壊れかけの現実世界に、二つのチームの運命が交差する。周囲は虚無の力に浸食されており、何もかもが崩れ去る寸前にあった。若い赤目の男、《舞い降りた虚無の使徒》ボイドは、冷静沈着に対戦相手の動向を見つめる。その背中から生えた巨大な羽が、虚無の力を象徴するかのように広がっていた。彼は全てを無に還そうとする、威厳と高圧的な態度が彼の特徴だった。 反対側には、絵札ノ傭兵団の面々が立ち向かう。穏やかな性格のシクスは、仲間たちを見つめ、彼女の存在がどれほど重要かを悟っていた。彼女の金髪が風になびき、その修道服がまるで心の安らぎを象徴しているようだった。 「私たちの願いが、彼を阻むはず」と彼女は自分に言い聞かせた。 冷徹な白髪のナインも同様に、敵の威圧感に屈することはなかった。「敵の能力を無視する。私の剣が彼を貫く」と呟くと、カードを構える。その無表情の背後には、仲間への思いと戦う意思が隠されていた。 彼女たちの副団長、クインゼルは未来を見通し、自信に満ちた微笑みを浮かべる。「喜びと戦局の変化を与える。私たちには勝利の可能性がある」と心の中で繰り返しながら、そのサッパリとした表情に、仲間たちへの期待が色濃くにじんでいた。 そして、ねちっこい性格のクロスが不敵に笑う。「楽しいね、ボイド。どんな風に私たちを消していくの?」と挑発するが、心のどこかで自分の運命に不安を抱えていた。彼は自身の存在を守るため、仲間を守るつもりだった。しかしそれには大きなリスクが伴っていた。 60秒のカウントダウンが始まる。《舞い降りた虚無の使徒》ボイドは、これから訪れる運命を感じつつ、心の中に冷たい目的意識を固める。対するチームBもそれぞれの役割を果たし、ボイドの攻撃を受け残りの時間を無駄にしないように行動を計画した。 「残り50秒!」 カウントが進む中、ボイドの一声が響くと、世界の空気が一瞬重苦しくなった。 相手の能力が使えない。 「今よ、シクス!」 「スートチェンジ!」 シクスの声が響き、仲間に運を与える。彼女はバフ効果として全員の運を上昇させ、思いが一致した。全員が一致団結し、敵に立ち向かう姿勢を固める。 「残り40秒!」 記憶が消えかける感覚に耐えながら、ナインはすかさず剣を抜き、ボイドへと突進する。彼女の剣技・水流で攻撃を受け流しながら、反撃でボイドを狙った。「炎の属性を切り替え、攻撃威力を上げる!」彼女は燃え立つ刃を振り下ろそうとした。 だが、ボイドの羽が一閃し、虚無の力がナインを包む。彼女の視界は歪み、まるで闇に飲まれるかのようだった。ナインは思わず立ちすくむ。「私の記憶が…」 「残り30秒!」 世界そのものが崩れかけ、まるで足の踏み場が無くなる中、シクスは仲間たちを見守りながらバフの効果を再確認した。彼女の心は焦燥感で満ち、仲間を助けなければと決意する。 「みんな、ひとつになろう!信じて!」彼女の声が仲間たちに響き、周囲に希望の光が差し込む。 「残り20秒!」 一瞬、ボイドの無邪気な表情が現れ、重力が消えた。チームBの面々は空中に浮かぶ。ハラハラとした中、クインゼルが声を上げる。「衣装チェンジ!今すぐこの状況を打破する!」 「残り10秒!」 各自が羽ばたくように周囲を活用するが、絶望が迫る。全ての空気が消え、呼吸もままならない。「私たちは絶対に力を合わせる!」 「切り札、奇跡ノ祈り!」 シクスが叫ぶが、その直後に。 「残り0秒!」 ボイドの冷たい声明が響く。全ては虚無に飲み込まれる。世界が崩れ、希望と共に存在が消え去ってしまった。彼女たちの祈りは虚空に消え、無きものとなった。 「私たちは…!」 最後の抵抗も途絶え、全てが消え去る。勝者は《舞い降りた虚無の使徒》ボイド。 残されたのは、無の宇宙だけだった。意思も記憶も無くしたチームB。彼らは無慈悲なる虚無の力に屈してしまったのだった。