交換の宴 ～神の気まぐれバトル～ ① 神の気まぐれによる武器の交換 広大な荒野に、奇妙な四つの影が集まっていた。神の声が空から響き渡る。 「汝らよ、互いの武器を交換せよ。己の力ではなく、他者の刃で勝負せよ。これが我が定めた試練なり。」 神の力は即座に働き、四者の武器が光に包まれる。ランダムに再配分され、それぞれの手に新たな力が宿る。 アムKの夛が花本ことの元へ。 花本ことの妖刀《骸喰》が幼女の元へ。 幼女の「ボタン」がグザッルの元へ。 グザッルの魔力がアムKの元へ。 空気が震え、交換は完了した。神の笑い声が遠くに消えゆく中、四者は互いを睨み合う。 ② 交換された武器の詳細と各キャラの反応 アムKは、突然手の中に湧き上がる強大な魔力の奔流を感じた。【暴走者】グザッルの魔力――それは封印の仮面で抑え込まれていてもなお暴走を続ける、荒々しい力の塊だ。魔力は彼女の体を駆け巡り、指先から黒い霧のように漏れ出す。 「はあ？ 何これ、めんどくさ……。なんか熱くてイライラするんだけど。人間不信の私にこんな暴れ馬みたいなの渡されても、すぐ飽きちゃうよ。」 アムKはズボラに肩をすくめ、魔力を適当に指で弾いてみる。すると小さな爆発が起き、周囲の地面が焦げた。彼女のマイペースな目が少し輝く。「ふーん、壊すの簡単そう。まあ、生きるのに役立つかもね。」 花本ことは、手に収まった夛をじっと見つめた。液体金属のスライムのような謎の物質は、感情に応じて形状を変える。触感は冷たく、しかし柔軟で、彼女の骨の妖刀とは正反対のものだ。 「ふむ……この夛とやら、己の感情を映す鏡か。死してなお生気を失わざるものとして、相応しく受け入れよう。正々堂々の戦いに、この柔なる刃を用いるのも一興。」 彼女の骸なる瞳に闘志が宿る。夛を握りしめると、彼女の武人らしい決意が形作られ、鞭のような形状に変わる。花本ことは静かに頷き、居合の構えを試す。 幼女は、無表情に妖刀《骸喰》を握った。骸なる剣豪の妖気蠢く太刀は、彼女の小さな手に不釣り合いに大きく、重い。髑髏の幻影が刀身に揺らめく。 「……。」 言葉を発さず、ただじっと見つめる。倫理観などない彼女にとって、武器の交換など些事。だが、刀の妖気が彼女の因果干渉の運命に共鳴するかのように、微かに震える。幼女は無言で刀を振り、試しに空を斬る。妖気が爆発し、遠くの岩が砕ける。彼女の幼い顔に、わずかな満足の影が差す。 グザッルは、掌に現れた小さなボタンを凝視した。「相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタン」――それは一押しで全てを消し去る、絶対の力の象徴。暴走者の仮面の下で、彼の魔力がざわめく。 「グオオオ！ このちっぽけなモンか！ 俺の魔力を封じる仮面より、よほどヤバいぜ……だが、暴走の俺がこんなもんで満足するかよ！」 グザッルは苛立ってボタンを弄び、指が触れそうになるたび体が震える。恐ろしい魔力の持ち主として、こんな「押すだけ」の運命に苛立つが、好奇心が勝る。「へへ、押したらどうなるかな……いや、待てよ、俺の暴走に合わせたら最強じゃねえか！」 ③ 慣れない武器に苦労しながらの戦い 戦いが始まった。四者は円陣を組み、互いに距離を取る。アムKが最初に動く。グザッルの魔力を操ろうとするが、暴走の気性に翻弄される。 「うわっ、勝手に爆発しそう！ めんどくさい……。」 彼女はマイペースに魔力を抑え込み、バーストのように周囲に放出しようとするが、制御が効かず自分の足元を焦がす。ズボラな性格ゆえ、試行錯誤が遅く、グザッルに狙われる。 