闘技場の空は灰色の雲に覆われ、砂地には外壁の大破片が散乱している。観客の期待を受けて、実況席から響くのは、力強い存在感を放つごつくて荒々しい実況のおっさんの声だ。 「さあ、皆さん! いよいよ始まったぞおお!今回の熱き戦いはチームAから水金工房フィクサーのスイセンと、チームBからデュラハン・ゼオスの対決だああ!!」 実況席の後ろにいる観客たちは、スイセンの白衣をひるがえし、銀色の髪が光り輝く姿を見つめ、一方で蒼炎斧ハルバードを持ったデュラハン、ゼオスに目を奪われている。 「さあ、スイセンは独自工房技術を駆使した装備で戦場に立つ!その特殊な液状金属を使って、防具も武器も使いこなす。対するゼオスは、火の精霊が宿った武器を用い、火を操る力強き戦士だぞおお!この勝負、どちらが勝利を掴むのか、目が離せん!」 実況のおっさんは興奮を隠せず、声を張り上げた。すると、左右に座る専門家たちが、緊張した空気をほぐすようにスイセンとゼオスの特徴について簡潔に紹介する。 「私は魔法工学の専門家、ドクター・シルバです。スイセンの扱う液状金属は非常に面白い技術ですね。彼女は実戦テストに協力を仰いでいますので、どんな展開が待っているか注目です。」 「こちらは戦術戦闘の専門家、ミスタ・エイザーです。ゼオスのハルバードは非常に恐ろしい武器です。斧から放たれる蒼炎で、切られたものはすべて消えない痕を残します。戦法に多様性があり、彼の復讐心には要注意です。」 観客たちの期待が高まり、ついに戦闘が開始された!スイセンは、瞬時にヒドラルギルムを手元に呼び寄せ、杖状の装備を構えた。「まずは実験です…」 その刹那、彼女の意識に呼応するように、ヒドラルギルムが滑るように形を変えて現れる。その瞬間、ゼオスは跳躍力を活かし、20メートルの高みへと舞い上がる。 「ゼオス、跳躍だああ!すさまじい力を見せるぞ!」と実況のおっさんが叫び、観客たちは息を呑んだ。 ゼオスは空中で斧を振り下ろし、蒼炎を伴った一撃を放つ。 「その攻撃力、まさに恐怖だああ!」 スイセンはその一撃を冷静に見つめ、ヒドラルギルムを防御の形に変形させる。すると、閃光のように変形が完了し、瞬時に防御体制に入った。斧がぶつかると、大きな音が鳴り、衝撃波が発生して周囲を揺らす。 「スイセン、すごい防御だああ!流石は水金工房の研究員だが、ゼオスはダメージを与えられないと逆襲に転じるぞ。」 「その通りです、ドクター・シルバ。ゼオスの攻撃はトリッキーですから、油断ができませんね。」ミスタ・エイザーも頷く。 スイセンはヒドラルギルムを両手で持ち、冷静さを保ちながら次の攻撃を考えた。彼女は攻撃を待ち、ゼオスが再び地面に着地するのを見計らって、反撃に出る。 「これが私の真の力よ!」 スイセンはヒドラルギルムを一気に変形させ、武器としての形状を取る。 その瞬間、ゼオスは地面を蹴り、一気に接近。 「来い、ゼオス!」とスイセンは叫び、一撃目の斧を受け止めるものの、すぐに体制を崩される。 「おお!素晴らしい展開だああ!スイセン、踏ん張れええ!!」 蒼炎が炸裂し、スイセンの白衣が焼け焦げていく。しかし、彼女はあきらめない。ヒドラルギルムを別の形状に変え、ゼオスの次の攻撃を迎え撃った。 「無敵の防具にも変形できるぞ!」 スイセンの目が輝き、信じられない瞬発力でヒドラルギルムが周囲を包んでいく。 「おおお!スイセンが防具に変形したぞ!さあ、ゼオスの攻撃を受け止めろ!」 それに対し、ゼオスは再び蒼炎の斧を振り上げ、全力の一撃を放つ。 「おおおお!!」 その一撃はスイセンの防具に直撃し、青白い光とともに衝突音が響く。しかし、スイセンは微動だにせず、そのまま耐え続ける。「まだ…負けないわ!」 その時、スイセンは素早く反撃に転じ、ヒドラルギルムから無数の鋭い刃が生え、ゼオスに襲いかかった。 「ヒドラルギルムの能力を発揮しているぞおお!ずっと防御だけだと相手の隙を与えないぞ!」 「全くその通りですね!ドクター・シルバ。攻撃の期待が高まる!」 刃はゼオスに向かって迫り、蒼炎がその攻撃を飲み込もうとする。だが、ゼオスは一瞬の反応で自らの斧を振り回し、蒼炎によって全てを葬ろうとする。 スイセンは動じず、刃をより強くし続ける。「これが私の技術よ!」 衝撃波がぶつかるが、スイセンの精神力がゼオスに響く。「ここまでよ!」 スイセンが力を込めると、刃は更に強大になり、ゼオスを包み込んでいく。「これが私の技術の証明!」 「おおお!この展開、すごいぞおお!」 今まで優勢だったゼオスは、ついにその身を守ることもできず、攻撃を受け続けていた。 「ついにスイセンが優位に立ったか!」 しかし、ゼオスはまだ諦めない。彼の「復讐心」が彼を支えているからだ。斧がまた周囲を回り、蒼炎がスイセンを襲おうとする。 「もう終わりか、スイセン!」 この瞬間、スイセンは驚愕し、彼女の心によぎる。「相手が…何て力を持っているの…」さらに熱い蒼炎が刃に触れ、その瞬間、スイセンの防具は崩れ始め、全てを溶かすかのように焼け焦げていく。 「うわあああ!!やられる!!」 スイセンの悲鳴が響く。だが、彼女はその絶望の中でも決して手を抜かなかった。次に放つのは彼女の技術の集大成。 「最後の力をかけて、形を変えるわ…」 ヒドラルギルムが変形すると、巨大な防具の姿となった。ゼオスも驚き、その隙を逃さず、彼女は一気に反撃し、斧を彼の状態にに叩き込んだ。 「終わらせる!」 ゼオスの復讐心が一瞬揺らぎ、蒼い炎がスイセンに向かってはじかれる。「これが私の力だ。今こそ力を見せる!」 スイセンが渾身の力を振り絞り、ヒドラルギルムの力を使い切ると、周囲は光り輝き、ついにゼオスをその場に晒し出した。「私が勝つ!」 その瞬間、圧倒的な力がゼオスを包み、彼は完全に打ち倒された。 「勝者は、スイセンだあああ!!」 観客たちが歓喜の声を上げる中、実況席のドクター・シルバも小さく微笑む。「素晴らしい戦いでした…」 ミスタ・エイザーはゼオスを見つめ、やや悲しげに言った。「ゼオスが持つ強い復讐心はやはり恐るべきものでしたが、スイセンの技術がそれを上回ったということです。彼女もまた脅威であることが示されました」 スイセンは彼女の勝利を見届けながら、心の中で思う。「私はこれで満足しない…次の実験が待っているのだから。」 勝利の余韻が残る闘技場、スイセンは新たな試練に向けて、自らの道を歩み続けるのだった。