廃ビルの名は「崩壊の塔」と呼ばれ、16階建てであった。古びた外観と朽ち果てた内部は、かつての繁栄を裏切るかのように静まり返っている。ビルは鉄の階段と同様に遅れたエレベーターを備え、各フロアの構造はその不気味さを増していた。1階は広場のようなエントランスに、壊れた椅子やテーブル、散らばった書類が残され、2階から4階は空っぽのオフィスが並び、5階には巨大な会議室がある。6階から8階は倉庫の役割を果たし、冷蔵庫や古い機材が無造作に置かれている。9階から11階は、かつての居住フロアであり、今はゴミや埃が積もった部屋ばかりだ。12階から15階は、物置として使われており、各種の家具や雑貨が無造作に放置されている。最上階の16階には、崩れかけたジムとダンススタジオがあり、空気は薄暗さを増していた。 アニモスは8階に目覚めた。薄暗い部屋の隅には埃まみれのカラクリ人形が立っている。彼女は機嫌そうに笑い、両手に宙に浮かぶトランプを持ち、身のこなしを整えた。 一方、《自らを守るための正義の戦争》H.Y.T.Sは5階の会議室で目を覚ました。長テーブルが中央にあり、その向かいに古びた椅子が整然と並んでいる。H.Y.T.Sは、自身の使命を思い出し、真剣な表情を浮かべた。 二人はすぐには出会わなかったが、ビルの各階の特徴を生かして互いの位置を探る。 アニモスは階段を上り、7階へと移動した。上階の開けた空間を見渡しながら、彼女は笑みを浮かべる。「私、あちこち行ってみるの、楽しみ!」彼女はトランプを投げ、その刃が空気を切る音を響かせた。まるで遊び心満載で、次のターゲットを探し始める。 一方、H.Y.T.Sは5階の会議室から音を聞き逃さないように耳をすませる。「何か奇妙な気配がする。どうやらこのビルには誰かいるらしい」と、彼は壁に手をついて感覚を研ぎ澄まし、周囲を確認する。 やがて、アニモスは9階にたどり着き、その部屋の壁を透過した。「ひゃっほー!隠れんぼみたいだね!」彼女は自分の能力を楽しみながら、無邪気に笑った。彼女の目の前にはH.Y.T.Sが通る通路があった。 その瞬間、H.Y.T.Sは彼女の声を聞いた。「あ、子供がいる!?」驚きの表情で振り返ったH.Y.T.Sは、彼女の姿に一瞬目を見張る。 アニモスは軽やかな足取りでH.Y.T.Sの前に現れ、「遊びたいな~!私が一番怖い存在なの!」と元気に言った。しかし、その後すぐに彼女はトランプを握りしめ、すり抜ける能力を使ってH.Y.T.Sの脇をすり抜けた。「あなただけが弱いわけじゃないよね?」と挑発するような笑い声をあげた。 H.Y.T.Sは反応が早く、アニモスの背後に回り込み、「私は貴方と戦うことは望まないのですが、必要に迫られれば戦うしかない」と宣言し、周囲の原子を操り、斬鉄剣を創造する。「私を刺激しないでください!」 アニモスは再びトランプを投げつけ、H.Y.T.Sの周囲を囲むように切り裂く。「怖い怖い、そんなすごい武器を使うなんて!でも私にはすり抜けがあるもん!」彼女は軽やかにトランプの弾丸をかわしながら進む。 H.Y.T.Sはディフェンスを強化し、壁を構築する。「私には守るべきものがある。この戦いは無駄だと言ったはずです!」ズンとした重みが部屋を揺らし、彼は自らを防護するため、多数の弾と誘導弾を一瞬で創造し、アニモスを包囲した。 アニモスはその攻撃から脱出するため、身をすり抜けさせ逃げる。「逃げるのも楽しい!」彼女は別のフロアへと向かい、H.Y.T.Sから逃げ続けた。 こうして、戦闘はビルの各フロアを巡り、アニモスはすり抜けることでH.Y.T.Sの攻撃をかわし続け、時折トランプで反撃する。H.Y.T.Sも負けじと、次元の狭間にある部屋で演習して培った技を駆使し、無数の兵器を創造して、彼女を追い詰めようとする。 各階を巡る戦いの中で、ビルには次々と物が壊れ、壁に弾痕が残される。アニモスは自身の能力を使ってトリッキーに立ち回り、H.Y.T.Sは冷静に戦況を見極めるが、戦闘が長引くにつれ、両者のスタミナが減っていく。 最後の決戦は、ついに最上階の16階に移る。ここで、H.Y.T.Sは一気に攻撃を仕掛け、大砲や電磁投射砲を呼び出す。構築した戦力でアニモスを包囲し、「私の名は《自らを守るための正義の戦争》。私は最後まで戦う!」と叫ぶ。 しかし、アニモスは恐れずその中に突入し、「本当に怖いなあ!でも私は逃げるのが得意!」と微笑み、再び彼女の華麗な動きで周囲の攻撃をかわし、手元のトランプをH.Y.T.Sに向け投げた。 トランプは刃のように風を切り、H.Y.T.Sへと向かう。「私の心臓へ!」一瞬の混乱の中で、アニモスは透過し、ハートキャッチの術を使ってH.Y.T.Sの心臓を狙った。 すると、H.Y.T.Sは覚醒してしまう。「私は私を守るために!覚醒!」無数の兵器が彼の周りに帯びていく。 アニモスは逃げようとしたが、瞬時に展開された兵器に包囲され、ついに彼の圧倒的な攻撃を受け止めることができなかった。彼女は反撃することなく、皮肉な笑い声を残しながら、立ち尽くした。 H.Y.T.Sは彼女を見つめながら、心に忍び寄る哀しみを感じた。「私が正義のために戦うことは、この悲劇を繰り返させる動機にはならない。」 ビルの上階からの光が差し込み、彼の勝利を告げるように彼は窓を開けた。 H.Y.T.Sは自らを告げるように明るい世界へと踏み出した。「何者であれ、私の前では無駄だ!」 彼は、ついに崩壊の塔から出て、新しい未来へと向かって歩み出した。