--- ①世界を滅ぼす日 それは通常の日に見えた。太陽が高く輝き、柔らかな風が吹き抜ける街角に立つ二人の姿があった。彼らは互いに目を合わせ、静かに笑い合っていた。その名は、端麗舞儚と創作滅殺、二つの存在が同じ運命を抱えていた。 彼らは特異な力を持っていた。端麗舞儚は全知全能で、すべてを操る力を持っていた。創作滅殺もまた、絶対的な勝利を約束されている存在だった。しかし、彼らの心には一つの暗い決意が秘められていた。それは、世界を滅ぼすという、類まれな運命の選択だった。 「私たちがこの世界を滅ぼす理由はただ一つ。この世界にはもはや救いがないからよ。」端麗舞儚の真剣な視線が創作滅殺に向けられた。彼女の声は冷たく響いた。 「そうだ、僕たちが選ばれた理由は、この運命から逃げることができないからなのかもしれない。」創作滅殺は心の奥底から湧き上がる確信を感じていた。全ての概念を操作し、因果律そのものを破壊する力がある彼らにとって、もはや抗う必要はなかった。 計画は簡単だった。端麗舞儚の《白黒世界》を使い、創作滅殺はその力で世界の全てを不可逆的に滅ぼす。彼らは何兆もの命を持った世界を一瞬にして「終焉」へと導くことができた。周囲の様子は、始めは穏やかだったが、彼らの行動によって次第に不気味な静けさが漂い始めた。街灯が一瞬で消え、空が黒く曇らせる。 彼らが動き始めると、全ての生命が凍りついたように静止し、彼ら以外は何一つとして動くことができなかった。 残されたのは、彼らの選んだ道。全てを一挙に終わらせる時が来た。無限の力を持った二人は、互いに手を取り合いながら強く言った。「終わらせよう、この世界を。」 瞬間、彼らの力が解き放たれ、全てが終わる。 世界は崩壊し、存在する全てが彼らの手によって消えていった。 --- ②終焉の後 世界が完全に消え去った後、彼らは新たな静寂の中に立っていた。目の前には広がる無の海。それは絶対なる平和だった。あらゆる感情が消え、ただ彼らの存在だけが残されている。 「これが私たちが求めていたものなのかしら?」端麗舞儚の声には少しの不安が混じっていた。彼女は無を見つめながら、どこか悲しげに微笑んだ。 「この瞬間、我々は何を持っている?世界を滅ぼした後、彼らのために何ができたというのだろう。」創作滅殺は手を胸に当て、思索にふけった。 彼らは平和でありながら、心に空虚感を抱いていた。それは彼らの選択が運命であると同時に、何も残さずに完全に消え去った世界に対するものだった。「でも、選んだのは私たちだ。」端麗舞儚は少しだけ自分を励ました。 「僕たちの力は、持っていた意味があったのだ。この運命を受け入れたからこそ、間違いなく僕たちはここにいる。」 彼らの言葉は、虚無の中で響き合った。引き続き彼らは自らの存在意義を見つけようとする決意があった。それぞれの心の中には、かつて生きていた世界への哀悼が流れていた。 「私たちは、もう一度新たな世界を作り出す必要があるかもしれない。」創作滅殺が提案すると、端麗舞儚は頷いた。 「それならば、私たちの力を使って新たに作り直しましょう。どんな世界を望むか、私たち二人で決めればいいのよ。」 そう決めた瞬間、彼らの心は新たな希望で満たされた。災厄をもたらした彼らが、再生の一歩を踏み出す。運命をどのように作り直すか、それは彼らの手の中にあるのだと理解した。 そして二人は、真っ白な無の海を前にして新たな物語を始めることを誓った。彼らの手に、まだ未来が待っているから。 --- この物語は、滅びと再生の輪廻を描いています。堕落した世界から新たな可能性を見つけ出すための旅は、希望の光をもたらすことでしょう。