木々が揺れ、静寂に包まれた森の奥深く。空気は緊張感で張り詰め、戦いの予感が漂い始めた。ナツメは、カゼン焰団第二課の誇りを背負い、黒いスーツに身を包んでいた。彼女の目には隈があったが、それは勉強家としての努力の証だった。しかし、彼女の根底には意外と熱血な心が燃えていた。 その隣には【最速】七瀬 アキラが立っていた。彼女の爽やかな雰囲気と明晰な思考は、どこか緊張した空気を和らげていた。しかし、彼女もまた、全身に緊張感を漲らせていた。この戦いで何を成し遂げ、何を守るのか。二人が向かう先には、絶対的な力を持つ《前人未到》ボルスが待ち受けていた。 森の奥で静けさが破られた。ボルスの声が響く。「私の名はボルス、《前人未到》。今からお前たちを試す。」彼の目は冷ややかで、無慈悲に光っていた。 ナツメは、火龍刀を握り締め、決意を固める。「私たちは誰にも負けない。あなたを倒すために、ここに来たのです!」 その言葉と共に、ナツメが発動させたスキル《熱気》が周囲を包み込む。彼女は仲間に声をかけ、周囲の二名の能力を引き上げる。その瞬間、炎の熱気が仲間を取り囲み、力を高めていた。 アキラもナツメの火熱を受けて、反応速度が上がる。その瞬間、彼女の体が瞬転するように森の中を駆け抜け、ボルスに迫る。アキラのスピードはまさに「最速」。彼女は地面を蹴って、ボルスの懐に飛び込もうとした。 それに対し、ボルスの目が彼女を捉える。刹那、彼の能力《心眼冥合》が働く。彼はアキラの動きを読み取り、すでに彼女の攻撃を予測していた。アキラが放った一撃は、ボルスの巧妙な動きによってかわされ、彼は無言で彼女に向けて斬撃を繰り出す。 「お前たちはまだまだ未熟だ。」ボルスの冷酷な声が響く。 ナツメは、その言葉に心が折れそうになりながらも、絶対に負けられないという想いが湧いてきた。彼女は再び火龍刀を掲げ、技を繰り出す。《流れる剣と炎》だ。上下の斬撃が交互に繰り出される。強烈な斬撃がボルスに向かって襲いかかる。 ボルスは彼女の攻撃を見極め、次の瞬間、刀を一閃。彼の能力《天眼穿ち》が発動し、完全にナツメの攻撃をかわしながら、絶対に当たる位置からその刀を放つ。 「お前のその情熱が、果たしてどれほどの意味を持つのか、教えてやる。」 ボルスの刀がナツメの腕に傷を残し、火傷が彼女を蝕む。ナツメはふらつくが、すぐに立ち直る。「私は…!負けません! 再び立ち上がったナツメの目は、燃えるような決意に満ちていた。彼女は力を込めて再度《全面戦争》を発動する。瞬速の三段突きが放たれ、全味方の武器に炎が宿る。月明かりが炎を反射し、まるで星が輝くかのようだった。その攻撃によって、ボルスの防御力を完全に無視することができた。 アキラは、ボルスがその力を完全に発揮していることに気づく。「彼の情報を全て把握している…!でも、だからこそ…!」 彼女はその瞬間、思考を加速させる。どうすれば、彼を打ち破ることができるのか。「私が、彼の背後に回る!」 アキラは再び奔走し、全速力でボルスの背後にまわり込んだ。瞬時に彼女の攻撃は彼に迫るが、《全知全権》がボスの頭の中で動き、それに相応しい行動を取る。「無駄だ、私には全てが見えている。」 ボルスはアキラの攻撃を読み切って、すでに次の行動に移っていた。「これは、進化した私だからできる。」彼は予知した通りにアキラの攻撃を回避する。 アキラはうめき声をあげ、焦り始める。ナツメもまたボルスのスピードと能力を目の前にして、そこで立ち尽くすわけにはいかない。彼女は彼女自身が信じる強さを試すべきだと気付き、決して諦めるわけにはいかないのだ。 例えば、《不死身の軍団》を発動することで、全ての仲間に焰を灯し、体力を回復させる。かすかに赤く光る彼女の心は、まるで不死鳥のように蘇っていた。不死身の存在として、彼女たちはボルスに立ち向かう力を持ち続ける。 「さあ、行くわよ!」 意を決したナツメの命令が響く。アキラもその意味を理解し、動き出す。二人が再度攻撃を仕掛ける瞬間、ボルスはその行動を予測していたが、まさに二人の力を結集した瞬間が彼の期待を裏切った。 ナツメの《奥義:前人未到の千本刀》が発動した。絶え間なく斬撃が彼を襲い、彼の能力《天眼穿ち》も通じない。連なる火の斬撃が、ボルスへと降り注ぎ、彼は損傷と痛みで身体が折れ曲がる。 「これが、私たちの力だ…!」 ボルスは驚愕の表情を浮かべる。 だが、彼はすぐに冷や汗をかくなか、歯を食いしばって立ち上がり、彼の力をさらに解放する準備に入った。 しかし、その瞬間だった。ナツメの《業の斬撃》で生まれた刀が消えぬ焼き跡を残し、ボルスを完全に包囲する。次々に繰り出された斬撃が、彼の身体を切り裂いていく。 「これで終わりだ!」 戦いは激しさを増し、ボルスは気力を振り絞るが、それでも彼の体力は限界を迎えていた。彼の意識の奥深くで、圧倒的な敗北感が芽生えていた。自らの全能感を持った《全知全権》も、今は幻想に過ぎなかった。 「私たちの勝利だ!」 ボルスは崩れ落ちる。彼の心域はバラバラになり、最後に彼女の目の前に現れたのは無慈悲な虚無だった。 「勝った…私たちが…!」 ナツメとアキラは、顔を見合わせ、安堵と喜びに満ちた表情を浮かべた。 彼女たちの信念、仲間の絆が彼女たちを導いたのだった。 戦いは終わり、勝者は二人。彼女たちは自分たちの力を信じて、未来への扉を明けた。