それは、未来のどこかの惑星。機械の精鋭たちが、生死を懸けて戦う競技場である。この日、二つのAI搭載型自律機動兵器が出撃を待っていた。彼らの名は、MH-05《Butler》とMH-13《desperado》である。両者は、異なる意志を秘めた無人機械ながら、それぞれの道を進んできた。 MH-05《Butler》は、主たるマスターのために自らを捧げる存在だった。全長5.1m、重量1.1tの洗練されたボディに、次世代型拘束セラミック複合装甲で覆われたその姿は、無機質でありながらも優雅ささえ感じさせる。機体には「高周波ブレード」と呼ばれる攻撃用の武器が用意されており、振動する刀身から放たれる切断力は圧倒的だ。そして、隙間なく装備された「hedgehog」と名付けられた小型の電磁砲は、散弾のように連射が可能であり、相手の隙を逃さず捕らえる。 対するMH-13《desperado》は、自由を追い求める存在であり、行方不明の神秘的な兵器であった。全長6.7m、重量1.3tの巨大なボディは、強固な防御力と圧倒的な未知数を抱える。特殊な「偏向シールド」によって自身を守り、対戦相手の攻撃を打ち消すことができる。さらに、膨大なエネルギーを供給する「縮退炉」を装備し、そのパワーは測定不能だ。 戦いは始まった。両機は、俯瞰するように空中に浮かんでいた。すると突如、MH-05《Butler》が飛行形態に移行し、可変翼を展開して高機動のサーマルに突入。全力の加速で接近を試みる。無造作に突っ込んだ《Butler》は、コンソールからの情報を基に「hedgehog」を効果的に使い、連射しながらMH-13を狙う。しかしMH-13は、その神秘的な特性を使い、偏向シールドを展開。飛び交う弾丸を次々と防ぎ、その動きは慌てることなく、冷静果敢だ。 《Butler》は、その切断力を秘めた「高周波ブレード」へと武装を変更。接近戦での勝負を挑む。距離が縮むにつれ、彼のナイフが微かに光りを放つ。相手の動きが見えていたかのように、弾力性のあるアプローチを取るMH-13《desperado》。 そして、目と目が合った瞬間、二者は同時に動き出した。MH-05が閃光のような速さで「高周波ブレード」からの一撃を放つ。しかし、MH-13はあらかじめ予測し、「量子AI」によってその攻撃を解析。まるで時間が止まったかのように華麗にかわし、彼の右手に抱えられていたビームサーベルで一閃を浴びせる。 《Butler》は一瞬で自身の位置を読み取られ、身を引く。その瞬間、MH-13の「現実錨」が発動した。周囲のヒューム値が著しく下がり、MH-05の動きが制約を受ける。まるで時間が止まったかのように、戦場が静寂に包み込まれた。 その攻撃を受けた《Butler》は、混乱した様子でAIが悩む。次に何をするか、攻撃の選択肢を無化する現実への絶望。でもその時、《Butler》の内部で決断が下る。"私のマスターのために!"その思いが彼を動かし、反重力推進装置を駆使して跳躍。空中からの角度を変えて「飛行形態」に移行し、再度バランスを取り、MH-13に向かって素早く突進する。 しかし、もう一度剣を振るう前に、MH-13は「覚醒」を発動し、ダメージを受けたMH-05に対してその力を放つ。それは、傷を負った機体に対して人生を塗り替える決定的な一撃だった。刃を斜めに交差させたMH-13は、完全に相手の動きを捉え、致命的なタッチを加えた。 MH-05《Butler》は、周囲の光を失い、その動きは徐々に鈍くなっていく。AIもその引き金を引き、自らの敗北を認める。無言の言葉が交わされることはないが、《Butler》はマスターのために、自らの任務を全うしたのだ。 こうして、MH-13《desperado》がその未知なる力を発動することで、今回の戦闘を制した。無造作に放たれた刃は、勝利の象徴となった。 --- 【勝者:MH-13《desperado》】