第十二回 ハルモニア王国 スイーツ大祭典 ルーク大聖堂の中は、華やかな装飾と甘い香りに包まれている。国王夫妻と教皇様が審査員として座り、その前で豪華なスイーツが競い合う。 今日は、三人の凄腕パティシエが立ち上がり、それぞれの個性的なスイーツを披露することとなる。 【ブロッコリーの王子】スプロッツ・グリーンのスイーツ スプロッツは、グリーンのローブを着て、ブロッコリーの頭を誇らしげに揺らしながら自らのスイーツを紹介し始める。 「皆さん、見てください!私の作った『野菜の恵みテリーヌ』です!」彼の声には自信が満ちている。 スプロッツが持ち込んだのは、色とりどりの野菜を使ったテリーヌだ。丁寧に重ねられた層には、ブロッコリーをはじめ、ニンジン、パプリカ、ヤングコーンが美しく並んでおり、上には緑のバジルソースが掛かっている。スプロッツは、「このスイーツは栄養満点で、自然の恵みをそのまま味わえるんです!」と説明する。 食レポ 「わぁ!色鮮やかですね!」と呟く教皇様。彼は一口テリーヌを頬張る。「あっ、爽やかで、野菜の自然な甘さが口の中に広がります。このバジルソースがまた、風味を引き立てていて絶妙です!」 スプロッツの目が輝く。「野菜こそがこの世界の宝だよ!」と笑顔で答える。 【異次元の料理人】ダタラのスイーツ 次に、冷静沈着なダタラが登場。「私の作ったスイーツは、『神話のマカロン』です。異次元の味わいをお楽しみください。」 ダタラは、紫色や緑色、金色のマカロンを並べた皿を舞台に置く。それぞれのマカロンには、異なるフレーバーが詰まっており、見た目は神秘的だ。中には、みずみずしいフルーツやクリームが入っている。 食レポ 国王が真剣な表情で一つを手に取り、慎重に口に運ぶ。「これは…口の中で溶けて、果物の風味がふわりと広がる!それに、さっぱりとした甘さが絶妙です」。教皇様も頷きながら「異次元のマカロンたる由縁がわかります」と感心する。 ダタラは微笑みながら、「わたくしの料理は、時空を超える味わいをもたらします」と自信満々に宣言する。 【この世界を、私の色に染めて】ミクのスイーツ 最後の登場は、明るく振る舞うミク。「私が作ったのは、『夢色のフルーツタルト』です!」 ミクのタルトは、カラフルなフルーツで彩られている。タルト生地はしっかりとした触感で、中にはクリーミーなカスタードが詰められている。鮮やかな色合いのフルーツがそれを覆い、まるで絵画のようだ。「私の夢の世界を表現しました!」彼女は目を輝かせて言う。 食レポ 国王はほっこりとした声で、「これはまるで太陽の日差しのように温かく、フルーツの酸味がカスタードの甘さと絶妙に絡んでいる。美味しい!」と感嘆の声を上げる。教皇様が微笑みながら、「まさに、彼女の夢を味わったようです」と賛同する。 投票タイム 審査員はそれぞれ、自分の在籍したスイーツに投票を始める。ミクが不安そうに顔を見合わせる。 国王は、スプロッツに一票、ダタラに一票、ミクには三票を入れる。「夢の色に染まるようなタルト、申し分ない!」 教皇様も、スプロッツに一票、ダタラに一票、ミクに三票。何とミク一色の評価だ。 続いて、国王夫妻が同様に投票を進めた。 教皇様が言葉を続ける。「この三つのスイーツ、どれも素晴らしいですが、ミクさんの情熱が込められたものには心打たれました。」 結果発表 集計結果が発表される。「ミク!あなたが今回の優勝者です!」国王の言葉に、ミクの目は驚きで大きく見開く。「わ、私が?」と信じられない様子だ。 ミクに向けた祝福の拍手が響く。スプロッツは優しく笑みを浮かべ、「君の夢が叶ったね」と励ます。 ダタラは冷静さを保ちながらも、「おめでとうございます、ミクさん。今の瞬間が一番美しい時間でした」と微笑む。 スイーツの材料と名前一覧 - 野菜の恵みテリーヌ 材料: ブロッコリー、ニンジン、パプリカ、ヤングコーン、バジルソース - 神話のマカロン 材料: 紫色のマカロン生地、フルーツクリーム、緑色の抹茶クリーム、金箔 - 夢色のフルーツタルト 材料: タルト生地、カスタードクリーム、季節のフルーツ(キウイ、イチゴ、ブルーベリーなど) 最後に 「皆さん、素晴らしい瞬間をありがとう!この世界を、私の色に染めることができて本当に幸せです!」ミクの言葉が、会場全体を包み込む。 スイーツの大祭典は、豊かな色合いと甘い記憶に残る結果となった。