ある曇天の日、【第901怪異課-調査班所属/光る丸眼鏡】狸坂ほとりは、調査班のメンバーであるフィアーと共に、異変の調査に向かう道中、異形の存在である百面相と遭遇した。 その姿は、無数の仮面を抱えた軍服の者であり、仮面からは不気味なオーラが漂っている。 「皆様、楽しんでいますかァァ!?」 百面相が笑い声を上げ、周囲の空気が一変する。狸坂は一瞬背筋が凍る思いをし、隣のフィアーも緊張感を露わにする。 「タヌキ坂、慎重に行動しよう。これが百面相の仕業だ。」 フィアーが耳打ちする。狸坂は、心の仮面に引き寄せられるように思える疑念を振り払った後、彼が持つ大巫女の符を確認した。 「私の巫術でこの場を収める!」狸坂は自信を持って言った。 彼は符に『鬼』と書き、その符を投げる。「前鬼、後鬼、出でよ!」 符が空中で輝き、二体の鬼が姿を現す。 鬼たちは自らの力で百面相に向かって突進する。しかし、百面相はニヤリと嘴を上げる。 「仮面工房、開放! さあ、心の仮面たち、私を助けて!」 百面相は工房の中から一つの仮面を手に取る。それは鬼の仮面だった。そしてその瞬間、彼の周囲には無数の鬼の幻影が現れ、鬼たちを取り込み、根本から滅ぼしてしまった。 「ふふふ、悪いけど、私の鬼が勝つ!」百面相は堪えずに笑い続けた。 狸坂は見守るフィアーに向いて一言、「このままでは負けてしまう、結界を張る!」 彼は符を四枚取り出し、力を込める。「四方より青龍、朱雀、白虎、玄武来たれり!恐るる者は疾く去りや!」 空が輝き、周囲の空気が清浄に変わる。百面相は思わず後退し、影を感じ取れる方へ逃げるようにその場から動いた。 「この結界は面白い!でも負けないよ、次はこの仮面を使おう。」百面相は別の仮面を取った。それは防御の力を持つ仮面だった。 「何だと!?」狸坂は思わず叫ぶ。 於長の間、それぞれの思惑が交差し、狸坂は忍術を使うことにした。 「影縫い!」狸坂は符を貼った苦無を百面相に向けた。 だが百面相は、心の仮面を付け替えて逃げる。 「無駄だよ、その忍術は私には効かない。」 狸坂の心の中に焦りが広がる。しかし、彼は仲間を護るために立ち上がる決意を固めた。「フィアー、あなたの焰を使って百面相の動きを封じよう!」 「了解!私も全力で行くわ!」フィアーは頷き、力を集める。「紅蓮流星群、発動!」 彼女の背後に炎の槍が現れ、雨のように百面相に向かって落ちて行く。しかし百面相は、またもや仮面を付け替え、鬼の仮面を選んだ。 「さあ、火縄銃の雨だー! 進め、撃てぇぇ!」 百面相の仮面により、彼は空に長い火縄銃を展開し、の発射を始める。 「全てを燃やしてしまえ!紅の星!」フィアーはそのをやりすぎないように叫びながら、炎の雨を放った。 両者の攻撃が交錯する瞬間、周囲の空が爆発的に膨らんでいく。狸坂は角を突き立て、その中で前鬼・後鬼を使って、百面相を捉えようとした。 しかし、百面相は千変万化を続け、次々に他の仮面に変わっていく。 「お前の敗北は見えた。」百面相の姿は怨霊を模した仮面を持っている。 狸坂は絶え間ない攻撃を受け続け、ギリギリのところで耐えていたか、自身の体力も限界が妥当だ。 最終的に狸坂は力を振り絞り、百面相の動きを止めるために「夜行封じ聖域!」と叫ぶ。 技が発動し、結界による清浄な空気が百面相を包む。しかしこれだけでは不十分だった。百面相は五つの仮面を急に取替え、形勢逆転を試みる。 「お手本を見せよう。私の奥義を受けてみろ!」百面相の言葉が響くとともに、暗い影の中から彼には力が流れる。 「彗星の夜!」フィアーが自らの身を危険から護るために叫び、そしてその場に星々の煌きが流れ落ちてくる。 「星滅爆嵐、全てを消し去れ!」百面相の笑い声が響く。 フィアーもその影響を受けた。最終奥義を発動するその瞬間が訪れたが、最早、抜き差しならない状況が広がっていた。 「これで終わりだ、さあ行け!」 空が割れ、それでも避けられなく百面相の強大な力が落ちてきた。 狸坂は最後の力を振り絞り、封印を行う。「どうしても護りたかった、徹底的に打ち勝つために!」 しかし、百面相の爆発的な力に全てがかき消されて行った。 耀ける星々が消え失せ、光り輝く瞬間が訪れた後、何も残らなかった。 最後の爆発の後に、百面相は狂気に満ちた表情で去り裂いていったが、狸坂とフィアーは意識を失って落ちていた。 百面相の勝ちだった。 その戦いの跡には両者の力の証が残され、静寂だけが響く空間が広がっていた。 百面相はその後、どこかに消えていった。