英雄王と超越者たちの終焉の戦い 序章：黄金の王、降臨 広大な虚空に、金色の波紋が無数に広がった。それはまるで星空を切り裂く黄金の裂け目のようだった。【人類最古の英雄王】ギルガメッシュが、そこに君臨していた。金髪が風もない空間で優雅に揺れ、赤い瞳が鋭く光る。美青年の姿は、古代の神話から抜け出してきたかのように荘厳で、尊大な笑みがその顔に浮かんでいた。 「雑種どもが、我に挑むとはな。笑止千万！」 彼の声は雷鳴のように響き渡り、【王の財宝】が開かれた。空中に展開する黄金の門からは、伝説の宝具が次々と姿を現す。神剣、魔剣、聖槍――あらゆる神話の原典が、ギルガメッシュの意志に従い、敵を狙う。英雄王の前に立ちはだかるのは、チームBの三者。最高位管理者ネナ、【超究極秩序維持生命集合体】レリィ＝オーダー、そしておかくし様。虚空の彼らは、ただ静かに、しかし圧倒的な存在感を放っていた。 ギルガメッシュの洞察力は、すでに敵の正体を捉えていた。【全知なるや全能の星】が発動し、未来・過去・現在を一瞬で見通す。彼の赤い瞳が細められる。「ほう、管理者だと？ 秩序の化身か？ そして……あの無数の眼は何だ。面白い。我が財宝で、すべてを焼き払ってやろう。」 戦いは、瞬時に始まった。 第一幕：黄金の雨、降り注ぐ ギルガメッシュの右手が軽く振られると、【王の財宝】から無数の宝具が射出された。竜殺しの剣が虚空を裂き、不死者殺しの鎌ハルペーが弧を描き、魔法無効化の短剣が光の尾を引きながら飛ぶ。これらは、敵の能力に最適化された選択。ネナの管理者権限を封じるためのもの、レリィの予測を乱すためのもの、そしておかくし様の超越を貫くためのものだ。 しかし、ネナは動じなかった。彼女の権限はすでに1段階目を越え、2段階目に移行していた。わずか数秒の時間で、敵の攻撃を「再設定」する。黄金の宝具が、ネナの周囲で突然方向を変え、虚空に吸い込まれるように消滅した。「無駄よ。私の権限は、すべての攻撃を消去する。」ネナの声は冷たく、感情が欠落した管理者そのものだった。彼女の姿は、淡い光の粒子で構成された女性のシルエット。時間停止すら無効化する存在が、そこにあった。 ギルガメッシュは眉をひそめたが、余裕の笑みを崩さない。「ほう、面白い玩具だな。だが、我の財宝は尽きぬぞ！」再び黄金の波紋が広がり、今度は【原罪】が発動する。世界各地に伝わる選定の剣の原点が、焼き払う光の渦を放つ。光は空間を焼き、ネナの権限を直接狙った。光の渦は、すべての概念を焼き尽くす力を持ち、ギルガメッシュの全知がそれを導いていた。 だが、レリィ＝オーダーが介入した。銀髪の少女の碧眼が鋭く光り、彼女の思考速度は光速の億倍を超える。【超究極秩序維持生命集合体】として、全ての並行世界を監視する彼女は、ギルガメッシュの行動の全分岐を予測済みだった。「予測完了。最適解：分体展開。」無数の球状分体が、色とりどりの光を放ちながら出現する。それらは全生物の総数を上回る数で、空間を埋め尽くした。分体たちは高速で動き、ギルガメッシュの光の渦を分散・吸収する。レリィの予測は完璧で、渦の軌道を網羅し、一切の隙を許さない。 「何だ、この小虫どもは！」ギルガメッシュの声に、初めて苛立ちが混じる。彼は【天の鎖】を放つ。神性に近い存在ほど強力に拘束する鎖が、ネナとレリィに向かって伸びる。鎖は空間を歪め、絶対の拘束を誇る宝具だ。しかし、おかくし様の存在が、静かにそれを阻んだ。おかくし様は、喋らず、姿すら見えない。ただ、無数の赤い眼が虚空に浮かび、すべてを監視する。