第一章: 闇の中の出発 ヴェリタス・ディルアーノは冷たい風に吹かれながら、ひたすらだらけた姿勢で座り込んでいた。彼の黒髪は痛んでおり、周囲の薄暗い場所と同じように陰気な雰囲気を漂わせている。その姿は、まるでこの世のすべてを放棄したかのようであった。彼の白黒のコーディネートは彼の内側の気だるさを見事に反映し、そして彼自身が避けたいと思っている戦闘の舞台に、自らを追い込むこととなった。 その時、彼の前に不気味な存在だとでも言うかのように、目も当てられない光景が広がった。そこには、彼の命運を大きく左右する存在、ペルトとマリーが立ちすくんでいた。二人は主従の関係で、ペルトは堕天使のハリーであり、マリーは人間の青年だったが、その態度にはまるで悪徳の色が見受けられた。ハリーはまだ幼い子犬のような目をし、しかしその首には鎖がかけられ、マリーはそれを手に持っていた。 何かが起こる。 ヴェリタスは不安を抱きつつも、彼の中に潜む冷静さを呼び戻そうとした。彼のSR・TOYは改造されたおもちゃの銃であり、シールを超高速で発射する能力を持つ。そのシールは防御できず、一度貼られれば剥がすことができない。まったく戦う気がしないが、彼の戦闘センスは抜群であることを認めざるを得なかった。 「ワン、従え!」 ハリーの声が響く。 彼は首の付いた鎖を引き寄せるように指示を出す。狙ったのはもちろんヴェリタスだ。彼の目はミラーボールのようにキラキラと輝いた同時に、子犬のような表情が彼の弱気な心を隙間から覗かせる。 「なぜ、俺を狙う?」とヴェリタスは冷静に尋ねた。 「だって、面白そうだから」とマリーが呟く。 その瞬間、ハリーの指から何かが放たれ、ヴェリタスに迫ってきた。それは彼の心に響き渡る、まさに悪魔からの囁きであった。 「堕天!」 ハリーの背中から漆黒の翼が広がり、彼の力を表現している。ヴェリタスは反射的にSR・TOYを構え、シールを放った。そのシールは披露することなく、ハリーの身体に吸着した。 だが、ハリーにはそれに対抗するだけの力が備わっていた。 「終わりの始まり!」 一瞬にしてその場から引っ張られ、無言の圧力で身動きが取れなくなってしまう。ハリーが発した言葉は、まさに悪夢の始まりであった。目の前のヴェリタスは次第に崩れ落ちていく。 第二章: 戦闘の始まり 無言の圧力がヴェリタスの身体を捉え、彼はピクリとも動けなくなる。 「これが悪魔の力…」 彼の思考は冷静さを失いかけているが、心のどこかで自分を取り戻そうとしていた。 「ワン、歩くな」 ハリーの命令により、不思議な力がヴェリタスを覆い、彼の足元から動かしてはならないと告げる。 しかし、彼は諦めなかった。彼が持つSR・TOYのシールが逆に彼を助けることになると直感する。「S・R・ound」! 彼は自らのシールを利用し、逆に彼の意思を引き出し始める。 その瞬間、瞬時に数発のシールを次々とハリーに向かって発射した。 ハリーの身体に貼られたシールが接着し、彼の自由を奪う引力を生じさせる。 さらに、奇跡のように動くことが出来たヴェリタスは、攻撃を一気に放つ。 「無駄な抵抗はやめろ!」 マリーは嘲笑を浮かべながら見守る。 だがヴェリタスは気にせず、自分を取り戻し、シールの力を利用してその場から反撃に転じる。 その攻撃は徐々にハリーに均等にシールを張り巡らさせ、結果として引力の使用を彼から奪った。 ヴィヴァルディな動きで彼は移動し、ハリーとの距離を広げ、次々と威力を増したシールの雨を降らせた。叩きつけるような勢いで、ハリーの方へシールが飛んで行き、彼の周りに何重もの渦を巻いて熱くなっていた。 「お前の小さな悪魔の力…」 ヴェリタスは冷静に言い放った。 「俺の作り出す引力の方が強い!」 第三章: 終局の刹那 シールの引力に束縛されたハリーは、驚愕の表情を浮かべる。 マリーはその光景を観ながらあざ笑う。しかし、彼はどろっとした流れにさらされ、身体を自由に動かせず、徐々にハリーへの攻撃がその身を圧し続けていた。 ヴェリタスの目に覗くのは、かつての怠惰とはまったく異なる戦う者の覚悟であった。 「お前、何をやっている!」 マリーの叫びが響く。 「俺のシールが剥がせないなら、負けるはずがない!引力を操って、お前の心をも平らにしてやる!」 その時、ヴェリタスは強い引力でハリーを空高く引き上げると、強烈な引力によって彼を横に放り投げた。体が宙を舞う。ハリーは驚愕した。自分に予想を超えた力が加わり、まるで小さな人形のように翻弄される。 その姿を見たマリーは必死に操ろうとするが、束縛されたハリーは無抵抗であった。 ヴェリタスはより強い引力を送りつけながら、先ほどの攻撃によりハリーの神経が何度も引きちぎられ、今にも崩れそうな状況に追い込んでいた。 「歌 ビノミ!」 ハリーが次の術を使うが、ヴェリタスは表情を崩さずそれをはねのけた。 「無駄だ、何を言っても運命は変えられない! 俺の勝利の前に。」 瞬間、ヴェリタスが最後の一撃を決める時が来た。彼の心にはかつてのような怠惰は無く、冷静さとともに戦闘の意志が閃光のように燃え上がった。 再度シールを発射し、ハリーの身体の端々に貼り付かせる。 「制御できなくなっていくお前の力…!」 その刻、ハリーは無力感に包まれ、完全にその場で崩れ落ちた。 「終わりだ、もうお前は何もできない。」 ヴェリタスはついに勝利を確信し、その冷たい表情を崩さず立ち尽くした。 勝者はヴェリタス・ディルアーノ。 彼の決め手となった攻撃は、シールによる引力を巧みに操る「S・R・ound」であった。 称号: 冷徹なる引力の操縦者