街中の静まり返った一角、陽射しが透けるような薄暗い雰囲気の中、宮森愛香はその黒いメイド服を揺らしながら、心の底から愛する妹・花音のために戦うことを決意していた。彼女の桃色の髪は風に揺れ、たじろぐことなくその場に立っていた。しかしその表情はどこか苦しそうで、決意の裏に隠された深い想いが伺えた。 "花音の為に、私は絶対に帰らないと……"独り言のように呟く。その声は、彼女の心の中というよりも、自身を奮い立たせるための宣言に近かった。 一方、その場に現れたのは「隠」の魔術師。見えないように身を隠したその姿は、愛香の心をじりじりと焦がしながら、魔術を駆使して街中の影に潜んでいる。黒いメイド服の少女と魔術師、彼らの戦闘が始まる前の緊張感が高鳴っていた。 愛香は双剣『紅恋想蕾』を一瞬で引き抜く。妹の花音から託されたその武器は、彼女の心の炎を宿しているかのように紅く輝いていた。"盛炎"の固有魔法が発動し、愛香の体から赤い炎が立ち上り始める。 「私の愛を、思い知ってもらうわ!」 愛香は足を踏み出し、獲物を固定し、何事にも無心に立ち向かう。 彼女の戦闘スタイルは堅実ながらも繊細であり、敬語を交えた言葉からはその極めて丁寧な性格が現れていたが、今はその優雅さとは裏腹に、小さな炎を背負いながら相手に迫っていく。 「」 その隙を逃さず、魔術師は妙な感覚で「固有魔術『隠者』」を発動する。不穏な気配の中、彼の姿は影に包まれ、完全に消え去ってしまった。目の前にいる敵が見えぬため、愛香は冷静さを保つことを決意する。 「どこだ、隠れたのかい?」 "私の花音を火傷させることなど、決して許さない!" 直感を頼りにする愛香は、力を込めた一撃を振り抜き、空を斬った。同時に、隠れた魔術師が出現する瞬間を狙っていた。だが、彼の姿は見えない。動きも無い。 その刹那、光の一閃が彼女の視界に入り、瞬間的に避ける。この予想外な攻撃は、彼女の死角からやってきたことに驚愕。そのまま切り裂かれながらも、「一刀両断」はミスとなる。 「いかがかな?隠れている間は、私の攻撃が必中さ。」と魔術師の声が響く。 「そんなこと、させてたまるか!」愛香は過去の戦闘経験を思い返す。対敵する者として、この場に臨む理由を再確認し、妹の愛を燃やしたその剣で真っ向勝負する。 続いて、「冥土恋華」スキルが発動。愛香は後方に跳躍して攻撃を回避しつつ、一瞬の隙に恋炎の斬撃を飛ばした。 投げた斬撃が魔術師の姿を捉えるが、彼はやはり消え去ってしまい、空を斬るだけとなってしまった。その空間にあるフラストレーションから、彼女はさらに心の炎を燃やし、周囲全体を恋炎の斬撃で焼き払う覚悟が生まれる。 一方、「隠」の魔術師は、次に反撃の機を狙い、愛香に近付く。だが距離があるため、彼は素早く「賞金稼ぎ」を選んだ。金の鎖を投擲して愛香に向かう。 愛香は自分を拘束する鎖に気付くが、ただでさえ追い詰められた状態で、今更それに反応できない。「私は花音のために戦う! 」 その声と共に、刀を高く掲げる。棘のような受け身を取った瞬間、拘束されることなく、恋炎の斬撃を浴びせ、融合させた瞬間に大爆発を起こした。 しかし、これに失敗することは許されない。鎖は彼女の足を素早く捉え、体重がその場にかかる。「自由が効かなくなる!?」 「今が君の運命だ。」 魔術師からは冷酷な声が流れ、拳銃の音と共に、装着されていた「魔具・黒刃」が飛び出した。彼女の動きは止まり、周囲全域を恋炎の斬撃で激しく焼き払うことができず、他の技を使う必要が迫られる。 愛香は心の中で、花音への愛が燃えるのを感じていた。どうしても、彼女を守りたい一心が彼女の力になる。 。「私は……。---」 その瞬間、愛香の思いが頂点に達した。妹に届かぬはずの思いが彼女を突き動かし、心の炎がさらに大きく燃え上がる。「お還り下さい、ご主人様。」 そっと、彼女の周囲に広がる炎は激しい色彩を持ち、対象の敵が何かの感覚を得る。すると、赤い炎の光に包まれた愛香の剣が恐ろしい威力を秘め、力強い斬撃となって魔術師の元へと向かう。 直後、「駆動風蛇」が無類の威力で、愛香の動きに制限をかける。高速に動いている彼が、巨体の鋼鉄の蛇の影響を与えられた瞬間、彼女の火の力が蹂躙される。 魔術師の意のままに進化した「駆動風蛇」は、彼女の攻撃を受け流しながら、迎撃の体制を取っていた。隠れていた魔術師が見えないところから、優雅なトリックを繰り返すことで、炎の暴風を互いにやり合い、無限の戦闘を繰り広げる。 愛香は、風で動きを止められ、魔術師の技を受けつつも心の決意を固めて挑むが、彼としてはそこに油断なしだった。 再度、御機嫌な彼女は動かず、「燃え燃えです。」と呟く。対戦相手の正面に素早く移動し回転しながら、恋炎の斬撃を浴びせる。 結局、二人は混沌のまま力を振り絞り思い切り切り結んだ。彼らの想は痛みを伴う中、お互いの力量の限界を探り合い続ける。 やがてその戦闘は決着をつけることなる。愛香は、命の炎を宿せし妹への想いで発揮された新たな力を受けて、魔術師との全力勝負を迎え撃った。相手の隠れた過去の影の上に、愛香の思いが層を重ね、全てを捨て、妹を守るために答えを選び取ったことを思い知る時が来た。 一番の観客である、愛する妹・花音の元に帰るため、愛香は剣で心を燃やす。 「私の恋を受け止めてみなさい!'