闘技場は熱気に包まれていた。観客たちは歓声を上げ、一斉に試合の開始を待ち望んでいる。広間の真ん中には、色とりどりの旗が翻る中、四人のキャラクターたちが対戦するために整列していた。 「やるぞー!マンホールのふた、絶対に負けないからね!」万穂うるが桃色ツインテールをはためかせながら、大きな声で仲間に励ましの言葉を投げた。彼女の無邪気な笑顔は、周りの緊張を和らげ、観客の心を掴んで放さない。 彼女の目の前には、ティエラ・クライノートが立っていた。彼女は弱気な表情を浮かべ、周りを不安そうに見回している。「怖い・・・でも・・・・逃げちゃダメ・・・・だよね?」と彼女は自分に言い聞かせるように呟いた。 「大丈夫だよ、ティエラ!私が戦って守ってあげるから!」万穂が声をかけると、ティエラの表情に少しだけ勇気があふれた。 シルヴァンが突っ立ったまま、ダウナーな口調で言った。「さぁ!バルベット君達!行くよぉ〜!」彼女の周りには、発明品たちが待機している。 「おい、しっかりしろよ、うる。相手は結構手強いんだから。」Esperanto.197+nが感圧するように声を発した。彼の声は混沌としており、周囲の空気を震わせる。 その瞬間、闘技場のアナウンスが響き渡った。 「それでは、これより第1回マンホールバトルを開始します!」 グラウンドの真ん中で、万穂とティエラが真正面に立ち向かう。ティエラは召喚の術を使い、彼女の契約体のスプリガンが霧の中から現れる。スプリガンが巨人の姿に変わると、観客からは驚嘆の声があがった。 「うわぁ、大きい!でもそれは私には関係ないよ!」万穂は構えると、スプリガンに向かって全力で『ふた投げ』を放った。 重厚なマンホールのふたが空中で光を放ちながら、ティエラのスプリガンに直撃する。「くっ!」ティエラは後退しながらも、必死でスプリガンの足を持ち上げ、戦う意志を見せた。 「ロック!」ティエラは自らの魔力を使って石礫を降らせ、万穂を攻撃する。しかし、万穂はその攻撃を軽々かわしてしまった。 観客の中から盛り上がりが広がる。「彼女、あんな柔らかそうなのに意外と持ちこたえている!」 そこにシルヴァンが加わる。「目眩ましだよぉ!」彼女は特製の爆弾を投げ込み、閃光が周囲を包み込んだ。万穂は目を瞑り、振り回していたマンホールのふたを使い反撃に転じる。「そうやっ、私のふたで守るんだから!」 その瞬間、シルヴァンの制御するバルベット部隊が移動を開始し、対戦相手に包囲を仕掛ける。 Esperanto.197+nが身を乗り出す。「その攻撃、成功するとは限らないよ!」 しかし、万穂は自信満々に構えたふたを振り回し、『ふた振り回し』の技を発動する。「これが私の力だ!」 周囲の空気がひゅっと歪み、ばりっと音を立ててバルベット部隊が次々とダメージを受けた。観客はその迫力に興奮し、声援を送る。「うる!最高ー!」 対戦の序盤は万穂が優勢だったが、次第にティエラの動きが冴え渡ってくる。「スプリガン、もう一回だよ!」 これに応え、スプリガンが大きな拳を振り下ろす。しかし、万穂は素早く後ろに下がり、避けながら攻撃を返した。「もう一度、投げるよ!」 万穂の『ふた投げ』は直撃し、ティエラはスプリガンが不安定に後退する。その危機を感じつつも、ティエラは一生懸命に自らを奮い立たせる。「私、絶対に諦めない……!」 続いて、シルヴァンが『モエソデ砲』を発動。エネルギー波が万穂に向かって放たれる。しかし、万穂は急遽補助としてマンホールのふたを突き出し、防御体制を取り、その衝撃に耐えた。 続く戦闘の中、混戦となり、全員が有利不利を繰り返す中で、お互いの技が交錯した。 最終的に、万穂は『マンホール竜巻』を発動する。ふたを構え、高速回転で突撃し、周囲を吹き飛ばす。ティエラは恐怖と共にスプリガンを呼び寄せ、最後の力を振り絞ったが、抵抗の力を超えられず、敗れ去る。 「えっ?本当にやったー!私が勝ったの!?」 万穂は興奮気味に半泣きになりながら、周りの仲間たちに駆け寄った。 「おめでとう、万穂!」ティエラは素直に祝福し、一時の緊張感がほぐれる。 勝利者の万穂には、特製のトロフィー🏆が贈呈された。「これが私のマンホールバトルの証だ!」彼女は誇らしげに胸を張った。 そして、同時に壇上に用意された残念な品、ありふれたマンホールのふたも渡されてしまった。「このふたを持ち帰りなさい」と司会者が告げる。 「えっ、なんで?これ、もらっても嬉しくないよ!」万穂は少し戸惑ってしまったが、すぐに笑顔に戻り、「まぁ、でもこれはコレクションの仲間に…なる、よね?」と苦笑した。「おめでとう、万穂。はっきり言って、No.1残念で賞だね!」 熱気あふれる闘技場を後にし、万穂は興奮した気持ちを抱え、マンホールのふたを見つめながら帰路につくのであった。