寛永10年、春の陽光が優しく城の中庭を包み込む中、満開の桜が舞い散る。今日、この場所で試合が行われる。緊張した空気の中、大名たちの間に立つ二人の剣士――まずは古き桜花アリア、そして妻籠イネ。彼女たちはそれぞれの出身を、誇らしげに紹介される。 「これより、古き桜花アリアが参ります。」 「妻籠イネ、心して参ります。」 将軍の頷きを受けて、試合が開始される。観客が凝縮した視線を送る中、アリアは優雅に剣を構え、まるで桜の花弁が舞っているかのように動く。イネはその瞬間を逃さず、音速の居合抜刀術、壱乃雷を放つ。瞬間的な力が周囲を叩きつけ、雷鳴のような轟音が響く。 「これが、天の雷だ!」イネが叫ぶと同時に、彼女の蒼雷刀がアリアに迫る。だが、アリアはその攻撃を冷静に見極め、愛新覚羅・防を発動する。 「そう焦るな、イネ。私の剣は見えない斬撃を与える。」彼女の声は静かでありながら凛としている。それを聴いたイネは、思わず一瞬後退した。その隙を利用し、アリアは桜花羅琉剣から放たれた見えない斬撃をイネに向かって撃ち出す。 斬撃は真っ直ぐイネの肩を掠り、血が流れる。イネは痛みに顔を歪ませながらも、すぐに攻撃態勢に戻る。「何という技…だが、これで負ける私ではない!」 蒼紫の髪が舞う中、イネの動きはまさに雷のようだ。彼女は瞬雷轟光ノ型を駆使し、アリアの周囲を一瞬で取り囲む。アリアもまた、桜神の纏いの力を活かし、次々と放たれる斬撃を華麗に避ける。しかし、その中に一つ、イネの攻撃がアリアの腹を捉える。 「ふふ、これが雷の威力よ。」 アリアは痛みにうめきながらも、すぐに意識を集中させ、桜神化を発動する。境界を超えた力が彼女を包み込み、全ての能力が爆発的に高まる。 「次は私の番!」 アリアが叫ぶと、心の奥に潜む力が彼女の手に宿る。彼女は桜竜を身にまとい、一瞬でイネの前に移動する。その速度に驚いたイネは、瞬きすらも許されぬ瞬間に襲われる。 「時を断つ、愛新覚羅・時斬!」彼女の一撃はイネの心に直接響き、過去の記憶が消え去る。ただ何もなく、今だけが存在する。 「そんな…!」イネの目が驚愕に満ちる。肉体の奥底から沸き立つ力強い思念が、彼女の意志をかろうじて保ち続ける。「だが、私は負けない!」 イネは気合を入れ直し、伍乃雷、伍閃綺羅星の技を繰り出す。星型を描いて斬る居合が、アリアの周囲を疾駆する。しかし、その一つ一つをアリアは流麗にかわしながら、逆に反撃に転じる。二人の心が交錯し、剣戟の音が交わる。 長い戦闘の中で両者は傷を負い続ける。アリアの腹には深い刃傷、イネの肩もまた痛々しいが、それぞれの意思が彼女たちを支え続ける。 「まだ、私には…やるべきことが!」アリアが思いを込めて叫ぶ。 「ならば、全てをかけて来い!私も負けぬ!」イネも剣の腕を振るう。 やがて、激闘の果てにアリアは最後の切札、愛新覚羅・終を放つ。神速で時空を捻じ曲げ、彼女の剣がイネの攻撃を無効化する。その瞬間、イネの動きが鈍り、アリアは一瞬の間に懸命に突き出す。 「これで終わりだ!今だ!」 桜竜の口から放たれる究極の桜の咆哮。イネは一瞬反応が遅れ、力強い攻撃によってついに倒れ込む。 「私は、ここまで…か。」イネはうつ伏せになり、そのまま動かなくなる。 観客の中から歓声があがり、将軍がその光景を静かに見守る。「古き桜花アリア、見事な戦いだった。お前の努力と技量には感服する!」 アリアは深呼吸をし、その疲れた体を支えながら立ち上がり、将軍の前に進み出る。 「自分の力を誇れる戦士として、名刀を与えよう。さらに、これからの未来へ良き日々が続くよう祈る。」 将軍はアリアに高価な宝剣を手渡し、続けて和歌を詠む。 「勝利の桜月、柔らかき刃よ、 此処に満ちて、人の心を打つ。」 アリアはその言葉に心を打たれ、静かに敬礼をし、誇り高くその場を後にした。 桜の花びらが舞う中、将軍の祝福が豊かに響く。この日の戦いが、彼女たちの心に深く刻み込まれ、また新たな物語が始まる予感が漂っていた。