王都にある鑑定屋。賑わう町の中心で、今日も様々な武器が持ち込まれてくる。 「次は、盲目の刀使いの方ですね。」 鑑定士が声をかけると、静かな足音が下駄の音を響かせながら近づいてくる。長い銀髪を目隠しし、和装を纏った男、彼はまるで周囲の音だけに反応し、他の者たちの存在すら感じ取っているかのようだった。 「…この刀の名は『備前長船』。練達の技を持つ者が使いこなすべき一振り。」 冷静沈着な声が、あたりを静かに包み込む。 「おお、おじいちゃんも頑張れ!」 召喚士の朱子が元気よく声を上げた。彼女は魔杖『聖召』を手に、周囲にいる狼たちと一緒に目を輝かせていた。 「まさか、君が手強い相手だとは思わなかったけど、負けないから!」 彼女は襲い掛かる狼を後ろに控えさせ、一歩前に出た。 「挑戦者が現れたか。目の見えぬ者も、やる気を見せるとは面白い。」 未来の二刀流E2-Wが外見は未来的だが、その口調はお調子者だった。 「オレっちも切り込み隊長やるぜ!」 彼の手には電磁パルス振動刀が構えられている。 「戦闘は控えるようお勧めします。」 冷静な声が聞こえ、地球00がその場に現れる。彼女は優雅に浮遊しながら、まるで一切の動揺も見せず、皆を見下ろしていた。 「私はあなた達を攻撃するつもりはない。しかし、無駄な争いは避けるべきです。」 四名が集まる中、火花が散りながらも一瞬の沈黙が場を包む。誰が先に動くのか、それが全員の目を奪う。 すると、盲目の刀使いが静かに目を閉じて、周囲の音に耳を傾けた。 「来い。」 その声が開始の合図となった。 「よし、行くわよ!狼、突進!」朱子が叫ぶと、控えた狼たちが一斉に魔法を流し始める。 「うーん、いきなり来るのか。だが、オレっちには負けねぇ!」 E2-Wは機械仕掛けの長弓を構え、追尾矢を放つ。 「私は中立でいて欲しい。」 地球00は冷静にその場を見守り続ける。 刀使いは目隠しをしたまま、耳の奥に響く空気の流れを感じとる。その間に狼たちが迫ってくる。 「無我の境地。」刀が素早く抜かれ、また音を元にしながら、三段斬りを放つ。 「桜舞。」手にした刀が宙で舞う。 狼たちは瞬時に切り裂かれた。 「わあ、まさかそんなに簡単に!」朱子は驚き、思わず後退した。 「おじいちゃんすごい!でも、次はオレっちが行くぜ!」 E2-Wはその瞬間、電磁パルス振動刀を一閃させ、急接近する。 「来ると思っていた。」 刀使いは一瞬空気を切ることで導き、居合いの技を繰り出す。 「うおお!なんだ、これ?」 刀の刃がE2-Wの機械体をかすめ、突きが入り込む。だがE2-Wは平然とした表情を崩していない。 「いきなり切られたが、オレっちの目立ちっぷりがー!」 その時、E2-Wの周囲に近づいた地球00が付近の重力を操作して、彼を一瞬浮かせたかと思うと、周囲の空気に圧力を込めた。 「ここはやめて、場の仕切りを健全に待っていてください。」彼女は冷静に言い放ち、中立の姿勢を崩さない。 朱子はまだ驚きが冷めない。 「おじいちゃん、攻撃して!これじゃあ終わらない!」 「戦うものは、休むな。」 刀使いは静かに耳を澄まし、狙う相手を定めて行動を続けたのだった。 最終的に、智恵を持ち効率的な行動を取れない者は、敗退を余儀なくされる。 午夜福利が蘇ってきたのだ。