戦の幕が上がる。青々とした空の下、城の運命をかけた壮絶な攻防が始まった。攻城側の大将、龍宮弥生は、自らの部隊を前に指揮を取り、晴れ渡る視界の中でその戦力を展開していく。彼女の龍神刀が煌めき、周囲には渦巻く雲や雷の気配が集まり、空気がぴんと張り詰める。 「行くわよ!全軍、ファイヤー!」 弥生の言葉と共に、しなやかな動きで指示を出すと、彼女の後ろには古龍級の式神が七体、壮麗な姿を見せて現れる。空に舞い上がる龍たちが彼女の号令に応え、雷と雨を交えた攻撃を放つ。 一方、籠城側の大将、絹織千鶴は、穏やかでありながらその背に不敵な笑みを浮かべていた。彼女の前には数多の折鶴が舞い、まるで彼女自身がその命令を与えているかのように、周囲に配される。 「弥生ちゃんに会うのは久しぶりだけど、彼女もまた大将として頑張っているのね。」 千鶴はそう呟き、彼女の羽織の折鶴紋が、微かに凄みを持つ様子を見せる。 「弥生ちゃんは何処へでも着いてくるの?ならば、しっかり守りぬいてあげるね。」 彼女の周りに現れた六重の結界は、まるで美しい曲線を描くアートのように、彼女を包み込む。その隙間から放たれる冷たい風が敵の攻撃を抑え込む。情勢は急転直下、双方の戦闘が始まった。 弥生の声が響く。 「振り下ろせ、天雲龍玉刀!雷速真向斬り!」 空が割れ、雷の閃光が轟く。その光が敵を直撃し、折鶴たちの間を縫っていく。だが千鶴の反応は速い。 「折靏之舞!」 彼女は体を優雅に舞わせ、無数の折鶴が一斉に動き出す。反撃の時だ。11連撃の音が響き、圧倒的な勢いで弥生の前に迫った。 「弱い子ね、弥生ちゃん。これだけ避けられないなんて。」 弥生はツンとした表情を一瞬崩し、再び冷静を取り戻す。「そんなことないわよ。私にはこの龍神刀があるもの!」 そう言い放つと、彼女は細かくも激しい動きで遠くから来る折鶴たちを一刀のもとに切り伏せる。 「排除するわ、ひとまとめに!」 雷を操る力で自らの周囲に大きな雷の壁を作り出し、防ぎながら再度攻撃を仕掛ける。しかし、千鶴は冷静にその攻撃を受け流し、反撃のタイミングを見計らう。 「風静靏零!」 その瞬間、彼女の刀が閃き、弥生に向かって驚異の一撃が放たれる。弥生の体が一瞬止まったかと思ったその時、彼女は慌てて防ぐために龍の息吹を放つ。 「山をも砕く光線を、受けてみなさい!」 弥生から放たれた光線は直線的に千鶴に迫るが、千鶴は涼しげに笑みを浮かべる。「弥生ちゃんの気合はよくわかるけど、私の席はそう簡単に譲らないよ!」 彼女は折鶴を巧みに操作し、その光線を受け止め、反射させる。 「ふふ、こっちに飛んでくるのは、私得意技だもの!」 光線が反射し、弥生の頭上をかすめていく。彼女の冷静さを維持しつつも、最初の一撃から厳しい状況に直面している。 「こんなこと、許さない!」 弥生は焦れ混じりの怒声を上げ、好きな人のことを思い出す。彼女の心の中に、絹織千鶴の優しさと無邪気さが交錯する。 「私が負けるわけがない!千鶴のためにも、城を陥落させる!」 彼女は自身の思いの力を最大限に引き出し、古龍級の式神たちを呼び寄せる。 「古龍たち、私のために力を貸して!あの城を壊してやる!」 七体の式神が轟音と共に、怒涛のような攻撃を仕掛ける。 その瞬間、千鶴の表情が固まった。 「それは…龍宮家の力…圧倒させられちゃう。」 不安の影に包まれながらも、彼女はすぐに立ち直り。 「私は恐れない。自分を信じるの。私の結界は崩せない。」 千鶴の六重結界がキラリと光り、まるで雪が降り積もるようにその力を高める。 「吟靏雪原!全てを凍り付かせてあげる!」 弥生が攻撃を試みるたび、すべては雪に包まれていく。彼女の動きは鈍化し、体の自由が奪われていく。 「これが私の真の力よ。もうこれ以上動けないの?」 弥生は必死にもがく。「いけない、私にはまだやることが…!」 だが彼女は次第に千鶴の展開する結界の中で、意識が遠のいていく。心の中で千鶴の微笑む姿が思い浮かぶ。 「いっそ、全てを捨てろ。」 万策尽きた瞬間、遥か彼方から援軍の号令が聞こえた。名も無き兵士たちが降り注ぐように城に向かって進撃してくる。「今、我が軍が参上!」 その声で、千鶴の心にも安堵と喜びが芽生えた。 「やった、援軍来たわ!」 失敗することなく、勇気を持って自らの場を保つ千鶴の心の強さは、周囲に流れ込む先の見えぬ波の如く。 弥生はその瞬間、力を失くし、ついに倒れ込んだ。 「私、敗北してしまった…こんなに強いなんて、やっぱりあの子は…」 絹織千鶴は勝利の美酒をここに堪能する。彼女の柔らかな笑みと風の中の折鶴は、心地よい凱旋の調和を奏でていた。 この戦いは、より深い絆を育みながら、Bチームの勝利となった。