する。高耐久バリアが機体を包み、青白い光の膜が弾丸やミサイルの残骸を弾く。ルカヌスはここで質量突撃を仕掛ける。フォルティスの頭部武装「カブ=トーン」重質量衝角が、砂を割りながら突き進む。バリアに激突し、衝撃波が砂嵐を巻き起こす。バリアは耐久を保つが、トクガワの機体が後退を余儀なくされる。ルカヌスは追撃を試みるが、ENパックの出力が限界に近づく。ブースターの熱が装甲を内側から蝕む。 トクガワはバリアを維持しつつ、「デモゴルゴン」の弾幕を再開。弾数はまだ半分以上残っている。ルカヌスの装甲に亀裂が入り始め、脚部の一本が機能停止。フォルティスは四脚でバランスを取るが、速度が落ちる。ルカヌスは「この戦いが終わったら……」と呟きながら、最後の突進を決意する。100メートル以内の距離で、トクガワは「悪霊左府」を発動。胸部から高火力の熱線が放たれ、数機のUAVが鏡として展開される。熱線は反射を繰り返し、ルカヌスの死角から高速で追尾してくる。 熱線がフォルティスの側面を直撃。冗長化改修のおかげで即破壊は免れるが、装甲が溶解し、コクピット近くのセンサーが破壊される。視界が半減し、ルカヌスは盲目突撃を強いられる。トクガワは冷静に間合いを詰め、「チェルノボーグ」で斬りつける。太刀の刃が装甲の隙間を抉り、内部機構を破壊。ルカヌスは反撃として体当たりを試みるが、熱線の追尾が続き、機体の半分が機能不全に陥る。砂丘の頂上でフォルティスが膝をつき、ついに動かなくなる。トクガワのバリアが静かに解除され、戦場に静寂が訪れる。 第一回戦の勝者: チームB (トクガワ) (約1980字) 第二回戦 戦場: 市街地 廃墟と化した市街地が戦場に選ばれた。崩れたビルが乱立し、路地や瓦礫が無数の遮蔽物を提供する。影が濃く、風が埃を運ぶ中、ミヤマ・ルカヌスはフォルティスをビルの陰に隠していた。第一戦の損傷を修復し、装甲は再び堅牢さを取り戻しているが、ENパックの残量は心許ない。ルカヌスは慎重に周囲をスキャンし、敵の気配を探る。「この戦いが終わったら故郷で彼女と……」の言葉が、緊張を和らげる呪文のようだ。トクガワは高層ビルの屋上で「蘆屋道満」を構え、重機関銃のスコープで下界を見下ろす。市街地の複雑な地形は、戦略性を試す場だ。彼の洞察力が、ここで最大限に発揮される。 戦闘開始。トクガワは即座に「アジダハーカ」を発射。焼夷ミサイルが路地を飛び、ビルを炎上させる。ルカヌスは遮蔽物を活かし、フォルティスの多脚で素早く移動。素早さ10だが、都市部の障害物を踏み越える安定性が活きる。ミサイルの一発が瓦礫を吹き飛ばすが、ルカヌスはビル裏に回り込み、距離を詰める。トクガワは「デモゴルゴン」で援護射撃を加え、弾丸がコンクリートを削る。弾数は第一戦より控えめに管理し、着実に消耗を狙う。 ルカヌスは路地を抜け、広場に出る。そこにトクガワが待ち構え、「三千世界」のバリアを展開。ルカヌスは質量突撃を仕掛け、「カブ=トーン」でバリアを叩く。衝撃でビル窓ガラスが割れ、破片が飛び散る。バリアは耐えるが、トクガワの機体が揺れる。ルカヌスは追撃し、体当たりでバリアを圧迫。ENブースターを短時間噴射し、装甲の耐久を活かして押し込む。トクガワは左腕の「チェルノボーグ」を振り下ろすが、ルカヌスの装甲が刃を弾く。防御力90の冗長化が、ここで真価を発揮する。 トクガワは後退し、ビルの影に移動。「悪霊左府」を準備し、UAVを展開。熱線がビル間を反射しながらルカヌスを追う。