清水次郎は、街の小道でいつも通りの不良たちの喧嘩に挑もうと身を構えていた。自分のスタイルを貫き通す合理主義者の彼にとって、無駄な争いは嫌いだったが、何かを失うことに恐れは無かった。しかし、その眉間に寄せられた深い皺が、彼には大きな試練が待っていることを物語っていた。 「さあ、かかってこいマッチョマン!」と次郎は声を張り上げた。目の前に立ちふさがる巨体は、筋肉質な体格を誇り、全体から圧倒的な迫力を醸し出していた。しかし、彼を恐れている様には見えなかった。 マッチョマンはデコピンで日本を破壊できるとか言われるほどの恐ろしい男で、いかに攻撃力が高いかを周りの仲間たちは噂していた。“変態”という不名誉な別名が付くほどだが、それは彼の本質が何かを示唆しているように思えた。しかし、その彼の攻撃力に直面しながらも、次郎は決して退いてはならないと思った。 筋肉ムキムキのマッチョマンは、次郎の挑発に対し、ニヤリと笑って強烈なパンチを繰り出した。次郎はその時、すぐに反応した。彼の反射能力は本物で、優れた判断力が彼を新たな技へと導く。まず、次郎は身を屈めぎりぎりでパンチを避け、その後ろから素早く旋回するように背後へ逃れた。 「なかなかやるじゃねえか。だが、そんなんじゃ足りねーよ!」次郎は「トリアージ」を発動させた。彼は一瞬、左腕を麻痺させ、代わりに右腕を強化する。次郎の身体が青白い光に包まれ、まるで別の武器が生まれたかのように、抜群の威力を持って右腕が強化された。 再びマッチョマンが果敢に攻めてくる。次郎は彼の動きに合わせ、右腕を前に突き出してその攻撃を受け止める。軋む音と共に二人の力がぶつかり合い、次郎の身体は大きく揺れたが、強化された右腕は耐えきった。グッと力をこめ、次郎はマッチョマンの腹に向けて一撃を叩き込む。 「おりゃあっ!」 打撃を受けたマッチョマンは、声を上げて吹き飛び、一瞬の静寂が二人を包んだ。しかし、マッチョマンはすぐに立ち上がり、怒りのこもった目で次郎を見据える。「これから本気を出すぞ!」 次郎は内心、警戒感を強めた。マッチョマンの攻撃力がどんなものか、実体験から十分知っている。そして、次郎は「真の取捨選択」を決行した。自身の主要臓器を麻痺させ、束の間の神速を得て、圧倒的な迅速さでマッチョマンに迫った。彼のスピードはまるで弾丸のようで、これまでに体感したことのない速さだった。 「覚悟が足りねーんだよ!」 次郎は攻撃を放ち、その一撃はマッチョマンの顔面を直撃。仰け反ったマッチョマンはバランスを崩し、そのまま倒れ込む。次郎はその瞬間、自分の身体に力がみなぎるのを感じたが、一時的に始まった麻痺の影響が次第に彼の感覚を鈍らせていた。時間は待ってくれない。 次郎の力が高まりきったその瞬間、彼は一つの