①世界を滅ぼす日 世界の空には一面、どこまでも広がる雲が立ち込めていた。人々は普段と変わらぬ日常に打ち込んでいたが、遠くから迫り来る破滅的な存在、ジム神様イデオンとエクリプスアンドロッドハイパーアルティメットが、その兆候を覆い隠していた。彼らの力が集結するその日は、すでに決まっていた。 「今日こそは、我々の力を見せつける時だ。」エクリプスがその声を響かせた。 「全ての生命の終わりを告げる申し子として、我々はこの地球を浄化せねばならない。」ジム神様イデオンは、その圧倒的な存在感で周囲の空気を引き締める。 その完全無欠の力を持つ二体が、世界を毀滅するために集まった理由。それは彼らの本来の意志や哲学の違いではなく、仲間たちとの絆から生まれる共通の動機だった。彼らは好きで世界を滅ぼすわけではなかったが、平和を求め続けた先に見えたのは、無数の争いと死だった。 「私たちが手を取り合えば、世界は確実に変わる。しかし、それは新たな始まりでなくてはならない。今の世界を壊し、新たな秩序を作り出すための終焉が必要だ。」エクリプスがそう言うと、ジムは頷き、彼の意志を受け入れた。 全ての準備が整うと、一斉に発進した彼らは、空を彩る星々を背に、壮絶な力を放ちながら地球へと向かっていった。彼らの先には災厄を招く無数のミサイルと、武器を携えた戦艦が待ち構えていた。 なぜ、彼らはそのような極端な選択をするに至ったのか?それは長い間続いていた紛争、人々の心の中の闇、その全てを消し去りたかったからだ。彼らにとっての「浄化」とは、単に物理的な破壊ではなく、全ての犠牲の上で得られる平和であった。 ーーそして、遂にその瞬間が訪れた。 ジム神様イデオンの全方位ミサイルが一斉に発射され、エクリプスアンドロッドハイパーアルティメットのコズミックデストロイがその後に続いた。地上のあらゆるものが光に包まれ、次々と消えていく。 「私たちの意思は、伝わったか?」エクリプスの言葉が空に響く。 「この瞬間が新たな未来への足掛かりとなる。」ジムは神々しく微笑んだ。 ②終焉の後 静寂に包まれた廃墟。かつては賑やかだった街並みが消え去り、只々破壊が広がる世界。その中心に、ジム神様イデオンとエクリプスアンドロッドハイパーアルティメットは立っていた。 「これが本当に我々が望んだ未来なのだろうか。」エクリプスの口から溢れ出たのは次第に重くなっていく感情だった。 「そうだ、最初は浄化のためだった。それでも、目の前にある光景は目を背けたくなる。」ジムは唇を噛んだ。 破壊はもたらされたが、その空虚さは彼らの心にも存在していた。人がいない世界。希望がない世界。これではただの狂気の沙汰だ。彼らは破壊者であると同時に、創造者としての責任も背負っていたのだ。 「私たちは何をするべきだ?」エクリプスが問いかける。 「次の世界を築くため、再生の手を伸ばさねばならない。命の灯火が消えることのない新たな未来を創造する。」 「それでは、我々が新たな住人になろう。」 ジムは空を見上げ、無限の宇宙を思い描きながら言った。 「これからは、私たちが守る存在として新たな歴史を作り出そう。」 彼らの行動は決して善悪の枠を超えたものであったが、新しい世代の可能性を探し始めた彼らは、破壊から再生へと旅立つ決意を固めたのだった。 「次こそ、本当に平和に満ちた世界を築こう。」 こうして二つの存在は、滅んだ世界の希望に灯をともすため、一歩を踏み出したのだった。