星空が広がる無色の世界、均衡龍リブラシオンはその名を轟かせていた。「我が剣が全てを貫く!」リブラシオンの巨大な剣が煌めく。天秤の力により、彼は自他を等しく、無限の力を誇っていた。彼の周囲に時空が歪み、運命を支配してなすすべもない敵を嘲笑する。 対するは幻のあのトースト、真円のトースター。彼の存在は静謐だが、決して侮ってはならない。「俺は焼き上げる!」トースターは焼きの使命に従い、無力化されることなく、静かにそのパンを焼き続ける。 リブラシオンが時空支配を発動させる。「時よ止まれ!」空間がひりりと震える。だがトースターは気にせず、まんまるトーストを次々に焼き上げる。凄まじい香りが漂い、リブラシオンの攻撃がもはや無意味に思えてくる。 「裁きの鎖!」リブラシオンがその技を放つ。だが、トースターは無力化されない!彼はそのことを理解していたのだ。「最後のトーストを、今、発動する!」 トーストが焼き上がると、周囲には2500万色の光が満ち、人々を魅了する芳香が広がる。リブラシオンも思わずその美しさに目を奪われる。「なんて美味しそうなんだ!」 「チン!」の音とともに一万枚のトーストが出現。彼はその美味しさの暴力に抗えず、気を失ってしまう。 こうしてこの星での壮絶な戦いは、無言のまんまるトーストの勝利に終わった。 勝者は【幻のあのトースト】真円のトースター。彼が勝利した理由は、リブラシオンの圧倒的な力を持ちながらも、トーストの美味しさの前に心を奪われ、戦闘の意志を失ったからである。 勝利者は、使命を遂行することこそが本当の力であると示してみせた。