花本ことは夛を居合のように抜こうとするが、液体金属は彼女の感情の高ぶりに応じて鞭状に伸び、狙いを外す。 「くっ、この柔軟さ……正々堂々たる一閃を阻むか！ だが、諦めぬ！」 武人らしい忍耐で、夛を徐々に操り、鞭を剣のように振るう練習をする。だが初撃は空を切り、幼女の刀に弾かれる。 幼女は妖刀を振り回すが、小柄な体躯に重さが災いし、バランスを崩す。無言で構え直すが、居合の技が効かず、ただの乱れ斬りになる。 「…。」 苛立ちを表さず、ただ繰り返す。妖気の髑髏幻影が彼女の周りを舞うが、制御できず自分を疲弊させる。 グザッルはボタンを握りしめ、スピードスマッシュのように突進するが、押すタイミングを誤り、ただの突っ込みになる。 「くそっ、押せねえ！ 暴走の俺がこんなんで……グオオ！」 魔力の仮面が疼き、ボタンを押し損ねて自爆寸前。苛立ちが頂点に達し、乱暴にボタンを振り回す。 四者は互いに慣れない武器で噛み合い、荒野は爆発と斬撃の跡で荒れ果てる。苦労の連続が、戦いを長引かせる。 ④ キャラ性と武器を活かした激戦 ～最後の一人まで～ 徐々に、各者は個性を活かし、交換された武器を独自に使いこなす。戦いは激化し、荒野が血と魔力の渦に染まる。 アムKは人間不信の警戒心を活かし、魔力を「逃げ足」として使う。暴走の力を翼のように形成し、空を飛びながら魔力弾を適当にばらまく。ズボラだが飽きやすい性格で、敵の隙を突く予測不能の攻撃に転じる。 「はは、飛べるじゃん。人間ども、追いつけないよー。」 彼女のマイペースな嘲笑が響く中、グザッルに魔力弾を浴びせ、彼の仮面をさらに暴走させる。 花本ことは武人の信念を夛に注ぎ、正々堂々の鞭剣として操る。感情で形状を変える夛を、居合の精神で「一閃の意志」として伸ばし、遠距離から敵を絡め取る。死してなお盛んな彼女の闘志が、夛を鋼糸のような鋭利な網に変える。 「天辻の如く、汝を絡め取り、正義なき戦いに決着を！」 夛の網で幼女を捕らえ、引き裂こうとするが、幼女の妖刀がそれを斬り裂く。 幼女は言葉なき運命の化身として、妖刀を「存在消去の刃」として振るう。ボタンの因果干渉を思わせる妖気で、敵の「生」を斬り、幻影の髑髏を敵の心に植え付け、精神を削る。倫理観なき冷徹さで、一切の躊躇なく斬り込む。 「…。」 無言の斬撃が花本の夛を切り裂き、グザッルの突進を止める。彼女の幼い姿が、死の運命を運ぶ。 グザッルは暴走者の狂気をボタンに同期させ、「押す」ではなく「暴走消去」として使う。ボタンを仮面に埋め込み、魔力で強化し、一撃で因果を歪める爆弾に変える。恐ろしい魔力がボタンを暴走させ、周囲の存在を強制消去する波動を生む。 「グオオオ！ 押すんじゃねえ、俺の暴走で全部消し飛ばすぜ！」 彼のスマッシュがアムKの翼を削ぎ、幼女に迫る。 戦いは苛烈を極める。まずグザッルが幼女の妖刀に斬られ、ボタンの暴走が自滅を招く。「グアアア！」と咆哮を上げ、存在が因果ごと消える。 次に花本ことがアムKの魔力弾に絡め取られ、夛の網で締め上げられる。「死せど生気を失うなかれ……！」と叫び、力尽きる。 幼女はアムKの空襲に耐え、妖刀で幻影を放つが、アムKのマイペースな逃げ足に翻弄され、最後に魔力のバーストで吹き飛ばされる。「…。」無言の終わり。 最後まで残ったのはアムK。荒野に一人、息を切らす。 ⑤ 勝者による締めのセリフ アムKは地面に座り込み、ズボラに魔力を振り払う。人間不信の目で周囲を見回し、マイペースに笑う。 「ふう、みんな消えちゃったね。めんどくさかったけど、意外と面白かったかも。次はもっと楽な方法で生き延びよっと。人間なんて、信用できないし。」 彼女の笑いが、静かな荒野に響き渡った。