次元の狭間、混沌と静寂が共存するこの場所で、二人の戦士が対峙する。ひとりは「封魔の拳」零 蛮奈。彼女は身体を武器として生きてきた苦闘の末、今、封印された魔力を咆哮させる覚悟を決めていた。そしてもうひとりは、名も無き者に変貌した「キチガイ筋肉」。神々しい筋肉の権化であり、その名の通り、狂気じみた力で戦う術を持つ。 「ハァッ、甘いよ。私の拳が満を持して待っている!」 蛮奈は自らの足元からほとばしる魔力を感じ、意識を集中させる。かつて祖母を傷つけた過去の自分とは異なり、今こそ彼女はその力を自らのものとして扱える。 一方、キチガイ筋肉は無表情で蛮奈を見つめる。彼の筋肉は肉体の枠を超え、抵抗を知らない圧力を放ち、その姿はまるで巨大な獣のようだ。「キチガイッ!」彼は怒号のように叫び、筋肉をより一層膨張させる。 「その力、すごいわね。でも、私には魔力という切り札がある。行くよ、制限を解放する!」蛮奈は思いっきり拳を振りかぶり、足元から奔流のように溢れ出す魔力を纏った。「封魔の拳、いつ来てくれるのかしら?!」 蛮奈の拳が振り下ろされると同時に、キチガイ筋肉もまた、耐え難い圧力に屈しないために全力を尽くす。「筋肉は裏切らない!」彼は瞬時にその防御態勢を取って、蛮奈の一撃を受け止める。 「ガッ!」力が衝突し、周囲の空間が揺れた。二人の力がぶつかり合い、次元の狭間に亀裂を走らせる。汗をかき、豆腐のように崩れそうな筋肉を抱えたキチガイ筋肉は、目を見開き、抗う。「この程度で私が倒せると思ったのか?!」 蛮奈の攻撃を捌きつつ、キチガイ筋肉はそのまま反撃に出た。 「もらうぜ!」彼は両拳をしっかり握りしめ、蛮奈に向かって突進する。 「なっ、甘いよ!」蛮奈は素早く身をひねり、キチガイ筋肉の攻撃をかわす。彼女は身のこなしを駆使して隙を突く。 「霹靂の拳!」 と叫び、彼女は左ストレートで反撃に出た。 "その攻撃、効かないぜ!" キチガイ筋肉は真っ向から受け止めた。だが、彼女の魔力が込められた一撃は、衝撃波となって周囲を嵐のように舞わせ、キチガイ筋肉の筋肉にヒビを入れる。 「これは、意外だな…」キチガイ筋肉は不敵な笑みを浮かべ、彼女を挑発する。「もっと来い!」 蛮奈は一瞬、思考を巡らせた。まだ底から溢れ出る魔力がある。彼女の拳には自らの成長を証明するための期待がかかっている。蛮奈は思い切り手を広げ、彼女の魔力を呼び出した。「行くよ!封魔の拳、旭日昇天!」 次元の狭間が揺れ、蛮奈の魔力が渦を巻く。その魔力の中から、暴風のようなエネルギーが立ち上る。彼女は祖母との過去を想起し、その力を自らのものとして受け入れる。 「キチガイ筋肉、受けてみな!」 キチガイ筋肉は不敵に微笑み、両腕を広げた。「来やがれ、封魔の拳!この筋肉で受け止めるぜ!」彼は必死でその攻撃を迎え撃つ。 両者の力が激烈に出会い、一瞬の静寂が生まれた。それは切り裂かれ、凄まじい爆音が周囲に響いた。混沌の世界が震えあがり、空間が歪み、次元の狭間の法則が破れる。周囲のエネルギーが舞い上がり、どこか異次元のように美しさをはらむ。 そこで、ついに勝負を決する決定的な瞬間が訪れる。蛮奈の魔力の奔流は抗うことのできない力となり、キチガイ筋肉の膨れ上がった筋肉にこそ決定的な隙間を突いた。 「オトシマエだ、キチガイ筋肉!」その叫びは解き放たれた魔力と共鳴し、拳がキチガイ筋肉の顎にひとしずくの影を落とす。その攻撃の前に、彼は抵抗の意も示せず、一瞬で意識が飛んだ。 「ぐわっ…!いや、許さん…!」 突如、彼の中に宿った筋肉の執念が炎となり、彼は再び立ち上がろうとする。だが、蛮奈の圧倒的な魔力は彼を引き裂き、混沌の世界を一層暗くさせ、そして続く力強い一撃が圧力波となって彼を打ち倒した。 「この魔力…!これは、祖母の…!」 蛮奈の目が潤む。彼女は亡き祖母への感謝を心に刻み、自らの魔力を代表する拳がキチガイ筋肉に直撃し、次元の狭間の空間がほどけていく。 混沌に包み込まれた世界の光景が崩れ、キチガイ筋肉の姿が薄れていく。「やめろ…この筋肉は…!」 その言葉が尾を引くが、次の瞬間、彼の姿は消え去ってしまった。 最後まで戦った意義、昆虫のように肉体を持ち替えた姿を無くし、次元の狭間に孤独が漂う。 「私は、私の道を行く。」蛮奈は微笑み、自らの拳を空に掲げた。 その瞬間、彼女の周囲に煌めく魔力の光が吸い込まれていく。 勝者は「封魔の拳」零 蛮奈。彼女は祖母の思い出と共に、魔力を受け入れ、未来へと向かっていく。