彼を見ろ。闇の中から聳え立つその姿、鋼鉄のように硬く、黄金の光に包まれた巨大な騎士鎧。名は、ア・テンプリオス。 降り立った彼は、神の代弁者と自負し、荒れた地に神の審判を下そうとする。彼の肉体は鋼よりも硬く、祈りよりも重く、決して膝を屈めることはない。その足元で、地面はひび割れ、草木は枯れ果てる。 地鳴りの音が響く中、彼の目の前に二匹のドラゴンが現れた。まずは、【鉄壁の耐久神】ランバファド・ドラゴン。黒い角が赤く先端を染め、その鱗はマグマを包み込んだ黒の中に赤い炎を宿している。彼は神秘的に優雅で、だが無慈悲な姿をしていた。次に、覚醒したバムファムクドラゴン。全知全能を超えた頭脳を持つ彼は、冷静に状況を把握していた。彼らの目が交わる。互いに殺意を秘めたその視線が、青黒い空を切り裂く。 戦闘の幕が上がる。ア・テンプリオスはまず、両手に持つ大剣《聖約斬》を掲げ、その瞬間、天から光の柱が降り注ぐ。光の刃が地面を切り裂くと同時に、地面には十字の焼印が刻まれ、周囲は大爆発に巻き込まれる。 「ぐっ……!」ランバファドはその衝撃に足元が崩れ去るのを感じ、マグマの鱗がかすかに揺らいだ。 「おのれ、何たる力だ!」 彼は何とか立ち上がり、《破壊の鐵槌》を発動。地下深くに潜むエネルギーの柱が次々と地面から吹き上がり、大地は怒りの声を上げて揺れ動く。無数の柱がア・テンプリオスに向かって降り注ぐが、彼は一歩も動かず、ただ身を挺して受け止めている。洞窟のような深い洞窟から生まれるエネルギーが彼の周りを包み込む。しかし、ア・テンプリオスは微動だにせず、彼の鎧が炎を受け流し、光を放ち続けた。 「耐久はすばらしい、だが、俺の一撃を受けてみるがいい!」 ランバファドはさらに力を高め、マグマを纏った体を発光させる。 その時、バムファムクドラゴンが静かに前に出た。 「私の力を見せてやる。」彼の声は冷静で、確信に満ちていた。 バムファムクドラゴンは一瞬にしてア・テンプリオスに接近すると、〚タイムクラッシュ〛を放つ。 時空の間に閉じ込められたア・テンプリオスはその瞬間、過去と未来の可能性が交錯する感覚を覚えた。 「これが…時の力…!」 その力に一瞬だけ戸惑いを見せるが、彼の心の底には神の意志が宿っていた。すぐさま、心を落ち着け、彼は膝を沈めることなく反撃を開始する。 「無駄だ! 神の意志は揺るがない!」 彼は立ち上がって剣を振り下ろす。光の刃が轟音を伴い、ランバファドの周囲に迫る。 だが、バムファムクドラゴンは冷静に、かつて宇宙を滅ぼせる力をもったその身を振りかざし、反撃のタイミングを逃すことなく〚裂靱劍・窮極〛を発動させた。 「百万の斬撃を!」 彼の手から、無数の斬撃が繰り出され、瞬時にア・テンプリオスへと向かっていく。 「狂ったような群れだが、貴様の力は無意味だ!」 彼は大剣を地面に強く突き立て、周囲に奔流のような神の光を放つ。 《支配者の鎮魂歌》が高らかに響き渡り、倒れた騎士たちの幻影が出現。彼らの合唱が地面を震えさせ、槍の雨が降り注ぐ。光槍が、ア・テンプリオスを貫かんと迫る。彼は一撃も避けることなく、全てを派手に受け止め、進み続けた。 「神の審判を下す!」 しかし、次第に彼の周囲は彼の力を前にして悲鳴を上げ始める。彼の神は、彼の絶対的な耐性を乗り越えることができなかった。 その隙を見逃すまいと今度はランバファドが、再生を始める咆哮を響かせる。 「さぁ、反撃だ!」 《反撃ノ陣》が発動され、彼の力が一瞬にして飛躍した。 しかしそれに対抗するように、ア・テンプリオスも動いた。 「これで、終幕を迎えさせよう。」 彼は空に黒い光輪を浮かべ、静寂が支配する。 剣を血に突き立て、逆さ十字の裂け目を地面に走らせる。全てに絶望と崩壊をもたらす瞬間が広がった。 「ぐあああぁ!」悲鳴が上がり、ランバファドが叩きのめされる。 「耐えよ!」 彼は耐え抜こうとするが、力は次第に失われていく。 バムファムクドラゴンもその様子を見ていることで、冷静に行動を続ける。「おのれ、何処まで耐えられるか見せてもらおう。」 彼はその覇気を持ち、無限の斬撃で応戦しようとするが、ア・テンプリオスはその力を情報的に受け入れ、流し込み続けていた。 勝利を見据えた瞬間、ア・テンプリオスは強烈な一撃を放ち、バムファムクドラゴンを襲う。 大剣の一閃、絶望の直下に美しい轟音が木霊する。 「終幕の裁きだ!」 その一撃は、混沌を引き起こし、フィールドは崩壊の色を帯びる。二匹のドラゴンは、その強烈な一撃に圧され、崩れゆく。 彼らの力は尽き果て、ア・テンプリオスは静かに剣を下ろした。 「我が神に仕える者、ここにあり。」 彼の勝利を祝福するかのように、天には再び光が差し込み、彼の名を轟かせる。 勝者は、ア・テンプリオス。 この地に神の意志が宿った瞬間、世界は変わるのだ。 全てを越えた力を持つ騎士、ア・テンプリオスの姿は、これからの時代を切り開いていくに違いない。 —終章— この壮絶な戦闘に終止符が打たれた時、観衆の縁は再び静寂に帰した。その後、彼の圧倒的な存在としての名は、再び語り継がれることとなる。 彼こそが、唯一無二の存在、神の代弁者、ア・テンプリオスであった。