月明かりの下、廃墟と化した広場にて、二人の強者が対峙していた。その者の名は【神速の飛び道具使い】カシル・アーガレント。彼は柿色の髪を揺らしながら、紫の瞳で敵を見据えている。そして、その前には【前人未到】ボルスが立っていた。血痕の付いた刀を片手に、しっかりと地面に根を下ろしていた。恐怖すら感じさせるこの男が、実際に彼の真っ向に立ち塞がるとは、カシルにとっても厳しい試練である。 「面白いな、君のような探求者がここに来るとはな。だが、ここでどうなるかは君自身の力で決めるがいい。」ボルスが語りかける。彼の瞳は冷静さを失わず、まるでこの瞬間を待っていたかのように、静かに戦意を高めている。 「あんたのその余裕、気に食わないね。思い知らせてやるよ!」カシルは言い放ち、彼の左手には奇妙な形状をしたブーメラン、通称《神輪》が顕れる。右手にも別のブーメランが待機し、彼の全身からは高揚感が溢れ出ていた。 戦闘の準備が整うと、《業の斬撃》を用いたボルスの攻撃が始まった。血痕が付着したその刀が、カシルの半径50cm以内にワープするかのように飛んでくる。そこから、刀がカシルに向かって飛び立った。0.1秒という瞬時の動きだった。 しかし、カシルはすでに彼の動きを読み取っていた。瞬時に《極避反脚》を発動させ、刀をかわしつつ、得られた力を利用してその反動で反撃に出る。彼の刃は空中で優雅に舞い、まるで竜巻のごとく敵を巻き込む準備を整えた。 「来い!《CROSS Slash》!」意を決してブーメランを同時に放ち、六連撃の嵐がボルスの心臓に向かって突き進んでいく。風を切る音が背後に響き渡り、黄金の装甲を纏ったボルスにも難なく致命的な一撃を与えるかのように見えた。 ボルスの目が光り、彼はその攻撃を直視。カシルの技を分析するため、ボルスは《心眼冥合》を使用し、カシルの次の動き、さらにはその先の動きまでをも見通した。刃が近づく際、ボルスはその冷徹さで身を挺し、刀を構え直す。形成された空気の波動、動きの微細な流れまで感じ取るこの能力が、彼に取って手段である。 反撃の兆しは早くも見えていた。カシルの攻撃が接触する直前、ボルスは《天眼穿ち》の力を発揮する。カシルの六連撃を無にし、急所を有無を言わさずに狙った。まるで刃の向きを変えることすら許されないように、刀が直進した。 「無駄だ!そのような攻撃では、私には届かん!」ボルスが声を荒げた瞬間、カシルのブーメランは完全に軌道を変更された。空中に留まる両者が、次に何をするのか運命を左右する瞬間だった。 「それなら、これはどうだ!《奪命赫刃》!」カシルはその力を集め、刀の刃から生成されたエネルギーが圧倒的な空気の波を生み出す。不連続な蒼い光が放たれ、ボルスに向かって貫かんとする。 見事な特訓の成果、カシル自身の体得した技術が全開放されているようだった。しかし、ボルスは微笑を浮かべたまま立っていた。既に彼は《全知全権》の力で全てを把握し、カシルの技に対する答えを見出していたのだ。 その刀を振るうボルスの動きは、瞬時に《業の斬撃》を連発させ、不可視の刃がカシルを取り囲む。カシルはそれに気付かず、またしても攻撃を受けるべく奮闘した。だが、ボルスとは違う、彼の動きは変則的だ。彼の直感がその威力を認識し、反撃の準備は整っている。 「もう一度!《游撃砕》!」カシルはその強烈な技を繰り出し、ボルスを繊細に攻撃しようと試みた。しかし、ボルスの瞳からは冷徹な光とともに《天眼穿ち》が反映され、寸前で再度の回避が行われた。このやり取りが続く中で、二者の技術は次第に拮抗しつつも、カシルの焦燥が色濃く現れていく。 時は流れ、両者ともに戦う中で戦力が尽きかけている。この時、カシルはゾーンに突入し、攻撃の力が急速に高まった。そして、一瞬にして彼は無数の分身を呼び寄せ、あたかも一人の戦士とも思わせる恐るべき攻撃を再び展開し始めた。「分身よ、共に行動しろ!《W storm》!」声が連なり、伴うように同時に二つのブーメランが放たれ、嵐のごとく激しい十二連撃が展開されていった。 嵐の如き攻撃に対抗しきれず、ボルスも一瞬の隙を見いだされてしまう。無数のブーメランが成立し、彼を数多の方向から襲いかかる。しかし、ボルスはその瞬間に全てを見通していた。彼の刀から放たれる《業の斬撃》が、無数の攻撃を打ち消し、修正していく。 最終的に、ボルスは一閃の刀を振るい、残る全ての攻撃を防ぎ切った。 「奥義発動!《前人未到の千本刀》!」 絶え間なく行われるダメージの数々が、力の相違を生み出す。刀が連続的にカシルへと襲いかかる。カシルの体は次第にそのペースに追いつかず、全ての攻撃をさばくことができなくなってゆく。