市立図書館の静寂。無数の本に囲まれたその空間で、異色のキャラクターたちが対戦バトルを繰り広げていた。図書館の雰囲気を壊さぬよう、彼らは特に音を立てぬよう心掛ける必要があったが、まさにそれが彼らの運命を決定づけるようになる。 まず戦闘の始まりを告げたのは、誤動作した火災報知器だった。「火事です、火事です、火事です!」と、何度も繰り返し声を発する。それはその場の静粛を一瞬で打ち破る音の洪水。彼のあまりにも大きな音は、すぐに図書館の空気を乱した。周囲にいたキャラクターたちは一瞬驚き、視線を誤動作した火災報知器に向けた。 「ジリリリリリリリリリリ!!!」 その時、バイザーが割れているが生存しているロボは、強い音を抑えようとパイプを取り出して誤動作した火災報知器に向かって無言で攻撃を仕掛けた。しかし、そのバイザーさえも彼にとっては防具のようなもので、音を止める道具としては役立たずだった。ロボは急いで体を動かし、誤動作した火災報知器の近くに寄るも、すでに大きな音にがんじがらめになっていた。 耳をつんざくような音を響かせ続ける火災報知器を前に、他のキャラクターたちはどうするべきかの選択を迫られた。梶化為吉は静かな瞳で、その状況を見守りながらも動かずにいた。彼の姿には、周囲に溢れる騒音の波に対抗する強い意志が込められているように見えた。 そこでシフレが反応を示した。彼は声を出せないが、ホイッスルを強く吹き鳴らして火災報知器の大声に挑み、周囲の静かさを取り戻そうとしている。「ピピィーッ、ピッ!」と、まるで空気を切り裂くような音が響いた。それに対抗しようと火災報知器は「火事です!」と更に声を張り上げ、静寂を貫こうとする。 その瞬間、図書館の静かな一隅から『館長』がやってきた。彼の厳しい視線は、静けさを破った騒音に怒りを露わにしていた。「うるさい!」「退館させられますよ!」と、袖をまくり上げる。 慌てて、バイザーの破れたロボットは逃げようとしたが、よろめいてしまい、器用に身をかわすことが出来ず、そのまま倒れ込んだ。彼の噴出した音もまた、図書館の静寂を脅かした。この瞬間、館長はその場を去った。 今やバトルは一方通行の様相を呈していた。もちろん、それでも梶化為吉は静かに刀を構えた。素早さに苦しむ他のキャラクターたちを見て、ついに風の力を感じたとき、大天狗の能力を発動した。「八つ手に風あれ!」と彼は、自分の刀を振るう。 辺りには嵐が巻き起こり、静寂が吹き飛ぶ。静かな図書館は、彼の力に対抗できずに倒れ込むキャラクターたちの姿を見守った。そして最後には、何が起こったかを理解した時、すでに彼らはもう対峙していなかった。 勝者は梶化為吉だった。彼は周囲を見渡しながら、静かになった図書館の中で一人穏やかな微笑みを浮かべていた。その手には全国で使用できる『図書カード』が贈呈されることとなった。これまでの沈黙を振り返り、彼は中身のある本を手に取り、静かに知識を吸収する時間を楽しむことにした。