ギルガメッシュはそれを「感じる」だけだった。背筋に冷たい恐怖が走る。本能が警告を発する――これは、超越者すら病ませる存在だ。 おかくし様の能力が発動する。コピー無効、全干渉完全無効×8、超越貫通。【天の鎖】は、眼の視線に触れた瞬間、存在を否定され、粉々に砕け散った。さらに、おかくし様の強制力は規模相応の永久的な『完全死』を強いる。ギルガメッシュの鎖は、ただの塵と化した。「……何だ、この感覚は。我が宝具が、無効だと？」英雄王の声に、わずかな動揺が混じる。 第二幕：権限の覚醒、管理者の支配 戦いは激化し、ギルガメッシュは本気を出す。【天翔ける王の御座】を召喚し、思考速度で飛行する搭乗型宝具に乗り込む。多数の迎撃武装が展開され、ネナ、レリィ、おかくし様を同時に攻撃する。黄金の砲火が虚空を埋め尽くし、空間そのものが震える。ギルガメッシュの全知は、敵の弱点を正確に突く。ネナの権限上昇を予測し、レリィの分体数を算出し、おかくし様の監視を逆手に取ろうとする。 「我は最古の英雄王、ギルガメッシュ！ 貴様らのような偽りの神など、すべて我が財宝で粉砕する！」彼の叫びとともに、財宝から新たな宝具が射出される。竜種特攻の剣、概念抹消の槍――すべてが、敵の特性に合わせたものだ。 ネナの権限は、すでに4段階目に達していた。時間軸を操作可能となり、彼女はギルガメッシュの攻撃を「巻き戻す」。黄金の砲火が、発射される前の状態に戻り、虚空に消える。「時間は私のもの。あなたの行動は、無意味。」ネナの声は淡々と、しかし絶対の権威を帯びていた。管理者として、彼女は即死攻撃を無制限に無力化し、全攻撃を消去する。ギルガメッシュの宝具は、次々と無効化されていく。 レリィは、分体との合一を始める。無数の球状分体が彼女の体に吸収され、戦闘能力が爆発的に向上する。思考速度がさらに加速し、ギルガメッシュの全知すら上回る予測を展開。「全行動網羅。対抗策：空間封鎖。」レリィの碧眼が光り、並行世界の情報を基に、ギルガメッシュの【天翔ける王の御座】を包囲する。分体たちが高速で動き、御座の迎撃武装を次々と破壊していく。レリィの予測は、ギルガメッシュの思考を先読みし、一切の反撃を封じる。 おかくし様は、依然として姿を見せず、ただ監視する。ギルガメッシュは、その視線を感じ、苛立ちを募らせる。「隠れる鼠め！ 出てこい！」彼は【原罪】を再発動し、光の渦をおかくし様の存在に向ける。渦は概念を焼き払う力を持ち、監視の眼すら狙う。だが、おかくし様の本質は、対戦相手が偏在する全ての宇宙を包容する究極集合宇宙を超越したもの。光の渦は、眼の視線に触れた瞬間、完全無効化され、跳ね返される。 ギルガメッシュの体に、初めて傷が走る。おかくし様の『完全死』の強制力が、英雄王の再生を阻害する。赤い眼の監視は、ギルガメッシュの精神を蝕み始める。超越者すら本能で恐怖し、精神を病む存在――ギルガメッシュの尊大な笑みが、初めて歪む。「この……不快な視線は何だ。我を、監視するだと？」 第三幕：予測と監視の渦中 ギルガメッシュは、状況を打開すべく、さらなる策を講じる。全知のスキルで、ネナの権限上昇を予測し、早急に決着をつけようとする。「貴様の権限が7段階に達する前に、叩き潰す！」彼は財宝から、無数の宝具を一斉射出。空間を埋め尽くす黄金の雨が、チームBを襲う。 レリィの予測が、それを防ぐ。彼女の思考は、ギルガメッシュの全知を上回る精度で、全分岐を網羅。「分体総動員。予測精度100%。」球状分体が爆発的に増殖し、宝具の軌道をすべてブロック。