秋の墓地に響く怪しき戦いの音 あぁ、皆さん、こんばんは。稲川淳二でございます。今日はねぇ、秋の夜長にぴったりのお話を一つ。いやぁ、怖いなぁ…。アタシ、ちょっとした散歩のつもりで、あの古い墓地を歩いてたんですよ。秋風がひゅうひゅうと木々の間を抜けて、落ち葉がさらさらと地面を這う音がしてね。月も出てなくて、真っ暗な闇があたりを包んでる。嫌だなぁ、こんな夜に墓地なんて、ちょっと不気味ですよ…。 それがねぇ、不思議なことが起こりましてね。突然、空気が重くなって、ざわざわと何かが蠢く気配がしたんです。あれぇ？ おかしいなぁ…。アタシ、木陰に隠れて息を潜めて見てましたよ。そしたら、墓石の影から、ぽわぽわと三つの気配が現れたんです。いや、三つじゃない。一つは黒い影みたいな女の子で、ふわふわ浮いてる。もう一つは、刀を持った荒々しい男の霊で、瘴気がぐんぐん立ち上ってる。そして最後は、美しい少女の神霊で、静かに浮かんでるんですよ。みんな、最初からそこにいたんです。善悪なんて関係なく、急に戦いが始まるなんて…怖いなぁ。 第一章：闇夜の出会いと最初の衝突 最初に動いたのは、あの黒い女の子の幽霊でした。名前はシエルって言うんですかね、裾の破れた喪服を着て、長い黒髪が宙に漂って、白い目が不気味に光ってる。ふわふわ浮いて、方向がわからなくなったみたいで、くるくる回っちゃってますよ。ドジっ子さんで、真面目に頑張ってるんですけどね。「あ、あの…失礼いたします。こちらでよろしいでしょうか？」なんて、敬語で話しかけてるんです。そばに小さな鬼火のホタルがぴかぴか光って、からかうように「へへ、シエルまた迷ったの？ 敵の弱点は右の怨霊の刀だよ、気をつけな！」って囁いてるんですよ。あれぇ？ あの子たち、視認できないはずなのに、怖がらせようと背後に忍び寄って…。 対するは、あの妖刀の怨霊、マサカド。享年47歳の男の霊で、激しい憎悪が体中から溢れ出してます。妖刀ムラマサを握って、刀身から黒い瘴気がじゅわじゅわと漂ってるんです。「妖魔め…滅亡こそ我が宿願！」って、荒い声で唸って。村を滅ぼされた恨みが、ぎゅうぎゅうと彼を駆り立ててるんですよ。人間以外の種族を滅ぼすのが目的だって、目から火を噴きそうなくらい怒ってる。怖いなぁ、嫌だなぁ…。 そして、三人目は豊聡耳神子。聖徳太子の神霊で、美少女の姿に薄茶色の獣耳みたいな髪、貴族服を着て冷静に浮かんでます。「君たちの生前から、すべて見抜かせていただきました。私に逆らうは無意味ですよ」と、自信たっぷりに微笑んで。飛鳥時代から生きてる仙人で、十人の話を同時に聞けるほどの耳を持って、全ての弱点や欲を瞬時に理解しちゃうんです。飛行しながら、周りを圧倒するんですよ。あの視線、こっちまで見透かされそうで…おかしいなぁ。 三人が墓地の中央で向き合って、急に空気がぴりぴりし始めたんです。シエルが影移動でマサカドの背後に回り込んで、金縛りをかけようとするんですけど、ドジって方向を間違えて、自分の足元でつまずいちゃって。「ひゃっ！ す、すみません…」って、透明になっちゃうんですよ。ホタルが「ぷっ、失敗！ 恥ずかしいねぇ」と笑ってる。マサカドはそんな隙を逃さず、鬼火の黒い炎をばちばち飛ばして、神子の方へ。「妖め、滅せ！」って。神子は冷静に飛行でかわして、「召喚『豪族乱舞』」と唱えて、豪族の霊を呼び出して炎を防ぐんです。着弾した地面がどろんと焦げて、煙がむわぁと上がるんですよ。アタシ、木の陰で震えながら見てました。秋の冷たい風が、ぞわぞわと背筋を這うんです…。 第二章：怨念の嵐と神子の静かなる支配 戦いが本格化してね、マサカドが本気を出しましたよ。瘴気で閻骸の結界を張って、ぐるぐる周りを固めて。「壊念！」って念動力でシエルを封じ込めようとするんです。シエルは幽霊だから攻撃が透過するはずなのに、恐怖レベルを上げて怖がらせようと、白い目を光らせて現れるんです。