激闘の幕開け 静寂の中、星々の間を駆け巡る魔法少女、星野千歌。彼女の眼前には、異形の存在——第7の使徒ガギエルが立ち塞がっている。水呑み鳥のような姿をしたその巨体は、数百メートルの海面に立っているだけで、波間をひび割れさせていく。周囲は恐怖と興奮の混じった空気漂い、彼女の心臓は高鳴る。 「出撃命令はないけれど……やるしかないよね！」千歌は、カラフルな星柄のドレスをひるがえしながら、その小さな手を空にかざした。星の光が集まり、彼女の周囲に無数の輝きが舞い降りる。「いくよ、ガギエル！」 彼女の声が響くと同時に、ガギエルは冷たい眼差しをこちらに送り返した。顔の部分から黒い玉が集まり、少しずつ光を結集していく。十字架の爆発、怪光線の準備が進んでいる。その瞬間、千歌は一気に動いた。 星の力で反撃 「ステラッシュ！」彼女の叫びと共に、宇宙の果てから太陽系外の星々が盲目のように集まり、ガギエルに向かって投げられる。星々が重なり合い、瞬く間に巨大な隕石となって、光の矢のように飛んでいく。その向かう先には、ATフィールドが光り輝くガギエルの姿があった。 「無駄だ、少女よ！」ガギエルは冷酷な声音を響かせ、伸びた触手でその隕石を切り裂く。しかし、全ての隕石を防ぎ切れない。破片が波間に落ち、海は驚きの色を見せる。 千歌のテンションが高まる。「よし、続いてシューティングスター！」彼女の周囲から流れ星が集まり、まるで銀河を代表するかのように一斉にガギエルに向かって放たれる。それらの流れ星は無数に発光し、まるで彗星のように連なってガギエルを目がけて猛進する。 ガギエルの恐怖 しかし、ガギエルはそこでも怯まない。黒い玉が集中し、瞬時に彼女の周囲に怪光線を放つ。十字架のように結んだ光は次々と流れ星を撃ち落としていく。その衝撃波が千歌を襲う。 「消えろ！」 彼女は全力でATフィールドを展開し、防御を固める。衝撃が彼女を襲うが、持ちこたえ、反撃の姿勢を崩さない。「アタック、アタック、アタック！」 奮起する魔法少女 その瞬間、ガギエルが海面を踏み、逆回転の針のように脚部を動かして近づいてくる。体重を乗せた一歩一歩が地面を叩きつける音が、千歌の鼓動と共に鳴り響く。 「このままじゃ……！」千歌は一瞬、恐れに心を惑わされる。だけど、その思いを振り払う。「私は魔法少女！星の力を信じてる！」 再び腕を掲げ、千歌は最後の手段、サイディアルを発動させる。周囲が輝き、恒星が彼女の手のひらから現れる。まぶしい光の中から、千歌は繊細にそれを操作して、ガギエルの視界を遮る。 攻防の先へ 「ガギエル、惑わされて！」千歌の言葉が虚空に響く。恒星の光がガギエルの目を眩ませ、その隙に千歌は一層の力を込めて、星々の力を一斉に集中させ—発射する。 その瞬間、ガギエルのATフィールドが弾け、再生の力が一時的に弱まる。「なにっ？！」ガギエルは驚愕の表情を浮かべた。この瞬間が、千歌の勝利の鍵となる。 駐留する強敵 しかし、ガギエルはその直後、再び冷酷さを取り戻す。コアのデコイを動かすことで、新たに攻撃を仕掛けてくる。「触手！」尖ったレーザーが千歌に向かって飛来する。彼女は咄嗟に飛び退くが、次々と触手が追いかけてくる。 「うわあああ！」千歌は反転し、再びATフィールドを展開。「そんなの、簡単には通さない！」 だが、ガギエルは狙いを定め、触手の数を増やしてまた攻撃してきた。彼女のATフィールドを削りつつ、ガギエルは近づいてくる。「必ず、お前を消してやる！」 運命の転換点 その瞬間、千歌は頭の中で計画を練る。触手の攻撃を受け流しつつ、反撃を考えなければならない。そう、ATフィールドに隙がある時を狙うしかない。「ギリギリの勝負、負けられない！」 千歌は再び星々の力を集め、目を閉じて集中する。一瞬の静けさが彼女を包み、運命の瞬間が訪れる。相手の目がくらんでいる間に、ATフィールドの隙を見逃さず、全力で星の力を叩き込む。 「星の運命、宿命を解き放て！」千歌の声が天地に響く。星が彼女の周囲に舞い込む中、その力がエネルギーの曲線を描き、宙に浮かぶ球体が集中する。 「今だ！ステラッシュ！」千歌の一撃が天に向かって放たれ、すべての星たちが一斉にガギエルを狙って降り注ぐ。 決着の刻 その瞬間、最大の強敵ガギエルは恐ろしい苦痛を味わう。「NOOOO！！！」まばゆい光に包まれ、彼のATフィールドが崩壊する。すべての星たちが激しくぶつかり、轟音が響く中でガギエルは一瞬にして崩れ去る。 最後に赤い液体となり、十字架のような爆発を起こして消えていく。その姿は虹のアーチとなり、空を彩る。その美しさに、千歌の心も和らぐ。 「やった……勝った！」安堵の声がこぼれた。星々への感謝を胸に、千歌はその場で小さく微笑んだ。 世界を包む虹 空にかかる虹は、彼女の心を包み込む。運命を共にした戦いは、壮絶な激闘となった。しかし 愛と友情を胸に、千歌は新たな次元へと踏み出していく準備を整えた。そして次なる使命へ——星の少女としての役目が待っていることを、心に刻みながら。