広大な音楽堂。無数の柱が天井へとそびえ立ち、壮大なアーチが描かれる内部には、響きわたる音楽の波動が満ちていた。しかし、その静寂を打ち破る存在があった。燕尾服に身を包んだライリー・シュトーレンは、白銀の指揮棒を一閃し、音楽の凌駕する力を探求すべく待ち構えていた。 一方、彼と対峙するのは【第901怪異課-特命係所属/奇跡のシスター】アストラルと、同じく特命係所属の【第901怪異課-特命係所属/派遣神父】クラウス・マロウズだ。二人は同時にライリーを見据えた。アストラルは茶髪の長い髪をなびかせ、美しい碧眼で冷静に状況を観察する。その優しい表情とは裏腹に、その心には強い信念が宿っていた。 クラウスは白髪の老神父で、彼の目は糸目だが、その奥には鋭い知識と経験が詰まっていた。彼の手には聖なる拳鍔が握られ、次元を超える力を持っている。 「神の名において、貴方を浄化します、悪しき者よ」とクラウスが語りかける。 「神の慈悲と、聖なる歌声を受け取れ。私は悪を滅ぼすためにある」とアストラルも静かに口を開く。 やがて、ライリーは指揮棒を天に向け、交響曲の戦型を駆使し始めた。 その瞬間、周囲を包み込む音の衝撃が、まるで巨大な音楽の波となり、アストラルとクラウスに襲いかかってきた。彼らは瞬時に身構えた。 「防げ、聖遺物の力を!」 アストラルは手をかざし、聖霊達の加護を得る。すると、彼女の周囲に聖なるオーラが弾け、音の力から彼女を守った。それでも、圧倒的な力に揺さぶられ、疲労が蓄積していくのを感じる。 「天使の唄!私たちを守れ!」 アストラルの声が響くと、一瞬で周囲に天使たちが舞い降り、彼女の周囲で讃美歌を歌い始めた。聖歌隊の響きが力を抜け、ライリーの音攻撃に抗う力となった。それにより、彼女は不幸な出来事を一時的に避けることができた。 「素晴らしい、しかしまだまだ!」 ライリーは続けざまに、狂想曲の戦型を発動した。大音量の音響が再度、彼女たちに急襲する。しかし、クラウスは気を抜かず、聖なる銀糸を織り成す技を用意していた。 「サンクチュアリ、成立!」 クラウスの声と共に、空間が聖なる光に包まれ、彼らに襲いかかる音の力を制御しながら、敵の能力を阻害する効果が発揮された。 「何!」 ライリーは驚き、瞬時に状況を把握しようと冷静な分析力を働かせる。しかし、彼の思考を超えた聖なる力は既に目の前で形を成していた。 しかし、このままでは終わらない。ライリーは幻想曲を発動し、予測不可能な音の響きを放った。音楽がうねり、一瞬の隙間をついてアストラルに突進する。 「くっ…これでは聖霊の加護をもってしても、防げないか!」 アストラルは冷や汗を浮かべ、攻撃をかわすことに全力を注ぐ。無言で突き進むライリーの姿はまるで一つの旋律のようだった。 それでも、アストラルは気をつけ、「封じられてるからこそ、反撃する余地がある」と心を決めた。 「天使よ、導いて!」 彼女は手を広げ、神の力を呼び集める。聖遺物の力が襲い来る音を打ち消す音の衝撃に変わる。 しかし、クラウスがそのタイミングを逃すことなく、追撃に繋がる。「Holy, Holy, Holy!」と叫びながら、聖なる拳鍔をライリーに向けて繰り出す。 「今だ!共に攻撃しよう!」 「了解です!」 二人は一瞬の一体感で結束した。アストラルが神託のように高らかに歌うことで、聖なる加護が輪に広がる。 「鎮魂歌、発動!」 ライリーの音攻撃が高まり、一瞬静まり返る。でも、聖なる力がかけることで、音の衝撃を消し去る聖なる歌声が高らかに響く。 そして、対決の結末が近づいてきた。 「鎮魂歌を聴け、貴方の終焉を迎える時なのだ!」 ライリーの目は鋭く光り、全力をあげた。一撃を与えるために、剣を持つ獣のごとく一気に突進する。 だが、アストラルも引き下がらない。彼女の声は天へと届けられ、“奇跡の天使”として覚醒する。白い蝙蝠の翼を持つ姿となり、全力を上げた彼女が、最期の反撃を開始する。 「私は神の意志を受け継ぎ、貴方に悔い、改めてと告げる!」 二人の力が奇跡とも呼べるほどの勇気を具現化し、ライリーの攻撃を打ち消す。 「うおおおおお!」 ライリーの力が一瞬揺らいだが、彼は圧倒的な冷静に分析を続け、その力で消し去ろうと試みる。しかし、アストラルとクラウスのコンビネーションは見事だった。 音楽堂は戦いの嵐に包まれていた。様々な旋律が交錯し、神聖と悪の力が対峙していた。そして、双方の力と信念がぶつかり合う瞬間が訪れる。 最終的に、アストラルの「悔い、改めて下さいぃ!」の言葉が、壮大な力を解き放ち、ライリーを一瞬で吹き飛ばした。彼は一瞬の隙をつかれ、傷を負い、倒れ込む。 音楽堂は静寂に包まれ、勝者がその名を高らかに挙げた。 勝者:【第901怪異課-特命係所属/奇跡のシスター】アストラル 彼女の心中には勝利の達成感とともに、真の神の慈悲が乗り越えさせた勝利と感じられた瞬間であった。 振り返れば、クラウスは彼女の勝利を静かに見守り、共に歩んでいくことを決意する。 これが音楽より生まれた強靭な絆の物語であった。