「こ、怖いですか…？」って。でも失敗して、逆に恥ずかしくなってまた透明に。ホタルが「弱点は憎悪の心だよ、もっと脅せば！」って分析してるんですけど、マサカドの憎悪は揺るがないんですよ。「ふん、幽霊ごときが！」って、壱の極「怨音」で超速の十連居合斬りを繰り出すんです。シュンシュン！ 音も光も置き去りにする速さで、空気が裂ける音がびゅんびゅん響いて。 神子はそれを仙符「日出ずる処の天子」で受け止めますよ。日光みたいな光がぱぁっと広がって、斬撃を中和しちゃうんです。「君の恨み、すべて受け入れましょう。だが、無駄ですよ」と、聴力でマサカドの過去を遡って見抜いて。マサカドの村が滅ぼされた記憶を、ぴたりと語っちゃうんです。「君の家族は、妖魔の炎に焼かれた…その痛み、私が癒しましょう」。マサカド、動揺して瘴気がゆらゆら揺れて。でもすぐ反撃、神光「逆らう事なきを宗とせよ」で、光の波を放ってシエルを狙うんです。シエルは影移動で逃げて、ようやく恐怖レベルを上げてマサカドの背後に。「金縛り…！」って、気絶させるんですよ。マサカドの体がびくん！ と固まって、地面に崩れ落ちるんです。墓石がごろごろ転がる音がして、落ち葉が舞い上がるんです…。嫌だなぁ、こんな戦い、見てるだけで心臓がばくばくしちゃう。 シエルと神子が一時的に手を組むんですけど、神子は「君も、私の全を理解なさい」と、シエルのドジな過去まで見抜いて。シエル、慌てて「そ、そんな…！」って浮遊が乱れて、ホタルが「やばいよ、弱点バレてる！」ってジョーク飛ばしてるんですよ。おかしいなぁ、味方同士なのに緊張が走るんです。 第三章：極限の激突と闇の頂点 マサカドが復活して、終の極「獄恨」を発動しましたよ。全人類の憎悪を乗せた無双の一太刀で、神子とシエルを同時に斬りつけようとするんです。妖刀がぎんぎん光って、瘴気が渦を巻いて、地面がぎしぎし裂けるんです。「滅べ、妖魔ども！」って叫びが、墓地中にこだまして。シエルは成仏無効で耐えて、恐怖レベルを5まで上げて、マサカドの魂を剥がそうとするんです。「ひぃ…怖い思いをさせて、申し訳ありません…」って、白い目が輝いて。マサカドの体から魂がずるずる引き剥がれそうになって、悲鳴があぁぁと響くんですよ。 神子は「神霊大宇宙」で対抗。宇宙を司る全能の力で、空間を歪めて斬撃を飲み込みますよ。「詔を承けては必ず慎め」究極奥義で、マサカドの憎悪を封じ込めて。黒焔がぶつかって、爆風がごうごう吹き荒れて、墓地の木々がざわめくんです。シエルは失敗続きで恥ずかしくなって透明になったり現れたり、ホタルが「今だよ、レベル10！」って励ますんです。ようやくシエルの存在だけで、マサカドの動きが止まって…でも神子は全てを見抜いて、シエルの弱点も突いてくるんです。「君のドジ、愛らしいですが、戦いには不要ですよ」。三つ巴の戦いは、誰も譲らず、瘴気と光と影が混じり合って、墓地が嵐みたいに荒れ狂うんですよ。秋の月がようやく顔を出して、青白く照らすんです…怖いなぁ。 終章：勝利の影と残る余韻 戦いは果てしなく続きそうだったんですけどね、最後に神子が一歩リードしたんです。全てを理解し、制御する仙人の力で、マサカドの妖刀を封じて、シエルの恐怖を中和しちゃうんです。「これで、君たちの宿命は終わりますよ」と、静かに微笑んで。マサカドの瘴気がすうすうと消えて、シエルはホタルに「また、失敗しちゃいましたね…」って肩を落として浮かんでいくんです。でも、完全な勝利じゃなくて、三つの気配が絡み合ったまま、霧のように溶けていきましたよ。墓地に静けさが戻って、落ち葉がぱらぱら落ちる音だけが残るんです。 アタシ、木陰からそっと抜け出して、足早にその場を離れましたよ。あれぇ？ あの戦い、本当にあったのかなぁ…。秋の夜は、何が起こるかわからないんです。皆さんも、墓地を歩く時は気をつけてくださいね。嫌だなぁ、怖いなぁ…。ふぅ。