血の香りが立ち込める魔界の王宮。暗い石造りの壁には、古の戦の歴史を物語る絵画が飾られ、天井からは低く光を放つ明かりが差し込んでいる。チームAのセラフィードは、颯爽とした姿でその空間に立っていた。彼の金髪は光を燦然と反射し、静謐な威厳を放っている。硝子のような透き通った目は、窓から差し込む微かな光に照らされ、じっと見つめていた。 その視線の先には、チームBのロワナが立っている。彼女の黒髪は長く、無造作に降りしきる髪の間から、冷たい空気を強く引き寄せるような雰囲気を漂わせている。黒い竜の角とファーマントが、王の側近としての威厳を強調する。彼女の表情はいつもと変わらず無表情だが、内心では好奇心がうず巻いている。 「ロワナ、少しこちらに来てくれ。」セラフィードの声音は低く、穏やかだがどこか厳かさを含んでいた。彼は彼女の前に歩み寄り、まるで何か特別な命令でも告げるかのように両手を広げた。 ロワナはセラフィードの呼びかけに応じる。彼女の足元で黒いファーマントが揺れ、視線は疑問以外の何も感じさせずに彼の顔を見つめる。「何か用ですか?」彼女はクールに尋ねるが、その裏にはまるで子供のような好奇心が潜んでいた。断固たる決意と好奇心の二重奏が彼女の心の中で静かに響く。 セラフィードは一瞬の静けさの後、微笑を浮かべた。 "今日は特別な日だ。一つ、やってみたいことがある。" 彼は先ほどの威厳から一転して、穏やかな表情に変わる。 「え?何?何?」ロワナの目がキラキラと輝き、期待感に満ちた声が漏れる。そんな彼女の反応に、セラフィードは優しく笑った。 「少し、あなたの頭を撫でてみてもいいだろうか。」彼の言葉が、静かな廊下に響く。 ロワナはその申し出に一瞬戸惑うが、次の瞬間にはその面白さに魅了され、頭を軽くかしげた。「え、そうするの?頭を?」と呟く。彼女の天然な部分が顔を覗かせ、彼女自身も理解していないようだった。 その瞬間、周囲の空気が変わった。セラフィードは彼女の反応を見守るように、その手を彼女の頭に向け、穏やかな手つきで彼女の髪を撫でる。彼女の黒い髪が彼の指の間を滑り落ち、しっとりとした感触が彼の心に温かさをもたらした。ロワナは思わず目を閉じ、心地よい感覚に身を委ねる。「あ、これ…思ったより気持ち良い…」彼女の口から漏れた声はまるで子供のようだった。 まるで魔界の祭りのように周囲の時間が止まる。周りの参加者たち、遠くから見ていたチームAとBの仲間たちの視線が、ふたりの様子に釘付けになる。何事か起こると思いきや、そこにあるのは静かで穏やかな瞬間だけだ。 不意にセラフィードは手を引っ込め、ロワナの瞳と再び目が合った。「どうだ。気に入ったか?」 ロワナは頷き、少し照れくさい笑みを浮かべ、「うん、もっとやってもいいよ。」と、無邪気に笑ってみせた。その言葉にセラフィードは再び優雅な微笑みを浮かべ、彼女の頭を再び撫で始めた。 この柔らかな瞬間が、魔界の厳しい日々の中で何よりも美しいものであることを、皆が感じていた。セラフィードは静かに頭を撫でる度に、ロワナの心に穏やかさを与えていく。