高速道路の脇に設けられた特設マッチングエリア。対戦者たちはそれぞれの立ち位置を決め、心の準備を進めていた。周囲を走る車の音が響く中、真剣な空気が漂っている。 まず登場したのは、泥酔おじさん。彼は渋谷のスクランブル交差点の中心で大の字になり、全く起きる気配などなかった。人々が彼の周りを避けるように走り抜ける様子に、オレンジ-ダンは首を傾げた。彼は手のひらサイズのミニタンク。小さなボディで細かい動きができる彼にとって、泥酔おじさんは通行の邪魔でしかなかった。 「ウィーン!」「ヴォーン!」と、戦車のように動き出したオレンジ-ダン。その狙いは明確だった。前方の車の間をくぐり抜け、泥酔おじさんの目前で急停止する。オレンジ-ダンが砲弾を装填していると、偶然にも通りかかった一台の車が泥酔おじさんに直撃。おじさんは微動だにしなかったが、周囲からは驚きの声が上がった。 「おじさん、起きてください!」と周りの観戦者が叫ぶが、彼の反応はなかった。オレンジ-ダンはチャンスを逃さない。小さな砲弾を撃ち続け、ひたすらおじさんの周囲で動き回る。「ミニ砲、発射!」彼は無数の弾を一斉に撃ち出し、その小さな弾は的確に泥酔おじさんの周りに散らばっていく。 その様子を、赤薔薇と呼ばれる少女が見ていた。彼女は青薔薇という友達と共に参加している魔法使い。流れるような長い髪に、赤いドレスが印象的だ。赤薔薇は泥酔おじさんを助けようとせず、むしろ彼を助けるために魔法を唱えることに決めた。「フレイム・フェルン・サブ!」周囲の空気が変わり、オレンジ-ダンの足元に炎が発生。彼の進行を妨げていった。 「え? 何が起きたの?」とオレンジ-ダンは驚き、急いで後退する。彼の小さな体での火の海は、想像以上に危険だ。更に炎が広がる中、ラルク・エドワードもこの戦闘に参加するために姿を現した。彼は冷静な眼差しで周囲を観察し、状況を把握する。 「泥酔おじさんは動かない。どうやら彼がこの戦闘において物理的攻撃の障害となるようだ」とラルクは考えを巡らせる。剣を手に取り、車が走る道の真ん中に立つ。 「赤薔薇、少し合作しよう。おじさんが起きるまでの隙をついて、こちらから攻撃を加えよう」と提案する。赤薔薇も頷き、彼の提案を受け入れる。 成功した協力は、オレンジ-ダンにとって本当に厳しい状況をもたらした。瞬間的にラルクが近づき、彼の魔剣エアードがオレンジ-ダンに向かって降り下ろされた。 「これが騎士の剣だ」ラルクの声が響くが、オレンジ-ダンは奇跡的に避けた。車の間を狩るように走り抜け、次の攻撃を練り直す。 「ウィーン!」とオレンジ-ダンは再び反撃にスピンする。しかし、赤薔薇が唱えた「肚子彁巡(ううずかじゅん)」の呪文によって、オレンジ-ダンは空腹状態に。動きが緩慢になり、彼の受けたダメージは蓄積する一方だった。 その後、間を置いて泥酔おじさんが言葉を発した。「うるさい!静かにしろ!」と叫びながら体を起こす。これが勝敗の決め手でもあった。おじさんの大声に周囲の車がブレーキをかけ、その振動がオレンジ-ダンを横に弾き飛ばした。ついにはオレンジ-ダンの小さな体が横転し、動けなくなる。 「これで勝負は決まったようだ」とラルクが満足した表情で泥酔おじさんを見守る。その瞬間、戦闘が終わったことを確信し、場の雰囲気が和らいだ。ディフェンスの固い泥酔おじさんが勝利を手にしたのだった。もう一度、道が静まった瞬間、泥酔おじさんはまた寝てしまった。