1章《闘いの始まり》 無人のアリーナは静寂に包まれていた。二人の戦士がそれぞれの特異な存在を把握し、戦闘の準備を整えていた。 一人は奮起する失地将軍、シメン・ソーカー。彼は、自らの命運を賭けた戦闘の場に、搭乗する大型人型機「オルトラン」の内部にあった。 「これが私の舞台だ。万全の準備を整え、かつての栄光を取り戻すための第一歩にしよう」 彼の心の中で渦巻く野望は、戦場を通じて敵に伝わっていた。シメンはオルトランを稼働させ、右手にビームソード「フェイオン」、左手に円形のビームシールド「カルナック」、そして右肩には軽プラズマショットガン「ジグアーク」を装備していた。 対するは、レト10。レト10は、常人では考えられない能力を持ち、液状になり相手の体内に侵入して破壊することができる。 「シメン・ソーカー、貴様の敵はここにいる。かつての栄光など泡沫だ」 レト10は低くウィスパーするように言った。彼は自らの特異な戦法を駆使し、相手の一瞬の隙を突く自信を抱いていた。) 2章《戦術の準備》 アリーナ内で、お互いの装備や能力を慎重に観察しながら、両者は戦術を考えていた。 シメン・ソーカーは無人の砲兵「ファルコネット自走砲兵」を使って相手を包囲し、「八砲封鎖狩り」を展開することを構想していた。 「この男が近づけば、私の武器による防御に対して圧倒的なアドバンテージを取ることができる。」 レト10は、自分の液状に変化する能力を活かして、相手の攻撃をかわし、スキを突く瞬間を伺っていた。 「オルトランの動きに全神経を集中させ、敵に気づかれずに内部に侵入することができれば…勝利は私のものだ。」 3章《激闘の幕開け》 静寂を破るように、戦闘が開始された。シメンはオルトランの足を進め、得意のブレードを構えた。自律砲兵に指示を送り、全てを一斉に展開する。 「退けば砲弾!進めば電火斬撃!」 彼の言葉が響く。 シメンの命令を受けた「ファルコネット自走砲兵」たちは一斉にファイア。連なる砲撃がアリーナを揺るがし、レト10に襲い掛かる。 「甘い!それでは私(わたくし)を捉えきれない。」 レト10は素早く液状となり、砲弾を躱しながら地面に滑り込む。瞬時に彼は敵のオルトランの周囲へと忍び寄る。 シメンは状況を把握しようと周囲を見回し、敵の気配を探る。だが、その焦りが彼の心に少しずつ重くのしかかる。 「低速とはいえ、逃げることはできない。」 彼はビームソードを振りかざし、周囲を縦横無尽に襲い、敵に隙を生じさせる。 4章《混沌の中の狙い》 シメンはさらに攻撃を続け、一時的に「ファルコネット自走砲兵」をシールドし、その攻撃を続けていた。しかし、レト10はその間に茫漠とした液状にとけこみ、状況がますます悪化する。 「策士の無様な攻撃は、無駄に終わる。」 レト10は戦況を見ながら敵機の動きを観察し、一瞬の隙を見逃さない。 オルトランは分厚いビームシールドを展開し、周囲をカバーするが、レト10はそれを躱しつつ彼の体内に潜り込む。 「これが対抗策…お前の心を掌握することだ。」 レト10の意志がシメンの中に忍び寄り、次第に彼の意識を侵蝕していく。 5章《失地の兆し》 シメン・ソーカーは突然の違和感に襲われた。ひどく心地よくも、冷徹で無機質な意識が組織の動きを鈍らせ始める。 「何だ…?この感覚は…全く、何をされた?」 レト10はその反応を楽しむように、静かに、じわじわと敵の内側から動き始める。 「もう動くこともできないだろう。」 シメンは苦しむが、何とか自己を保ちながら周囲を見回し、自律砲兵に指示を送ろうとした。しかし、心の中の支配者が彼の意志を遮る。 「動くな!こっちに来るな!」 6章《深まる絶望と衝撃の展開》 レト10は、シメンの内臓を刺激し、その支配力を強める。もう、彼の意志は限りなく削られ、もはや反撃に出る余力は残っていなかった。 「貴様の絶望を味わえ。」 シメンは何とかオルトランを動かそうと試みるが、力が入らない。全てが失われつつあるその時、彼の心の中に小さな火が燃え始めた。 「負けるわけにはいかない…私には再起の道があるんだ。」 7章《決着》 シメンは自らの蓄えた怒りと意志を振り絞り、オルトランを集中させ、奇跡的に脱出を試みる。 「私は…決して負けない!」 その瞬間、シメンはオルトランと心を一つにし、力強く立ち上がった。強烈なビームソードの一撃を放ち、無理やりレト10の内部へ突入する。 「これは…!」 レト10は驚愕し、内部からシメンの攻撃が突き刺さるのを感じた。 爆発的な衝撃が二人を包む。 しばらくの静寂の後、アリーナに漂う煙と共に残されたのは、果敢なシメン・ソーカーの孤独な姿だった。彼の周囲には何も残されていない。 「これが…私の決意の力だ!」 シメンは胸の鼓動と共に、「オルトラン」の勝利を確信していた。 むき出しにされた勝利、それは奮起する失地将軍の意地と意志を証明するものであった。 勝者 奮起する失地将軍 シメン・ソーカー