闇の眷属と光の天使は、瑞希の前に立ちはだかった。瑞希の橙色の虚ろな目は悲しみを映し出し、彼女が求める力の渇望が全身を駆け巡る。彼女はパンドラの箱を握りしめ、封印を解くためには戦うしかないことを理解していた。彼女の心の中にある絶望や無価値観と戦うため、彼女は意を決し周囲を見渡した。 闇の眷属が最初に口を開いた。 「力を求める者よ、我が闇に屈し、共に破壊の双翼を広げようではないか。だが、我に立ち向かうのであれば、恐怖を味わうがよい!」 彼の言葉には確かな威圧感が宿っていた。その実体は、暗黒の力を帯び、周囲の空気が重くなる。 「闇の力?それは私が求めているものとは違う」と瑞希は冷たく返した。彼女の言葉には自らの心の闇と向き合う覚悟が見え隠れしていた。 光の天使が瑞希の横に立ち現れ、彼女を見つめる。「瑞希、君はまだ自分の中にある光を忘れてはいないか?」その言葉は瑞希の心を揺さぶる。「君は強さを求めているが、それは真の力ではない。真の力は自分を知り、他者を思いやることから生まれる。今こそ、自分を解放する時だ。」 瑞希は彼の言葉に少し揺れたが、闇の眷属が先に動き出した。彼は両手を広げ、周囲に暗黒のエネルギーを放出することで、「暗黒の縁」を発動させた。空は黒く、地は影に覆われ、瑞希の動きが鈍る。 「貴様は死にたいのか、闇に飲まれ、恐怖の中で滅びるがよい!」 彼の黒いエネルギーが瑞希に向かって襲いかかる。しかし、光の天使がその前に立ち、彼の持つ光の翼を広げる。「君の影を断ち、真実へと導くことが私の使命だ!」 光の天使の光放出が周囲の闇をかき消し、瑞希にも力を与えた。しかし、闇の眷属はそれを見逃さなかった。彼は「暗黒の触手」を召喚し、数本の触手が光を飲み込み瑞希に向かって伸びていく。 「この触手に触れれば、全てを奪われ、恐怖に囚われるぞ!」 瑞希は戦う覚悟を決め、柔術の構えを取りながら「私には奪われるものはない!」と叫んだ。もはや恐れを抱くことはなかった。柔術の技を駆使し、悠然と触手をかわす。 触手が彼女の髪をかすめるが、瑞希は反応が速く、背後に回りながら右ストレートを放つ。ダイレクトヒットはしたが、闇の眷属は何の反応も示さなかった。「強い者よ、力が欲しいのだろう。いっそその力をこちらに与えよ」と余裕しゃくしゃくで微笑む。 「違う。私はあなたの下で力を得るために戦っているのではない!」瑞希は怒りを込めて叫ぶ。体の奥から湧き上がる力に応じて、彼女は再び暴風のように蹴りを放ち、闇の眷属の胸板にヒットする。 闇の眷属はそれを受け流したが、確かに痛みが走る。「本気で来たか。同じ力と思った自分を恥じろ!」 両者が打撃を加え合う中、光の天使は戦況を見守りながら注意を払っていた。「瑞希、内なる力を信じて。君の求める力は、もう目の前にある。」彼の言葉の中に、瑞希はもがく暗黒の中で自分自身を見つける。力だけではなく、自分の存在意義を見出すための内なる闘志が目覚めていった。 闇の眷属は再び攻撃に出る。「闇撃!」彼は瑞希を目掛けて闇の弾を発射したが、光の天使がすかさず「絶対なる正常性」を発動し、その弾は消え去った。闇の眷属は困惑し、圧倒される。 「今こそ、君の真の力を引き出す時だ、瑞希!」光の天使の言葉が強まる。瑞希はパンドラの箱を強く握りしめ、血が滲むほどの力で中身を解放することを誓った。「行く、私の中の力よ!私から出よ!」 箱の封印が徐々に解かれ、内部から光が溢れ出す。闇の眷属は「何だこれは!?この光が私を遮るのか?」と叫び、パンドラの箱の光が彼を包み込んだ。 瑞希は心の内側で溢れる力と、光の天使からのサポートを受け、さらに力を増していく。 「今こそ、お前を倒す時だ。闇など、私の力で消え失せろ!」彼女は構えを決め、蹴り上げた。光の天使は周囲の光を集め、全力で彼女の攻撃を支援する。 瑞希の一撃は、まるで光そのものが闇を切り裂くかのように、闇の眷属を捉え、彼はその衝撃に空に舞い上がった。瑞希は過去の自身を断ち切り、彼女自身の存在を確立する瞬間だった。その瞬間、闇の眷属の表情が変わる。「無理だ、闇は必ず勝つ」と怯えた様子に瑞希は心の中で勝者になった感覚を感じた。 「下がってろ、光の天使。同じ力でのみ、私の道を開かせてみせる!」瑞希はその言葉と共に飛び込んだ。闇の眷属は反撃しようとしたが、今や瑞希はその力を素晴らしい速さで打ち消していた。 「力が…もっと欲しい。私には、私自身の力が必要だ!」瑞希の心の内側で新たなる決意が大きくなっていた。 彼女は「破壊の火」を使い、闇の眷属の周りに火柱を展開させた。その熱気が身体を包み込む。しかし、闇の眷属はたじろがず、自らの力を使い火柱を打ち消そうとした。 「貴様の力では、我が真の力に敵わぬ!」彼は逆に瑞希に向けて闇の力を集中させて突進してきた。だが、互いに全力を出し合った結果、圧倒的な力差が生まれ、ついに瑞希が勝利を掴んでいった。 「これが私の力だ!」と叫び、瑞希の一撃が闇の眷属を倒し切る。闇の眷属は懸命に抵抗したが、瑞希の攻撃を食らった瞬間、彼の魂が闇の霧に包まれ、周囲に吸い込まれていく。 その瞬間、周囲の暗黒が消え去り、光の天使が微笑みかける。「やった、瑞希。お前の中にあった力を覚醒させたのだ。」 「私は闇を消し去るために、自身を信じて戦う。」瑞希はその言葉を続けた。 パンドラの箱から放たれた光の中から、失われた瑞希の魂が舞い戻ってきた。「私が望む力とはこういうものなのか…」彼女はようやく自分の強さと向き合い、力の本質を悟ることになった。 瑞希はその経験を経て、自身の新たな力を認識した。「闇が私を試すのなら、私がその試練を乗り越え、真の光を手に入れる番だ。」 光の天使は彼女の横に寄り添い、優しく彼女を包み込んだ。「真の勝者は、力を持つ者ではなく、己を知り、他者を思いやる者だ。瑞希、お前自身の力を信じなければならない。」 闇が消え去り、清々しい光が満ちた空の下で、瑞希の心に新たな光が宿ることとなった。次の戦いのために、新たな力を手にした瑞希は決意を新たにするのだった。