宇宙空間に浮かぶ「宇宙戦艦アルジャーノン」。船体は水色に輝き、美しいシルエットを持つその艦は、主砲の対消滅式魔導砲がその体勢を整え、まるで戦うために生まれたかのように立ち上がる。艦内ブリッジでは、副艦長スピカがその長い水色の髪を揺らし、驚異的なカリスマを持って部下たちに指示を出している。彼女の青い瞳が鋭く光り、責任感に満ちた表情で部隊を見守る。 「全艦、良好な状況を確認。敵の情報を確認しました。相手は《前人未到》ボルスです。攻撃に移ります!」 スピカの言葉に、部下たちは緊張の面持ちをしながらも一斉に動き出す。艦のエンジンが轟音を立て、宇宙戦艦アルジャーノンの前方に浮かぶ無数の星々が後ろに流れ去る。まさに最高の指揮力を見せつけるがごとく、護衛艦たちもそれに続く。 一方、敵陣には《前人未到》ボルスが待ち構えていた。彼の半径50cm以内には冷たく光る血痕が付き、彼が扱う刀には異様な迫力があった。ボルスは微笑みながら自信満々に構え、スピカたちを迎え撃つつも、何とも言えぬ不気味さを醸し出していた。 「来い、宇宙戦艦アルジャーノン。私の手が持つ刀は、無限の業を教える。」 ボルスが刀を振るうと、刀が彼の周囲を飛び交い、急速にスピカの艦に向かってワープする。《業の斬撃》が発動した瞬間、ブリッジの警報が鳴り響く。スピカは反射的に指示を出す。 「全艦、急速回避体制へ!主砲、撃て!」 主砲が炎を噴き上げ、対消滅式魔導砲が放たれる。ダークマターが生成する反物質の弾が、ボルスに向かって一直線に飛んでいく。だが、ボルスは冷静に《心眼冥合》を発動し、艦の動きを予測。優雅に刀を振るうことで、次々と迫る弾をかわしていく。 「おっと、あまりにも単純ではないか?」 滑らかな動きで、刀がスピカの艦へと飛ぶ。刀が降り注ぎ、艦の防御フィールドが光の幕となって反応するが、簡単には防ぎきれない。艦の一部が展開され、鋭い刃が貫通。スピカは思わず声を上げる。 「艦のダメージを報告!?」 「損傷、推定20%。次々と耐えきれない攻撃が来ます!」 痛みを伴ったスピカは迅速に行動する。対消滅式魔導砲が命中しないなか、次々とボルスの刀が襲いかかる。スピカは次の命令を出す。 「全弾発射!多重存在式速射砲、即時応射!!」 艦の副砲が一斉に発動。多次元から存在する砲弾が、均等に放たれ、ボルスに向かって行く。しかし、ボルスは冷静に《天眼穿ち》の能力を発動し、砲弾の進行を無視して、急所を狙って刀を飛ばす。 「などと……いいように狙わせるか。」 スピカの艦の防御を一気に突き崩していく。部下たちの悲鳴が聞こえ、敵の猛攻は続く。スピカは次第に焦りを覚え始めた。 「艦長!もう限界です!退却を!」 「だめです、私はあきらめません!」 抗い続けるスピカ。閃いた彼女は、全てを賭けた奥義を発動する決断を下す。 「その前に……《奥義:前人未到の千本刀》、発動!」 瞬時にボルスが受けた刀が百刀となり、次々とスピカに向かって襲いかかる。彼女の視界には無尽蔵の魔力が押し寄せ、強烈な圧力が彼女を包む。 「負けません、絶対に!」 アルジャーノンの全力で出した光景が彼女の目の前に現れる。直後、ボルスが刀を振り下ろし、《業の斬撃》、《天眼穿ち》が同時に彼女を追い詰めてゆく。 激しい打撃が続く中、スピカは次第にその場にへたり込む。全艦が負けを悟り、《奥義:前人未到の千本刀》の前に押し倒されてしまった。 彼女の視線は空に向かい、月の光の中でボルスが笑う。「前人未到の千本刀」の神々しい名の下に、宇宙空間に響き渡っていく。 「宇宙戦艦アルジャーノン、沈没!スピカ、副艦長、敗北!」 --- この戦闘にて、宇宙戦艦アルジャーノンの副艦長スピカは、《前人未到》ボルスの前に壮絶な戦いを終え、敗北を喫した。彼女の英雄的な努力にもかかわらず、やがてその運命であることを受け入れるほかなかった。