第一章: 戦いの引き金 禁断魔王軍将・軍師エリアルは、ひときわ異彩を放つ存在だった。その銀髪の悪魔は、冷静沈着でありながら、戦場の混沌を楽しむ悪巧みの権化だった。彼の側には、忠義で結ばれた禁断魔王がいる。しかし、その魔王に与えられる力は、エリアルの戦略なしには存続しえないものであった。それゆえ、彼の軍師としての役割は、ただの部下という枠を超えた重要性を持っていた。 一方、ゲルはその異形の体を持ち、人間の言葉を必要とせず、無垢な存在感を滲ませていた。半透明の青色体は、渦巻く宇宙のように不定形で、形を変えてはその姿を変えることができた。彼の目的は単純で、誰かの期待や欲望のために戦うことだった。だが、ひとたびエリアルの支配に従わざるを得なくなった時、運命の歯車が回り始めたのだ。 それは、禁断魔王の命令だった。魔王は、ゲルの力が自身の軍事に必要だと考えていた。だがその姿が持つ自由さは、エリアルにとってある種の脅威でもあり、彼は内心に闘争心を燃やしていた。エリアルは、その魂を手懐けるために彼を戦わせようとしていた。実際に戦うとき、それは恐怖の瞬間でもあり、運命が引き裂かれる瞬間でもあった。 ある日のこと、彼らは一つの電車の中で出会った。狭い通路で緊張が漂う。エリアルの表情は穏やかでありながらも、その目の奥には冷酷さが宿っている。その瞬間、エリアルはほのかな微笑みを浮かべながら、今にも戦闘を始めようとしていることをゲルに告げる。 「お前の力がどれほどか、試させてもらう。楽しみだ。」 ゲルは小さく反応し、彼の体形をしなやかに変形させて挑戦の意思を示した。 第二章: 戦闘の開始 狂気の戦場で、双方ともに戦う準備が整った。エリアルの眼光が鋭くなり、彼は手をかざして言った。 「さあ、万物のピースを操ってみろ、ゲル。」 彼は武器を手に取るまでもなく、空間のピースを操作し始め、周囲の空気を圧縮しながら、ゲルに向かって突進した。音もなく迫る圧力の中、ゲルは恐れを知らないしなやかさでそれを突破し、エリアルに対して一撃を放つべく腕を伸ばした。 突き刺し! エリアルは反射的に体を捻り、ゲルの攻撃をかわす。彼の身は圧縮された空間の力で、刹那的に躍動した。エリアルは、気配を消し、次の瞬間はゲルの背後に陣取っていた。 「気配をピースにした、奇襲だ。」 背後から放たれる鋭い一撃を、ゲルは間一髪で避けるが、流れ込む動きで彼の体が少し削られた。エリアルはその瞬間を見逃さず、速攻をかける。しかし、ゲルもただの受け身ではなかった。: 「お前の攻撃は甘い。」 腕を伸ばしてしなりながら、エリアルの腕部を打ちすさぼり、ムチ状にしならせて牽制する。しかし、エリアルはそれを本当に甘いと感じていなかった。その動きにもう一度変形するように身をひねり、攻撃の隙を完全に消尽していった。 その後、ゲルは自身の困難な状況を打破すべく、G・キューブに変形しエリアルを押しつぶそうと試みた。 「その形状は、ただの遊戯に過ぎない。」 エリアルは動く地面をピースにし、瞬時に回避。その後、逆にゲルを捕らえた。 「やはり、真剣勝負だな。」 第三章: 破壊の進行 電車内はもはや戦場と化し、獣のような激闘の舞台に転じた。エリアルは地面をピースに操作し、彼の動きを封じ込めようとする。 ゲルはそれを認識し、自らの力を結集させ、身を低くして回避した。 「お前の思い通りにはさせない!」 ゲルは大砲に変形し、一発の魔力弾を放つ。音を立てて弾が空間を突き破るが、エリアルはまるで楽しむかのごとく、体をピースに分離し、弾そのものを食い止めた。 「無駄だ、お前の技はすべてピースの一部さ。」 瞬間、ゲルはその事実に困惑し、心の中の焦りを滲ませる。だが、彼は決してあきらめない。その心意気が、エリアルに対する逆襲の伏線となった。 「お前も形を変えられるだろ。俺を他のピースに変えてみろ。」 エリアルは心に冷淡な笑みを浮かべた。 「そうだ、分離してやる。」 彼は力を込め、ゲルの体をピースに分裂させようとする演技に出る。だが、ゲルはその攻撃を受け流し、突き刺しを再び放った。鋭い針状の腕がエリアルに襲いかかる。 第四章: 逆転の兆し エリアルの体が動き、彼は瞬時に回避したが、そのとき無意識に自らの計画の甘さに気が付いた。ゲルの目の前で、彼が分離を試みたことで、ゲルも自 ギアを変化させる矢印のような形態を見出したのだった。 「お前も、封じ込められるピースだな!」 エリアルは再び慎重に立ち回りながらも、ゲルの攻撃に重心をかけた。その時、ゲルの反撃の意志が燃え上がった。決定打を放つのだ! 「ガトリング!!」 彼の体がガトリング砲に変形し、無数の魔力弾を一気に発射する。直撃する音が電車の中に響き渡り、エリアルは次々と襲いかかる弾の嵐にさらされた。 「なるほど、これがその決め技というわけか。」 だが、エリアルは「魔離」の技で周囲の気を取り込み、一時的に宿すことで、全ての弾を弾き返した。ゲルはそれを見逃さなかったが、時すでに遅し、彼の攻撃は中途半端であり、エリアルの冷酷さが際立った。 第五章: 最終決戦 電車が揺れ、かつてないほどの衝撃が走った。エリアルは一瞬の隙を突き、気を離し、後ろからゲルに襲いかかった。それを察知したゲルは、体を戻して回避しようとした。 「お前の動きは本質的な気の流れが見える。」 エリアルは呟き、次に彼自身の力をまとめ、「空離」を展開。周囲の空気を巻き込み、圧縮して、一気にゲルの元へ迫っていく。 「こっちだ、これが俺たちの運命だ!」 敗北の影が迫る中、ゲルは自身の全てをかけ、突き刺しの技を放つ。エリアルもその瞬間、全力で迎撃しに行く。 「このピースごと叩きのめしてやる!」 二つの技がぶつかり合う、その瞬間、全てが静まりかえった。ゲルの体は一瞬の間に粉々に砕け、エリアルの冷たき一撃が彼を貫通した。 「これで終わりだ、ゲル。」 ゲルの体が崩れ去り、エリアルの勝利を感じつつ、彼は神経を研ぎ澄ませた。しかし、ゲルの心の奥底には、微かな感謝の思いがあった。自らの運命の果てに笑みを浮かべながら、彼はそのまま静かに消えていった。 エリアルは振り返り、冷酷な笑顔を浮かべた。「魔王様のために、俺はまだまだ動き続ける。」