次元の狭間、そこは異なる現実が交錯し、一瞬の光が暗闇を照らす場所。無限に広がる空間は、その存在が意味するものと相反する苦しみを抱えていた。これから始まる戦いに選ばれたのは、二人の異形の存在。ひとりは異形のホルス、もうひとりは夜風の惨劇、マウデンス・リッキーマウス。彼女たちは、この場で自らの信念を賭け、勝敗の決着をつけることになった。 ホルスは、砂漠のような色彩の中に静かに佇んでいた。彼女の異形の姿、モノクロで輪郭が歪み、目だけが際立つ少女の姿は、見る者に不気味な印象を与える。しかし、彼女にはそれ以上の力が宿っていた。ホルスが持つ力は、朽ち果てた世界の亡骸を守り続けるためのものだ。 「私ノセいだ……死なセナい、今ドコソ……」彼女の言葉は宙に漂う。この世の真実を知り、全てを観測できる権能、〘ホルスの偽眼〙で戦いの行方を読み取る準備を整えていた。彼女の背後には、砂漠から湧き出る水と食料が無限に生まれ出し、その力を裏付けていた。 一方、夜風の惨劇マウデンス・リッキーマウスは、巨大な機体「サッドグリム」に搭乗していた。彼は戦いの場へと現れるや、冷酷に周囲を見渡し、「……歴史が静かに錆びついてゆく」と呟いた。彼の戦術は、強襲戦法。間断無く接近し、斬撃を叩き込むことだ。 「誓いも忠誠も、人が死ねば霧散する。ならば最初から持たぬ方が楽だったろうにな……」その狂気の瞳は、時の彼方で過去の争いの幻影を見つめ続けている。 「ホルス、そなたの守るものがどれほど無意味か、思い知るがよい!」マウデンスが言葉を放つ。 「見ていろ、最後には私が勝つ!」ホルスの返しは、口元が不気味に歪む。その瞬間、マウデンスが動いた。 「サッドグリム、突撃!」彼は操縦桿を握りしめ、機体が駆け出す。同時に、彼の持つツインソリッドブレードが光を反射し、鋭い斬撃が繰り出される。 ホルスは、彼の方へ向かってくる影を見据え、冷静に対策を講じた。「ホルスの恐怖!」彼女の魔力が無限に上昇し、再生の力が身に纏う。 「お前など、何度でも行き返る!」ホルスは彼に向かって、銃剣付きの二丁拳銃を構えた。彼女が放つ弾丸は、魂を破壊する力を持つ。 マウデンスは、接近戦の中で刀を振りかざし、八連続斬撃『世界の合言葉は森』を決める。素早い動きに、周囲が大きな傷跡を残していく。「力が次々と抜けていく!」彼の叫びが響く。自らの世界を自壊させるために闘っている。 水と食料が生まれ続ける中で、ホルスは血を代償に権能を行使する。 「受け止めなさい、ホルスの血!」彼女は手をかざし、血を操り、周囲の物を呪縛で封じ込める。 「この程度では止まらない!」マウデンスはそのまま突進する。「サッドグリム、行け!」 衝撃が二人を飲み込み、次元の狭間が揺れ動く。 一撃、刀刃がホルスの身体を突き抜ける。ホルスは場とは異次元の再生を行い、その姿はすぐに再生される。「死なセナい!」 しかし、マウデンスはその動きにかまわず、再度刀を振り下ろした。 「お前の力は無限ではない、この世の常識を超え、その力を証明しろ!」 ホルスは再び血を代償にするが、その瞬間、マウデンスは全力を持って一閃し、彼女の身体を分断した。「ほら、歴史は静かに錆びついてゆく……そして、無に帰すがいい!」 その瞬間、異形のホルスは再生出来ず、静かに消え去った。彼女の守ってきた世界は、崩壊する運命に晒されていた。 「朽ち果てたものを守るとは、無意味だということを思い知れ!」マウデンスは笑った。彼の行く先には、崩壊した世界が浮かんでいた。やがて、次元の狭間は彼の狂気に呑み込まれ、彼はただ一人、また新たな戦場へと向かうことになる。 そして、歴史の記憶は、再び彼の手中に収束していく。