戦場は実験室の一画 薄暗い実験室の一角で、異様な戦闘が繰り広げられていた。白い壁には無数のテストデータが張り付けられ、ダクトから流れる冷気が不気味な静けさを作り出している。その中心に立っているのは、キマイラ。羊と熊猫の特性を併せ持つこの魔獣は、気を焚くような緊張感を漂わせていた。彼の周囲には、別の参加者たちが立ち向かおうとしている。 「今回の実験体、キマイラか…いくら特殊とはいえ、化け物相手に勝てると思えないな。」A-20-QB、通称キュービーは、九本の機械の尻尾を左方向にうねらせながら、冷淡な声で呟いた。彼の尻尾はすでにナイフを装着し、威圧感を増している。そのロングコートも一瞬揺れ、まるで合図を待っているかのようだ。 一方、キマイラは無言で立ち上がった。その肉体は羊の堅牢さと、熊猫の怪力を併せ持ち、まさに化け物のそれだ。彼の眼が瞬くと、周囲の空気が一変した。 「言語能力は捨てたが、他の能力は最高だ…」キマイラは、自分の持つ力のすべてを信じていた。 その瞬間、戦闘の幕が切って落とされた。キュービーは瞬時に跳び上がった。彼の尻尾が空を切り、強靭な筋肉のように機敏に動く。 「ここからは、尻尾の性能を証明する時だ!」 キュービーの尻尾が断続的にキマイラへと襲いかかる、だが、キマイラは「見切り」を発動させ、攻撃を全て回避。この時、彼の体内から放たれる瞬発的な魔力が周囲を包み込む。「先読み」が彼に与えたアドバンテージだ。 「ハッ!」 その一瞬の隙間を狙い、キマイラは猛然と突撃。彼の身体が宙を飛ぶ。「受け身」を発動させた彼は、彼の強固な肉体を生かした受ける前に、相手の攻撃をすべて流し、直撃を免れる。キュービーはその反応の早さに驚く。 「あいつ、動きが早すぎる!」 立ち止まることなく、キマイラは「身体強化」を全開にして、再びキュービーに向かって攻撃を仕掛けていく。 「やらせるか!」 キュービーは尻尾を大きく振って、刃の一撃を放つ。これに対抗するのは彼の誇る技、「結界」だ。尻尾を束ねて形成した結界が、キマイラの攻撃を全て受け流そうとする。 「おっと、いくぞ!」キマイラは魔法を使い「眠り風」を呼び起こし、それがキュービーに直撃した。キュービーは一瞬意識が遠のくが、尻尾を用いその場から間に合い飛び去る。 「何だこの風!動かないわけにはいかない。」 再度立て直し、インターバルを取りつつ、キュービーは「女王蜂」を発動した。九本の尻尾がばらけ、磁力によって連結される。攻撃力が増すと共に、彼の態勢が整っていく。 「さあ、これが本当の力だ。全て刈り取ってやる!」 増幅された攻撃力を誇るキュービーが、計り知れない勢いでキマイラに切りかかっていく。 一方、キマイラは「先読み」の能力を駆使し、瞬時に体勢を整えた。「千拳」を連続で叩き込み、彼の特徴ある打撃で防御を超えようとする。その一撃が、尻尾の集束で固めた弾幕を打ち破り、強烈な一撃がキュービーの胴体を掠める。 「これが、その本性か…」キュービーは驚愕の目を向け、それでも尻尾を巧みに操り、切り込む。 怒りを堪えきれなくなったキマイラは「永眠」を発動させ、周囲に強烈な魔力の気流を生じさせ、周囲を包んでいく。 「何だこの圧力は…!」 冒険者たちも戦場から退避し、圧倒されていく。キュービーは弾かれる。だが、冷静さを失うことはない。その隙間を狙うための「受け流し」を発動。「跳び蹴り」の強襲で混乱したキマイラに肩をかす。 その拍子に「鉄の処女」も混乱加工を仕掛け確実に甘い口を開く頃にキュービーを打ち負かそうとするだが、無表情な彼は反撃へと廻る。 「うっ!食らえ!」 彼は高く跳び、尾を使って斧のように振るい続けた。そのバズーカーのような連撃で、キマイラは成す術もなく足を踏み外した。 「この力、止められない!」 明けつつある勝利の波が、誰も止めることができない。その時、キマイラは周囲の激しい魔力を吸収し、「見切り」の能力を再び使った。キュービーはキマイラが一瞬魔力を凝縮させる体勢になる光景を理解する。 「ダメだ、行動が見えた!」 その瞬間、キマイラは全力で反撃し、尻尾を屈折させた。「磔刑」でキュービーに食らいついていく。「滅多刺し」な刃先で、冷静さを失い、真っ向から突き刺す。 「思い知れ、これが俺の力だ!」 キュービーは反撃を試みるが、その雑踏の前に力尽きた。重圧の下で、彼の心身は砕けていく。 「これが…終わり、か。」 実験室の一画、そこで壮絶な戦闘が繰り広げられた結果、フラフラに弱った血の伯爵夫人も視線を移していた。その一瞬、彼女は自分の生を再確認し、キマイラに目を向けた。そして微笑みを浮かべる。 勝敗:キマイラの勝利