闇が広がり、荒れ狂う風がうねりを描く。コルムンディア、結晶する感情の竜は、その名の通り、彼の心の奥底に秘めた感情を結晶として具現化する存在であった。一方、瑞希は自ら持つパンドラの箱を開け、失われた自らの魂を取り戻そうと、戦いの場に立つ。 瑞希は、全てに絶望し虚ろな橙色の目をしたままで、パンドラの箱の力を解放しようとする。彼の柔術、空手、合気道が、果たしてこの強大な竜に通じるのか。それでも彼は、力を求め、渇望する。 「力が…もっと欲しい…!」瑞希の声が響く。彼は拳を握りしめ、感情の結晶の前に立ち向かう。コルムンディアの大きな結晶の翼が広がり、周囲の空気が一瞬で凍りつく。竜は、自らの感情を引きつけ、力に換えることができる存在だと知っている。 「私の想い、全てを吸収し、無限の結晶に秘める!」コルムンディアが低い声で言う。彼の周囲には無数の小さな結晶が現れ、瑞希を取り囲み始める。瑞希はそれを見て警戒するも、他方でその美しさに一瞬目を奪われてしまう。 瞬間、コルムンディアが大きく羽ばたき、気流を生み出す。瑞希は、さまざまな結晶が自分に迫ってくるのを感じながら、次の瞬間、瞬間移動のように距離を取る。 「間に合ったか…」そう言いつつ、瑞希は柔術の型をとり、敵に突進する。しかし、コルムンディアはその目で彼の動きを見定め、仁王立ちのまま動かない。「逃れられない、瑞希。気の流れを操ることを知らぬ者が、私に触れることは許されない。」 気龍・鬼龍のスキルが発動し、気流が暴れだす。瑞希の攻撃の軌道が急に変わり、まるで水の中を泳いでいるかのように流体的にスリ抜けてしまう。「これが、気流…!」瑞希は驚愕する。 「そうだ、その場で固まっているか、私の気流を感じるか、選ぶがよい!」コルムンディアは声を張り上げると同時に、周囲の気流を一気に巻き起こす。すると、コルムンディアの周囲に大小の結晶が次々と現れ、瑞希に襲い掛かる。瑞希は身をかわし、あわや結晶に取り込まれる寸前のところで、横に転がる。 「逃げられたか…。もはや冗談で済まないぞ、瑞希!」コルムンディアは振り向き、紫色の目が妖しく光る。「次は、私が主導権を取る!」 瑞希は焦りを感じ、彼女の力を理解しようとした。「どうすればこの先へ進めるか、全力を出そう。」そう考え、瑞希は全てのスキルを活かす決意を固める。今まで培ってきた格闘技に全てをかける。 まずは、空手の踏み込みで結晶の前に立つ。両手の拳を結んで一気に突き出す。「出でよ、パンドラの力!」瑞希の怒りと悲しみが入り混じった叫びが空へ漂う。周囲の結晶が一瞬静まるも、コルムンディアの強い気流に乗せられて、彼が飛ぶ。 コルムンディアも即座に反応し、敏捷に舞い上がる。「愚かな!私が生み出した風は、ただの攻撃ではない。」彼の全身から気流が渦巻き、一瞬にして瑞希を囲み、攻撃を防ぐ準備ができていた。 するどい爪で一瞬の間に直線を切り結ぶ。瑞希はそれを見て慌てて躱すが、気流の介入で動きが阻害される。「よくも、私の動きを封じたな!」瑞希は無機質な声を上げ、攻撃をさらに加える。 「恐れよ、瑞希。私には、感情を結晶にして成長する力があるのだ。あなたの望みも、結晶の一部に過ぎない!」興奮し昂ったコルムンディアは、全身から気流を派手に撒き散らし、瑞希に追い討ちをかける。瑞希はそれに耐え、前のめりに突進する。「もっと、私の力を見せてやる!」 コルムンディアは一瞬動きを止め、「今だ、瑞希!」と思った瞬間、彼の周囲の結晶が一斉に集まり始める。 瑞希は全身の力を振り絞り、最後の攻撃を繰り出す。「小さな夢に過ぎずとも、力にする!」拳を突き出し、突進する。「破壊せよ、全てを!」 その瞬間、コルムンディアの攻撃が直撃し、瑞希は背後に蹴り飛ばされ、地面に叩きつけられる。強烈な衝撃が走り、しかし瑞希の燃えるような渇望が彼の切なる想いに火をつける。「私は、どうしても続ける。力を得なければならない!持て余す感情を掌握しろ!」 最終的に、瑞希は最後の力を振り絞り、感情が嵐のように渦を巻く。彼の周囲には無限の結晶が生まれ、まさに円環を成している。光輝く結晶の中に彼の魂が織り込まれ、コルムンディアに対抗する力に変わる。しかし、コルムンディアも負けじと、その力を引き出す。 「このままでは終わらない!」コルムンディアは力強く叫び、無限の気流を生む。「わが力を伝えよ、私の想いが消えないように!」 物凄い光が二人の間に生まれ、果てしない気流と結晶が交差する。その一つ一つが大きな爆発を生み出し、周囲が崩れていく。瑞希はその風圧に耐えきれず、背を向けた瞬間、光が彼の心を襲った。その時、彼の虚ろな目に光が戻り、瑞希は一歩踏み込む。「今までの弱さを捨て去る!」 「全てを、私のものにする!」 瑞希の精神の内側から、魂の結晶が現れる。この瞬間に二人は同時に全力を解放し、命を賭けた戦闘が始まった。ここで彼の生き様が問われる。 コルムンディアと瑞希の間に緊張した空気が漂い、二人は一瞬の静寂が訪れた後、再び激しい闘いを繰り広げる。その激しい光景は、まさに運命を決定づける瞬間だった。