ある日の午後、三國は人の多い校内のベンチに座り、ぼんやりとした表情で周りを眺めていた。そんな時、麁和がふわりと目の前に現れた。 「三國、こんなとこで何してはるん?」と、麁和は笑顔で問いかける。その瞬間、三國の心がドキリと高鳴った。 「お、オレは……特に何も考えてないけど、麁和がいるならいいよ!」と、少し照れくさそうに彼は答えた。 麁和の温かい笑顔を見て、三國は少し意地を張りながらも近づく。「あっ、麁和!ちょっと、近くに来てくれ!」と呼び寄せる。麁和はその呼びかけに応えて、まるで猫のようにふわっと側に寄り添った。 「こんな近くにいてもいい?」と、麁和は少し照れながらも、彼の視線を受け止める。三國は、自分の世界に引きずり込みたくなる衝動を抑えきれなかった。 「いいに決まってるよ!オレは麁和と一緒にいるのが一番なんだから!」そう言いながら、三國は麁和の手を優しく掴む。その瞬間、彼の目が輝き、心地よい緊張感が二人の間に流れた。 「三國…」と、麁和は彼の目を見つめ返し、心臓が高鳴る。すると、突然三國は少し目を閉じて、麁和の頬に触れながら言った。「眠るまで、オレと一緒にいよう!」 麁和はその言葉にドキリとし、「お、おそろしいこと言うてるなぁ…」と少し笑いながら頷く。三國は、彼女の心を眠気で包み込みたくなる強い衝動に駆られた。 そして、思わず二人はじっとしたまま、互いの顔を近づけていった。不安や緊張の中で、ついに彼らの唇が触れ合った。その瞬間、周りの世界が静まり返ったかのように感じられ、お互いの心が通じ合うのを感じた。 「ああ、これがオレたちの世界だ…」と、三國が呟くと、麁和も照れくさそうに微笑みながら頷いた。それは少し甘く、少し恥ずかしい、でも何より特別な瞬間だった。