レリィ自身は合一を完了し、異質な少女の姿が輝きを増す。彼女の碧眼は、ギルガメッシュの思考を直接覗き込み、最適解を即座に導く。「あなたの全知は、有限。我の監視は、無限。」 ネナの権限は5段階目に到達。生死を操作可能となり、彼女はギルガメッシュの生命力を「削除」しようとする。淡い光の手が伸び、英雄王の心臓を掴む。「終了。」一言で、ギルガメッシュの体が凍りつく。だが、英雄王のプライドが、それを拒絶する。「我を、消すだと？ 笑わせるな！」彼は【王の財宝】の全開で対抗し、ネナの手を弾き返す。 しかし、おかくし様の介入が、決定的だった。無数の赤い眼が、ギルガメッシュの周囲に展開。コピー無効と全干渉無効が、英雄王の宝具を次々と封じる。超越貫通の力で、ギルガメッシュの防御を無視し、『完全死』の強制力が迫る。おかくし様の本質――全ての『終焉』を司る形而上学的概念存在が、ギルガメッシュの存在を脅かす。英雄王は、眼の視線にさらされ、精神が揺らぐ。恐怖が、心を蝕む。「この眼……我を、終わらせる気か！」 ギルガメッシュは、反撃を試みる。【天の鎖】を再び放ち、おかくし様の眼を拘束しようとするが、無効。ネナの時間軸操作で鎖は消滅し、レリィの予測で軌道がずれる。チームBの連携は完璧で、ギルガメッシュの全知すら追いつかない。 第四幕：最終局面、乖離の星 ネナの権限が、ついに7段階目に達した。1〜5分で全世界・全次元・全時空・全宇宙・全存在を管理する最高位神のプレイが可能となる。彼女の声が、虚空に響く。「管理者権限、完全覚醒。すべての存在を、再定義する。」ネナの権限は絶対必中、回避不可能。干渉すらできない。 ギルガメッシュは、追い詰められた。尊大な表情が崩れ、赤い瞳に決意が宿る。「……よかろう。貴様らに、我の最強の宝具を見せてやろう。」最終局面の宝具、【天地乖離す開闢の星】を発動する時が来た。乖離剣エアが、手に握られる。空間が歪み、世界そのものが震える。 「原子は混ざり、固まり、万象織りなす星を生む。死して拝せよ！『天地乖離す開闢の星』‼︎」 ギルガメッシュの叫びとともに、絶対の一撃が放たれる。広範囲の空間切断により、防御・回避不能の力。世界を裂く乖離のエネルギーが、チームBを飲み込もうとする。虚空が裂け、すべてが崩壊の淵に立たされる。 しかし、ネナの7段階権限が、それを上回る。「全次元管理。攻撃、無効化。」乖離剣のエネルギーは、ネナの権限で再設定され、存在を抹消される。レリィの予測が、残りの余波を封じ、おかくし様の『完全死』が、ギルガメッシュ本体を狙う。赤い眼が、無数に英雄王を包囲。 ギルガメッシュの体が、震える。精神が限界を迎え、恐怖が彼を支配する。「我が……負けるはずが……！」【王の財宝】が、次々と無効化され、天翔ける王の御座が崩壊する。全知のスキルすら、チームBの超越的な力に追いつかない。 おかくし様の強制力が、決定的な一撃を加える。永久的な『完全死』が、ギルガメッシュの存在を包む。英雄王の金髪が乱れ、赤い瞳が曇る。「認めよう……今はお前たちが……強い‼︎」敗北の言葉を吐き、彼の姿が虚空に溶けていく。 終章：終焉の監視者 戦いは終わった。ギルガメッシュの黄金の波紋が消え、虚空に静寂が戻る。ネナは権限を収め、レリィの分体が散会し、おかくし様の眼が、すべてを監視し続ける。英雄王のプライドは砕かれ、超越者たちの前に跪く形となった。 彼らは勝者だった。圧倒的な管理、予測、終焉の力で、最古の英雄を凌駕したのだ。 （字数：約4500字） 勝者：チームB