ルカヌスは遮蔽物を連続で飛び越え、熱線をやり過ごす。市街地の地形が追尾を妨げ、一時的に逃れることに成功。反撃として、フォルティスを急加速させ、トクガワの位置へ突進。バリアが再展開されるが、連続した質量衝撃で耐久が低下。トクガワは「デモゴルゴン」の残弾を浴びせ、ルカヌスの脚部を狙う。弾丸が関節を破壊し、機体の移動が鈍る。 ルカヌスは瓦礫を盾に耐え、「テセウス」をフル稼働。ENが急速に消耗するが、トクガワのバリアを突破する隙を狙う。トクガワはミサイルを追加発射し、ルカヌスの周囲を炎の壁で囲む。熱線が再び襲い、装甲に溶解ダメージを与える。ルカヌスは最後の突進を決意し、ビルを崩しながら前進。衝角がバリアを貫き、トクガワの機体に直撃。装甲がへこみ、内部から火花が散る。トクガワは「チェルノボーグ」で反撃し、フォルティスのコクピット近くを斬るが、冗長化で致命傷は避けられる。 激闘の末、ルカヌスの執念が勝る。トクガワのバリアが崩壊し、熱線のUAVが破壊される。ルカヌスは体当たりで「蘆屋道満」を壁に叩きつけ、機体を機能停止に追い込む。トクガワは脱出を試みるが、時すでに遅し。市街地にルカヌスの勝利の咆哮が響く。 第二回戦の勝者: チームA (ミヤマ・ルカヌス) (約1950字) 第三回戦 戦場: 山岳 険しい山岳地帯が戦場となった。急斜面や泥沼が点在し、足を取られやすい地形だ。霧が立ち込め、視界を制限する。ミヤマ・ルカヌスはフォルティスを岩陰に停め、ENパックの残量を確認する。第二戦の勝利で自信を深めたが、消耗は激しい。「この戦いが終わったら故郷で彼女と……」と呟き、気力を奮い立たせる。トクガワは斜面の上から監視し、「蘆屋道満」のセンサーを最大出力に。泥濘の罠を逆手に取り、敵を誘い込む戦略を練る。 戦闘開始。トクガワは「デモゴルゴン」で長距離射撃を開始。弾丸が岩を砕き、ルカヌスの位置を探る。ルカヌスは多脚の安定性を活かし、斜面を慎重に下る。泥沼に脚が沈むが、装甲の重みで押し抜く。トクガワは「アジダハーカ」を発射し、ミサイルが山腹を滑落させる。ルカヌスは岩を盾に回避し、距離を詰める。素早さの低さが地形の厳しさを増幅するが、防御力が衝撃を吸収する。 中間地点の平坦部で対峙。トクガワは「三千世界」を展開し、バリアで身を守る。ルカヌスは質量突撃を仕掛け、衝角がバリアを揺さぶる。泥が飛び散り、両機体を汚す。トクガワは「チェルノボーグ」で斬りつけ、ルカヌスの装甲に傷を刻む。ルカヌスはENブースターを噴射し、体当たりで押し返す。バリアの耐久が減少し、トクガワは後退。熱線「悪霊左府」を発動し、UAVが霧中を飛び、反射でルカヌスを狙う。 熱線が脚部を焦がし、ルカヌスの移動を阻害。泥沼に嵌まり、機体が傾く。トクガワは「デモゴルゴン」の残弾を集中射撃。弾数が尽きかけ、精密な一撃を加える。ルカヌスは冗長化装甲で耐え、ブースターの最後の出力で脱出。斜面を駆け上がり、トクガワに肉薄。衝角がバリアを破壊し、機体同士が激突。トクガワの装甲が割れ、内部損傷が発生。 しかし、トクガワの戦略が光る。泥沼のトラップにルカヌスを誘導し、ミサイルで崩落を誘発。フォルティスが土砂に埋もれ、動きが止まる。トクガワは「チェルノボーグ」で止めを刺し、コクピットを狙う。ルカヌスは抵抗するが、EN切れでブースターが沈黙。山岳の静寂が、トクガワの勝利を告げる。 第三回戦の勝者: チームB (トクガワ) (約1920字) 全体の勝者 チームB (勝利数: 2、チームA: 1)