--- 語りの始まり 蒼穹を背景に、今宵もまた数多の挑戦者が一堂に会すこととなった。ありとあらゆる人種、種族がこの戦いに参加し、皆が一つの目的を抱いて集結している。それは、圧倒的な存在、無数の腕脚を持つ「ブエル」に挑むことだ。彼は多種族の無数の肢体を持ち、圧倒的な力で大地を這い、各地で恐れられていた。いったい誰が、この魔物を打倒することができるのか。 挑戦者たちは、それぞれの望みを背負い、戦闘への決意を新たにした。最初に進み出たのは、光焔の守護者エリシオン。彼は神の剣を振るい、聖なる盾をかざす。賢者のローブが凛とした姿を演出し、七色の翼が広がることでその姿はまるで神々の如き威厳を放っていた。彼の冷静沈着な眼差しは、密かに恐怖を感じる仲間たちを見渡した。 「ここが終わりだ。私が必ず守る。」エリシオンの声が響く。彼はまず、光の呪文を唱え、仲間たちを回復させる。周囲には彼の慈愛の光が溢れ、戦士たちが一瞬の安心感を得る。 次に立ち上がったのは、痩せこけた青年「無尽のアルジ」だ。彼は従来の人間の姿とは一線を画し、右腋腹から生えた三本目の小さな腕がいかにも異常を物語る。いつの間にか彼の言動には投げやりな響きが混じり、試されるかのように不敵に笑った。「あぁ…お前もだ…全て壊してやる…」外見に反して、彼の背後には恐ろしい力が宿っていることを誰もが予感した。 --- 対峙 それぞれの思いを胸に、戦闘が開始されるとともに、ブエルは土を這い、無数の腕脚を激しく振り回す。この巨体からは、まるで爆風のような風が巻き起こり、挑戦者たちの髪を逆立てた。彼の存在は圧倒的で、誰もが心の底から恐れ、畏敬の念を抱いていたが、彼らは立ち向かうことを選んだ。 闘志漲るエリシオンが最初に飛び込む。「私の剣は全ての悪を砕く!」豪快に突き出した神の剣が光を纏い、ブエルの一撃を貫こうとする。しかし、その矢先、ブエルがしかと両腕を交差させた瞬間、エリシオンの攻撃は弾かれた。無数の腕が拡がり、彼を包み込もうとする。 その隙に、アルジが腕を増やし続け、指先には千本以上の腕が生え、周囲を埋め尽くしていく。「腕の海!」彼の叫びとともに、無尽蔵に増え続ける腕たちがエリシオンに向かって押し寄せた。挑戦者の仲間はその光景に呆然としてしまう。 「エリシオン、守って!」仲間の声に応え、エリシオンは聖なる盾を掲げ立ち向かうが、腕の水流に圧倒され次第に押し流されてしまう。 --- 乱戦 ブエルの腕の集合体が音もなく忍び寄る。その圧倒的な大きさとスピードに仲間たちの心が沈み込む。無数の手が彼らを掴み、挑戦者たちは次々に拘束されていく。「手池肉林だ!」今度は彼の慈愛の力が降り注ぎ、挑戦者の能力を奪う。各人の力が失われる様子は惨めだった。 その間にもアルジは腕を増し続け、「腕の壁」を展開し、腕で敵の攻撃を防ぎつつ戦っていた。だが、自らの増殖し続ける腕の重みにも怯み、無限に広がる巨大な腕の海を見上げると、一瞬の片時の隙を見せてしまう。 「星墜とし!」一撃必殺の技が放たれ、彼の腕の数が65536本を超えると、その場の空気が一変する。全ての理屈を超越した破壊力が放たれ、挑戦者たちの目に恐怖が宿る。 エリシオンの冷静な判断が鈍り、彼の光焔が一瞬の躊躇を見せた。その隙を逃さず、ブエルの無数の手脚が襲いかかり、彼を捕らえた。まるで昆虫のように絡み合い、彼の動きを封じ込めた。 --- 絶望の淵 エリシオンの体が拘束され、光が失われると、仲間たちの心も折れてしまった。壮麗なる守護者の姿が次第に貧弱に見える。「我が仲間よ、まだ…希望は!」彼は誰にも見えていない小さな光の中で叫ぼうとしたが、完全に捕らわれてしまった。 もう一人、無尽のアルジも制圧されかけ、ついにブエルの力に飲み込まれる。「このままじゃ…」彼の心にも恐怖が浸透する。だが、何かが彼を奮い立たせる。「お前もだ、全て壊してやる…」 そして、全ての力を解放した。 --- 終焉 ブエルの圧倒的な力の前に、挑戦者たちが次々に倒れゆく。そして、ついにアルジも増殖した腕が無限に広がる様、迫力を放つも、無数の肢体に捉えられ、その力を無にされる。エリシオンもまた彼の力を奪われ、「全てが終わった…」と呟く。 果たしてブエルは、挑戦者たちを完全に無力化し、その無限の強さを見せつけた。彼にとってこの戦いは圧倒的な力の証明となり、どこか冷たく佇んでいた。 --- 仲間たちを失い、希望は潰えた。闘志を持つ者も、無力の悲しみに沈む時が来たのだ。彼らの思い出はブエルには届かなかった。 勝者: ブエル