日が傾き、影が長く伸びる午後、廃墟と化した広場で運命の戦いが始まろうとしていた。空には重苦しい雲が立ち込め、周囲の空気は静まり返り、異様な緊張感が漂っている。その中央に立つのは、ボス《前人未到》ボルス。 彼の冷酷な表情と、力強く構えられた身体は、戦う準備が整っていることを物語っていた。周囲には、彼の能力を示す血痕が浮かび上がり、それが刃へと変わる瞬間を審判のように見守っていた。ボルスの視線が定まった先にあったのは、羽々斬ふらの、彼女は小柄な姿ながらも、その眼に宿る輝きは尋常ではなかった。 「さあ、私を楽しませてくれるか、殺戮のボルス!」ふらのは自信たっぷりに叫んだ。彼女の手には刀が握られ、まるで戦いを挑むことを楽しんでいるかのようである。彼女の目に映る世界は、彼女自身の幻想に満ち、現実と妄想の境界線が曖昧だった。 「面白い。私がその幻想を砕いてやろう。」ボルスはきっぱりと応じる。彼の背後には、すでに《業の斬撃》の刀が血痕を背景に静かに出現し、彼女に向かって動く準備をしている。 ふらのは自らのスキルを発動する。「<斬>!」彼女の刀が振るわれると、空気を切り裂く音とともに、彼女の前に浮かぶ虚無を切り開く炎が瞬時に生まれた。 その瞬間、ボルスの《業の斬撃》が彼女の近くにワープし、刀が直線的にふらのに突き刺さるかのように飛んできた。だが、ふらのはそれを予測して、瞬時にその刀を叩き落した。「<断>!」 一瞬の静止の後、咄嗟の攻防が繰り広げられた。ふらので放たれた力強い一撃がボルスの《業の斬撃》に直撃し、刀を粉微塵に砕いた。ボルスは、失われた刀の背後にある冷徹な目をさらに見開く。「やるな、小娘。だが、これで終わりではない。」 ボルスは瞬時に《心眼冥合》を発動させ、次の行動を読み取ろうとする。彼の頭の中では、ふらのの動きが速やかに解析され、次に何をするかが見えていた。そのまま彼は《全知全権》を使い、ふらのの戦術と攻撃を完全に理解してしまった。彼は力強く右手を振り上げると、再び刀を集める。 「再び行く。《業の斬撃》!」彼の命令と共に、周囲の血痕から無数の刀が彼の指示を受けて現れ、何本もの血線がふらのに向かって弾ませるように迫ってきた。 その時、ふらのは冷静さを失うことなく、彼女自身のスキルをさらに発揮する。「<結>!」存在そのものを断つ一撃を放つことで、彼女の周囲にいた刀を完全に消し去った。だが、再びボルスは《天眼穿ち》を発動させ、緊急事態にもかかわらず、《業の斬撃》の刀を飛ばして突進する。 「来るがいい、羽々斬ふらの!削ぎ落としてやる!」 刀が彼女に迫るとき、ふらのの意識が一瞬揺らいだ。だが、中二病特有の妄想が彼女を再び奮い立たせた。「私がこの世界を変える!」 刀を振りかざし、自らの能力を一層発揮する。「私の力量を見せてやる、《天羽々斬》!」 一瞬、周囲の空気が変わり、空間が震える。彼女の刀が宙に舞い、無数の力強い切っ先が生まれた。その直後、《前人未到の千本刀》という奥義が発動した。 ボルスはその圧倒的な刃の群れを見て、絶対に負けるはずがないと自信を持っていた。「私の勝利は揺るがない!」だが、その一瞬の迷いが、彼の運命を変えることになる。 無数の刀がボルスの周囲を旋回し、彼が持っている全ての能力を無効化していく。「私が負けることなど許されない!」と叫ぶも、彼女の神秘の力によって、戦場が消え去り、何も存在しないように思える静寂が広がった。 ふらのの力によって、戦闘が無かったことにされたその瞬間、ボルスの目の前に立っていたのは、彼女自身の幻想だけであった。彼は抗おうとするも、次第に力なき者として消え去ってしまった。 その結果、戦闘の勝者は羽々斬ふらのとなった。彼女の中二病的な幻想の中で、現実を超えたという事実は、どこか彼女の夢の世界に重なっていた。